太陰暦
太陰暦は人類が最初に作った暦で、月の盈虚(えいきょ)(満ち欠け、朔望)サイクルを基準とした規則正しい暦です。太陰暦は太陽の運行とは無関係で、30日の大月(だいげつ)と29日の小月(しょうげつ)とをうまく配列して、一か月の平均日数を一朔望月(29.530588日)に近づける工夫をしています。よって、月齢から、月内のおよその日付を知ることができる暦なのです。
しかし、実際のところ月の盈虚だけで1年間をきっちり埋めることはできず、必ず端数が生じます。例えば、12朔望月で埋めようとしても、12朔望月=約354.36日なので、一年まで約10.88日足りません。仮に1年=12ヶ月(12朔望月)として計算を続けていくと、1年の区切りが毎年10.88日ずつ早くなってしまいます。これだと使い物になりません。なぜなら、私たちは農耕社会にあって、月の盈虚とは無関係な生活を送っており、むしろ、太陽による四季の変化の方が、生活に影響しているからです。つまり、私ちが生活する上で太陽の影響を完全に無視することはできません。そこで、朔望月と1年の日数とを揃えるため、12朔望月に10.88日を加えるという方法で調整してみましょう(下図)。
これは1年を12朔望月=354.36日と仮定して、足りない10.88日を次の朔望月の日数の中で調整する方法です。これだと年初に12朔望月に属さない空白の数日が生じて、1年の始まりの日がバラバラになってしまいます(上の三角)。また前年の朔望月が翌年に少しはみ出してきたりします(3年目のパターン)。例えこうした不備があったとしても、実は、これはこれで一つの暦として前提条件が定まっていれば成り立ちます。勿論、決して実用に向かないでしょうが……。確かに太陰暦は少なくとも信仰や宗教的儀式など月の盈虚と結びつく何らか思想的ベースがなければ、人が日常で利用することは難しいと言えます。なぜなら、人類の生活のほとんどが昼間の営みだからです。つまり、生活の営みが、昼間に集中する以上、月の盈虚よりも昼間の太陽の運行やそれに伴う気温変化に基づく暦の方が、自ずと重宝される訳です。
いずれにせよ太陰暦は必ず太陽周期との間に端数処理を生じ、ここに太陽周期と月の盈虚周期との差をどうやって小さくするか?その手法(暦法)を編み出そうとして人類の挑戦が始まるのです。
現在、太陰暦が利用されているのは回教暦(イスラム暦)だけだと言われます。これは、回教に断食をするラマダン月という風習があるからです。このラマダン月は年初から9番目の朔望月に、今も行われている儀式だそうで、朔の翌日月齢1.0の月を日没時に確認できるならば、そこを「月初」として実施されます(※回教暦は30年周期で内11年を閏年とし12月に1日足す方法で1年との誤差を修正しています)。このように宗教と結び付いた、特殊な状況を除いて、太陰暦を用いる国や文化はほとんど無いというのが現状です。
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