悲喜こもごモナコ。
特別なモナコの特別な日。
▲モナコ上空に国旗がはためき、いよいよ決勝開幕。
▲メルセデスのクルーは全員、赤キャップ。
▼セレモニーの前に、ドライバー全員、赤キャップをかぶってニキの冥福を祈ります。キャップにはニキが獲った3度のワールドチャンピオンの印も。
▼マグヌッセンはなんで、無地なんだ?(;'∀') 誰かちゃんとしたのあげて! 怪訝な顔になってんじゃん(「あれ? みんなのは、なんでNIKIって付いてんの?」的な)
▼演奏隊も、サン・デボーテからはるばる歩いてきます。モナコならではの伝統ですな。
▼モナコのトロフィーはコースの形。横にあるのはラウダのメット。
ニキ、ニキ、ニキ!
▼とにかくニキへの愛が溢れている今回のグランプリ。ハミルトンは決勝用にラウダ後期のヘルメットを用意してきました。メルセデスはボデイにいっぱいポインテッドスターがプリントされてるんですが、その中の一つを今回、ニキ追悼の赤にしてますが、これは今後もずっと残るそうです。
▼実はレッドブルだって、ちゃんとマシンに。ニキの出身国オーストリアの国旗って、モナコの国旗に似てるんですね。
ルクレール、燃えて、尽きる。
さて、予選でチームの判断ミスにより15番グリッドからスタートの、地元ルクレール。序盤からモーレツなドライビングで周囲を戦々恐々とさせてくれます。
▼まずは1周目でストロールを抜き、2周目のヘアピンでノリスをパスしていきます。
▼8周目ではラスカスでグロージャンをインから強引に抜いていきます。あのグロージャンに無線で「カミカゼだよ!」と言わしめました(笑)
▼調子にのって翌9周目にヒュケンベルグを刺そうとして失敗。
▼その時のダメージで右リアをパンクさせてしまい、まるまる1周走ったためにフロアまで痛めてしまいました。タイヤだけ交換して復帰してみたものの、ダメージがデカすぎたのかすぐさまピットに戻り、そのままリタイア・・・。「僕はあきらめたくない!」と絶叫してみるものの、想いだけではマシンは直らず・・・。予選のミスがなければ、こんな無様なことにならなかったのに、と思うと残念で仕方ありません。地元GPでただ一人のリタイア。僕なら来年まで引き摺りそう・・・(笑)
まあ、こればっかりはチームもルクレールだけを責められないですね・・・。
タイヤチョイスの明暗。
ルクレールがばらまいた破片のおかげで、セイフティーカーが入りました。各車のビハインドが一旦リセットになるこのチャンスに、上位陣がタイヤ交換。ハミルトンはミディアム、2番手以降はハードのチョイス。これが後にハミルトンを苦しめることになります。
▼フェルスタッペンはタイヤ交換の際に、ボッタスを妨害したとみなされて、5秒のペナルティを課されてしまい、せっかく2位をもぎ取りましたが、もはやハミルトンを抜いても優勝は望めない流れになってしまいます。
▼16周目にはまたもやラスカスで、ジョビナッツイが渋滞を引き起こし、10秒の手痛いペナルティを喰らったりしましたが、今年のモナコはみんな概ね紳士的な走りで、大きなアクシデントは起こりませんでした。それだけにルクレールのリタイアが目立ってしまいますな・・・(;'∀')
それにしてもウィリアムズの車はよくクルクル回る。低速コーナーでグリップが効かないのが、こういうとこに出てくるんでしょうか。
ハミルトン、苦難のゴール。
36周目あたりでハミルトン、無線で「このタイヤはダメだ。ハードに変えたい!」とチームに申し出ますが、すぐ後ろにフェルスタッペンが迫っているだけでなく、その状況でピットインしてしまうと、ヴェッテル、ボッタスにまで抜かれてしまうのは明らかだったため、チームはなんとかそれで頑張れと突き返します。
さらに52周目には「左フロントに大問題発生してる」と連絡。デグラデーションが発生してしまって、グリップが急激に低下。しかし、状況は先ほどと変わっていないため、チームに「そのまま頑張れ」とクールに再び突き返されます。「マジかよ、奇跡でも起きると思ってんの!?」とややお怒りモードのハミルトンでしたが、結局、文句を垂れながらも、最後まで首位を守り切り、奇跡を起こしてしまうのでした。ニキの魂が彼をサポートしたのでしょう。
▼ゴール直後の右フロントはこんな有様。よくぞ守り切った。
▼76周目にはヌーベルシケインで、こんなシーンも。超熱い攻防! ホイールから火花が飛び散っております。
この二人の戦いに視聴者の注目も高まり、本レースの<ドライバーズ・オブ・ザ・デイ>はフェルスタッペンが僅差でゲットしました。ハミルトンとの得票差は3%。後半でハミルトンの票がグングン伸びていったのが、彼の頑張りを示してましたね。
20190527追記:ハミルトンの無線内容が公開されました。
ガスリー、ミッション完了!
中国GPでミッションを帯びて、ファステットラップを叩き出したガスリーに、またもやミッション発動! 5番手をキープしていた63周目にソフトタイヤにあえて交換し出陣。ハミルトンVSフェルスタッペンの攻防に世間が注目する中、見事、67周目に1:14:567のタイムでファステットをゲット。
▼しかしそれで満足しないガスリー。72周目に再び記録を更新してみせました!
いやー、このガスリー最速ミッション、楽しいわー。この小さな1点が、大きく響いてくるはず!
今回は、ホンダPU勢が予選Q3まで全員生き残り、しかもレースでも全員入賞です。今年のホンダはちょっと違うなと実感が高まってきますね。
▼なにはともあれ、ハミルトン完全勝利のモナコ。喜びようもハンパじゃないですね。表彰終わったら速攻でレーンに降りて、誰彼構わずシャンパンの洗礼を浴びせておりました。世話になったニキに最高の手向けになったことでしょう。
▼個人的にはなんといっても、このニキのレプリカを被った二人のガッチリ握手ですよ!
きっとニキも天国で喜んでるはず。
さて、レース結果。
フェルスタッペンの5秒ペナルティがあり、ヴェッテルが2位、ボッタスが3位という結果でした。なんとなくヴェッテルは、中盤あたりから2位死守の動きになっていたようにも感じます。無理に首位争いに首を突っ込まず、確実に2位を獲る作戦だったのかな。ヴェッテルのタイヤはほんとに綺麗で、上位二人のタイヤとの差が歴然でしたから。
さり気にサインツが6位! マクラーレンもじわじわ結果を出しつつありますね。予選までは調子のよかったアルファロメオは結果が出ずでした。そういやライコネンは、ストロールに2度も当てられたらしく、無線でキレてましたな(笑)
メルセデスの開幕から怒涛の1-2フィニッシュ記録も途絶えました。ホンダの威力も高まってきております。いよいよ次戦はアメリカ大陸に渡って、カナダ! ラブレター・フロム・カナダ!
それはそうと、表彰式の時のこのシーンが面白うございました。あっちの人って、普通にみんな「ノンノン」って人差し指振るんだな(笑)