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<現代陰謀説> 陰謀論的に見るファーウェイの意味

2019.05.30 22:00

<現代陰謀説> 陰謀論的に見るファーウェイの意味

 陰謀を行うときに最も重要なのが情報である。情報がなければ何もできないし、また情報がなければ新たな陰謀を組み立てることもできない。一方情報があれば、相手の陰謀を完全に見破ることも可能だ。

つまり、情報を得ることが最も重要であって、その情報を得るために、様々なことを行うのである。その典型的なものがスパイであると思うが、最近ではハッキングや盗聴なども非常に多く、通信手段の基幹部分を行うことが情報収集の一つのものになっている。

ある意味で、現代社会の中においては「ネットやコンピューターを使わないこと」が、もっとも情報を盗まれない方法であるといえる。もっと端的に言えば、「形のない情報を盗むことはできない」のであり、それらに関してはヒューミント的に話を聞く以外には全く手段がない。一方で、コンピューターの中に情報が入っている場合は、「ハッキング」「メールの搾取」「盗聴」でシギント的に入手が可能である。

さて、現在の米中貿易戦争は、まさに、この情報の戦いであるといってよい。本来「情報や無体財産権の保護」というのは、当然の取引自由化の義務であり、その義務が守れない国は、貿易の自由化を主張することもできない。つまり「義務」が履行できない人々に「権利の主張」をすることはできない。しかし、その辺のことを全く無視している国がある。中華人民共和国である。

自分たちは無体財産権を守るということをしない。そもそも国営企業が多く自由競争がないということはつまり、国営企業は中国内企業のすべての責任は政治の責任であるということが言える。それにもかかわらず、企業の責任は一切取らず、自由貿易というご都合主義の権利主張の身を行うということになる。権利偏重で義務が全くないというような主張しかしないのであるから、交渉は何度でも決裂する。

これが単純に貿易の話ではなく、その内容が「無体財産権」つまり「ノウハウを中心にした軍事システム」ということになればかなり大きな問題になるのではないか。

【米中貿易戦争:インタビュー】スティーブ・バノン:中国との貿易協定よりもファーウェイを抹殺することの方が重要だと述べた

 サウスチャイナモーニングポストが、トランプ政権のかつてのチーフ・ストラジスト、スティーブ・バノン氏のインタビューを発信していましたので紹介します。

 共産国である今の中国では、情報が封鎖されていると考えている人が多いと思いますが、このインタビューは、 西側諸国の人達が思っているほど情報が封鎖されていないという事例ではないでしょうか。

 今のバノン氏にどれほどの力があるかどうかは分かりませんが、米国のタカ派の意見を象徴しています。

興味深いインタビューですので、ぜひご覧ください。

・欧米市場から大手電気通信業界を追い出すことは、貿易協定より 「10倍重要」 である。

・トランプ大統領の元ストラテジストは、すべての中国企業を資本市場から排除する計画で、そこにとどまるつもりはないと述べている。

 ホワイトハウスの元チーフ・ストラテジスト、スティーブ・バノン氏によると、欧米からファーウェイを追い出すことは、中国との貿易協定よりも「10倍重要」だという。

 同氏はまた、中国企業を米国資本市場から締め出すことに全力を尽くすと述べた。

 中国に対する「全面戦争」を強く主張するバノン氏のこの発言は、トランプ米大統領がファーウェイを事実上、米国市場から締め出し、重要部品の供給を停止する大統領令に署名した数日後にでたものだ。

「これは西側諸国にとって国家安全保障上の大きな問題である」とバノンはサウス・チャイナモーニング・ポストとの電話インタビューで語った。「大統領令は、貿易協定から手を引くより10倍も重要だ。それ[ファーウェイ]は、米国だけでなく世界にとっても、国家安全保障上の大きな脅威である。我々は、それを封鎖するつもりだ」

 バノン氏は、ファーウェイ製品の具体的なセキュリティ・リスクについては言及しなかった。中国のIT企業は、米国の主張に公然と異議を唱えており、ドイツなどの主要な西欧諸国も、米国の主張を裏付ける確かな証拠は今のところないと述べている。

 米国でのファーウェイ禁止は、資本市場とIT業界に衝撃を与えた。

 米国に本社を置く地政学的リスク及びビジネスアドバイザリー企業を持つクランプトングループのジュデ・ブランシェット氏は、ファーウェイ装備に対するセキュリティ上の懸念で、ワシントンは「幅広い合意」があったが、大統領の命令は「破壊的影響と経済的影響」のため市場を驚かせたと述べた。

「我々は、複雑なグローバル・サプライ・チェーンにおいて、認識されているセキュリティ・リスクを防御するための動きが急激に、そして度々不正確に削減される未知の領域に入っている」とブランシェット氏。

 しかしバノン氏は、ファーウェイは西側市場から完全に撤退する必要があると強く主張しており、トランプ大統領は、昨年7月に別の中国の通信機器メーカーZTEに対して同様の制裁措置を解除する際に「失敗」したことを示唆している。

 米国は、イランに対する米国の制裁に違反したという理由で、ZTE禁止を課していた。しかし、トランプ氏の働きかけにより、ZTEに対する制限は、中国企業が将来の事業のためのいくつかの契約条件に合意した後に解除された。

