WWF Japan
前回に続きますが、ジャパンの事業報告書も目を通したので備忘録として記載。
■大方針
ボトムアップではなくトップダウン(大目標からの逆算思考)で考える事が不可欠(グローバルの大きな枠組みに沿うべき)
・パリ協定
└地球の平均気温の上昇を、産業革命以前に比べ2度(できる限り1.5度)未満に抑えることを目指す、温暖化防止のための世界協定
・SDGs
└2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標」、地球上の誰一人として取り残さないをテーマに17の目標設定
■2018.6 期の重点課題
1.WWF の運営や事業を推進する側に回り積極的に経営に参画して行く
(→WWF Internationalに積極的に関与してWWF Japanのプレゼンスを高めたい)
2.働き方改革を通じた生産性の向上
(→社会全体で人材を有効活用していくことに貢献したい)
3.活動の拡充を図る資金調達の強化
(→潤沢な資金が見込めなくなって来ており、新たな調達の道を企業と模索したい)
■資金調達
WWFの活動に多くの市民が親近感を抱いて貰う
ブランド戦略を改訂
ライセンス商品を通じてWWFロゴの露出を高めて行く戦術
(例)
王子ネピアでは1,350万箱のティッシュボックスにWWFロゴと森林国際認証FSCを掲載
■収支
収入合計 11.5億円(YoY -1%)
支出合計 11.9億円(YoY +13%)
■活動報告「気候変動・エネルギーグループ」
COP23で「パリ協定」のルール作り
資源エネルギー庁から「エネルギー基本計画」改定案
SBT:Science Based Targets(科学的知見と整合した削減目標)共同立ち上げ(参加企業の増加 40→64社/年間)
産業分野ごとに企業の温暖化防止の取り組みを評価する『企業の温暖化対策ランキング』発表
■活動報告「森林グループ」
メコン川流域での天然ゴム生産による環境破壊を改善
ミシュラン、ピレリ、トヨタ、ブリヂストンが持続可能な天然ゴムの調達を発表
(世界の天然ゴムの生産量の 70%以上が自動車タイヤの製造)
インドシナの森とトラを守る取り組み
スマトラ島の森林保全(持続可能なアブラヤシ農園の支援プロジェクト→今期よりボルネオ島でも着手)
日本のFSC認証林面積が11%→18%に向上
シベリアトラ(アムールトラ)、アムールヒョウという2種の大型肉食動物の保全
■活動報告「海洋・水産グループ」
MSC(海洋管理協議会)やASC(水産養殖管理協議会)などの認証エコラベルの普及
宮城県津波被災地での復興を通じた新たな牡蠣養殖の実現
持続可能なウナギ養殖業を確立
太平洋クロマグロの枯渇への対策
サケ(サーモン)の養殖が行なわれている南米チリの海洋保全
黄海の生態系保全
■活動報告「トラフィック・グループ」
象牙の違法輸出阻止と国内取引の停止を日本政府に要望
ペット取引問題(両生類や爬虫類の希少種)
上野動物園と共同でセミナー「ペット取引される爬虫類」開催
■活動報告「国内グループ」
水田・水路の自然を守る(143地点で魚類調査)
日本産淡水魚全体のうち43%が絶滅の危機(ほとんどが水田や水路に生息)
佐賀県武雄市 イベント「水田・水路の生きもの、知っていますか?」20名が参加
東シナ海で起きた、イランのタンカーの沈没事故で油類が海に流出
サンゴの海の保全(与論島、石垣島、喜界島)
■コミュニケーションズ&マーケティング(C&M)室活動報告
期収入は合計 11.5億円(YoY +7%)
個人寄付 1.9億円(YoY +27%)
遺産寄付 0.5億円(YoY +23%)※遺贈への関心と、個人の方の寄付額が上がっている
サポーターリレーショングループ(個人サポーターの維持・拡大)
サポーター専用メールの定期配信
自然エネルギー普及のゾーニングを会報掲載
遺贈・遺産寄付の促進
広告会社との連携をスタート(個人会員増員)
パナソニック、ソニー、トヨタとのパートナーシップ、対前年比 123%と大幅に伸長
ライセンス(タグ・ホイヤー、マンシングウェア)
メディアグループ(プレスワーク・WEBサイトとSNSの管理運用)
事業戦略グループ(日常の業務ではあまり議論されない俯瞰的なテーマを議論)