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梨の日

映画『ガルヴェストン』

2019.05.28 07:34

映画『ガルヴェストン』(2019年)

監督:メラニー・ロラン

出演:エル・ファニング/ベン・フォスター/

リリ・ラインハート/アデペロ・オデュイエ/ロバート・アラマヨ/マリア・バルベルデ/C.K.マクファーランド/

ボー・ブリッジズ



お題映画。

どこか既視感ある感じの設定。

私パッと出てくるほど詳しくないけど。。小声)

40歳のおじさんと19歳の少女の逃亡劇。

果たして終わるはずのない未来の結末は…。


つい注目してしまう“女性監督”。

しかもメラニー・ロラン自身が女優という。

年末から「おや?」と思ってる共通点が私の中にはあって。

目の前の人物に対してのリスペクトが物凄くある、

ことが伝わってくること。

それは映し方や切り取り方でもあり、物語へのバランスから。

映画全体のことよりも、俳優女優へのリスペクトが分かる。

女性の感情豊かな特徴がそうさせるのかしら、なんて考えることもしばしば。

今回の骨太な脚本は小説原作から。

本当はもっと別の視点から描いたものがあったみたいだけど

映画では特に、2人の物語に集約。

その中で興味深いカメラワークを駆使して、映画として豊かにしてたり。

2人のやり取りや周りの人間との会話が、とても情緒に溢れてる。

すごく会話劇、とも一言で言い切れないんだけど、話し合いがなんとも濃ゆい。

でも真っ向からリアルにせず、あくまで作品内のリアルがある肌触りで。

だからか、どーーんと重たくなる後味ではなく、程よい重さ。

これが物足りない、て人もいるとは思うけど。

でも私は、あの94分のやり取りが生んだものだから素直に納得。

ある種、ちょっとロマンティックだったのかもしれない。

それぞれの人間の会話には、やっぱり尊重がみえるし、

個人的な女性監督への特徴として、当てはまった気もしたな。

嬉しい“やっぱり”。


物語がいざ始まろうとする時、エル・ファニング演じるロッキーが着てるのは露出のある短い、赤いワンピース。

赤いワンピースを着ての初登場。

なんて、なんてフックが鋭いことか。最高)

色んな色を浮かべて想像してみたけど、赤ほど惹きつけるのに最適な服は無いよ。

しかもデザインはエロめでも柄はシンプルという。

また連れ出されたあとに被せてもらった深緑?のロンのチェックシャツ。

これが、最後に同じものを着てる気がして、、

って思ったら、んもーーーたまんなくって…!

後半にロッキーが着てきた服も、ちょっとお上品になった同じく赤い、ワンピースだったから。

出会った時と最後のシーンがダブる。

こんな衣装での演出が、遊びが、意味の込め方が、たまらなく痺れちゃうよぉ。

赤が似合う女って、いいね、いい女だね。


ほど良き重たさ。

もしかしたら鉄板のコンビなのかもしれないけど、ちゃんと2人に絞って、2人の話に。

人間のやり取りを丁寧に描きだすあたり、やっぱり女性監督への期待となって浮かぶ。

勿論一括りにはしないししたくないけどね。ひとそれぞれだから。


誰かの最期の瞬間に思い浮かべてもらえたら。

生きてきた甲斐がどれだけあるものか。

別れてきた人の脳裏にもいっそ私が過れと思うものです。笑)