「貿易交渉の初期の段階で、彼(トランプ大統領)はZTEに免責を与えたが、私は、これは失敗だったと思う」とバノン氏は語った。

2017年8月にトランプ大統領によって解任されたバノン氏も、中国企業を米国資本市場から締め出すことを求めている。

「我々が次に行う事は、すべてのIPO(訳注:新規公開株 )を停止し、中国共産党に資金を提供している米国のすべての年金基金と保険会社を廃止することだ」と同氏は述べた。

「この抜本的改革を(彼らは同意する)まで、中国企業の資本市場へのアクセスを制限する大きな動きがウォール街に見られるだろう」

 バノン氏は今年三月、 Committee on the Present Dange(CPD)(訳注:冷戦時代の現在の危険に関する委員会)が中国を標的に復活させた。

 CPDは、米国における共産主義の影響に対する防波堤として1950年初頭に設立され、アイゼンハワー政権に主要メンバーが招集されその後解散したが、冷戦期のソ連に対抗するため、1976年に米国の外交政策タカ派によって改革された。

 これ以上の詳細は明らかにしなかったが、バノン氏は「ホワイトハウス高官と毎日中国に関して話している」と述べた。トランプ大統領と定期的に会うのかという質問に、右翼ポピュリストは、「いいえ、話をする必要があれば弁護士を通す」と答えた。

 しかし同氏は、この数カ月前にニューヨークタイムズとポリティコが報じた、「トランプ氏は『スティーブがとても好きだった』と述べた」ことを挙げた。

「私がトランプ大統領に最も近かったことはよく知られている」とバノン氏は言う。「私はこれ(中国)については、トランプ大統領よりもずっと右側にいる。そして、私はそれを誇りに思っている。(私は)超タカ派だ」

同氏は、中国との「経済戦争」の目的は、中国に抜本的な改革を実施させることだ、と述べた。

「すぐに解決するとは思えない。これは非常に長く困難なプロセスの始まりだ」と同氏は述べた。

「私はこれに人生を捧げた。これが、私が四六時中やっていることだ。米国がやりとげる圧力は容赦ないだろう。我々は黙ってはいない」

(海外ニュース翻訳情報局 樺島万里子)

翻訳ニュース 20190521

https://www.newshonyaku.com/11411/

 「大統領令は、貿易協定から手を引くより10倍も重要だ。それ[ファーウェイ]は、米国だけでなく世界にとっても、国家安全保障上の大きな脅威である。我々は、それを封鎖するつもりだ」

「我々が次に行う事は、すべてのIPO(訳注:新規公開株 )を停止し、中国共産党に資金を提供している米国のすべての年金基金と保険会社を廃止することだ」と同氏は述べた。

 「この抜本的改革を(彼らは同意する)まで、中国企業の資本市場へのアクセスを制限する大きな動きがウォール街に見られるだろう」<上記より抜粋>

 まさに、この三つのカギかっこの文章がすべてを表していると思う。まさに、ファーウェイの形態を使うこと、そしてそのサーバーを使うことそのものが、「リスク」である、つまり、「情報を取られてしまうリスクがある」ということになるのではないか。そのことをバノン氏は、はっきりといっているのである。日本はこのことからドコモとソフトバンクがすぐにファーウェイの取り扱いを中止した。一方、韓国はこの時点においてもファーウェイの機種を使っており、なおかつファーウェイの技術の上にな血建った「5G」を確立しようとしている。つまり、「経済上の問題だから韓国は自由だ」という主張であったのに対して、「通信に関しては経済の問題ではなく、国防上の問題である」というトランプの主張に対抗できない状態になってしまっている。

実際に「経済制裁」というのは、本来は「物資を送らない」ことによって「補給や軍事物資の補充を行わせない」といことになる。しかし、軍事物資ということになれば、そもそもは「エネルギー」「火薬」「鉄」「アルミニウム」そして「食料」ということになるのではないか。そしてそれは国家の基幹産業でありそれらの貿易ができなくなてしまった場合は、国家そのものが疲弊することになる。

国家そのものの経済が疲弊してしまった場合は、政権は、その政権がプライドを捨てて経済制裁をしている相手に対して無条件降伏をするか、あるいは、国民に対する補給分をすべて国家が召し上げ、最低限だけを配給して、すべてを敵対する国に向けて攻撃態勢を整えるかということ人しかならない。あとは国民がクーデターを起こすか、あるいは、戦争が始まるか、どちらかしかなく、経済制裁は、戦争下クーデターの入り口ということになる。

つまり、「経済だから国防と関係ない」という考え方をしている韓国自体が完全に間違えているということに他ならないし、中国が経済的に支配する「債務の罠」は戦争と支配の第一歩であるということになる。

まさに、そのこと自体が非常に大きな問題になる。バノン氏は、そのことをここで指摘しているのではないか。

中国との「経済戦争」の目的は、中国に抜本的な改革を実施させることだ、と述べた。

「すぐに解決するとは思えない。これは非常に長く困難なプロセスの始まりだ」と同氏は述べた。<上記より抜粋>

 まさに以前より指摘しているとおり、「中国という異質な経済と政治体制の持つ覇権主義」をどのように排除するのか。これがアメリカだけではなく、世界の課題になってきているのではないか。