ソウルイーター
2019.05.25 03:25
第5回目のこだわりの《表情》は、
漫画、ソウルイーターの《表情》です。
鎌に変身できる少年ソウルとその鎌を扱う少女マカの魂の繋がりや、
仲間との友情、葛藤を描いたダークファンタジーな少年漫画なんですが、
この漫画のキーワードとして「狂気」というものがすごく重要な要素なんです。
作者の大久保篤先生はこの「狂気」の表現が凄まじくうまいんです!!
大久保篤『ソウルイーター』、スクエア・エニックス、04年7/22初版、14巻93ページ、引用
大久保篤『ソウルイーター』、スクエア・エニックス、04年7/22初版、14巻94ページ、引用
めちゃくちゃ怖くないですか!?!?
この狂ってる感じ、鳥肌立ちます。
これは敵に精神を人形のように操られそうになるシーンなんですが、
この細かく、色味のないタッチが無機質で生気のない感じを表現していますよね。
線の太さにムラがあることで歪みを感じ、不気味な感じも出ています。
タッチだけでこの「狂気」、ゾワッとしますよね!!
そしてこの白目を向いているかのような目と笑わされているかのような笑顔、まさに「狂気」の《表情》!!
次は演出の面白さです。
この2つのコマは、
左ページ最後のコマと、右ページ最初のコマなんです。
漫画の表現で、最後のコマで引き最初のコマで驚かす、というものがあります。
それがしっかりとあって、
最後のコマで表情をみせずに、どんな表情なんだろうと引きを作り、
ページを捲った瞬間に狂気の表情で驚かせる!
より《表情》を読者に伝えることが出来るんです。
大久保先生の描く「狂気」、ほんと魅力的です。
この人の表現する◯◯が好き、と思われるのってすごく大切なことですよね。
個性、武器、魅力。
僕も自分だけの表現、見つかるまでひたすらチャレンジです!!!!!