「世界のセレブが夢中になる 究極の瞑想」がYahooニュースに!
あの「マインドフルネス」を超える!? アメリカのセレブが続々とハマる“瞑想”
Yahooニュース 5/31(金) 12:09配信
あの「マインドフルネス」を超える!? アメリカのセレブが続々とハマる“瞑想”
アメリカのセレブはなぜ瞑想にハマるのか?
アメリカをはじめとする諸外国で、ヨガや瞑想、マインドフルネスなどがセレブリティを中心にブームとなっているのはみなさんご存知の通り。これは、現代社会にストレスが蔓延していることも大きな要因だろう。
人々は、深いリラックスとストレスからの解放をヨガや瞑想に求めているのだと思われる。そんな中、長い間、世界中のセレブに支持されている瞑想があるという。
海外セレブのほか、世界で600万人もが実践しているというその瞑想は、一体どんなものなのだろうか。アメリカで人気の瞑想家ボブ・ロス氏の著書『世界のセレブが夢中になる 究極の瞑想』を基に紹介する。
※本稿はボブ・ロス著、大嶋祥誉監訳、桜田直美翻訳『世界のセレブが夢中になる 究極の瞑想』(かんき出版刊)の内容を一部要約したものです。
世界のセレブが夢中になる「超越瞑想」
一過性のブームではなく、数十年もの長い間、世界で大きな人気を誇っている瞑想がある。それが「超越瞑想(TM)」だ。
俳優のヒュー・ジャックマンやマイケル・J・フォックス、グウィネス・パルトロウ、ラッセル・ブランド、世界最大のヘッジファンド創業者のレイ・ダリオ、ハフポスト創設者のアイアナ・ハフィントンなど、数え上げればきりがないほどの世界のセレブたちがこぞって実践していることが知られている。
さらには、その効果が認められて、大手企業や学校、軍隊、スポーツチームでも広く取り入れられ、今では世界で600万人もの人が実践しているのだという。
40年以上にわたって一日も欠かすことなく超越瞑想を実践してきたという映画監督のデヴィッド・リンチは、この瞑想法をもっと多くの人々に伝えたいという思いから、デヴィッド・リンチ財団を設立し、必要としている人々が超越瞑想を学ぶことができるように経済的支援を提供している。
いったいなぜ、セレブ達はこの「超越瞑想」に夢中になるのだろうか?
全米ベストセラーの『世界のセレブが夢中になる 究極の瞑想』(かんき出版)著者であり、デヴィッド・リンチ財団CEOであるボブ・ロスによると、「超越瞑想」とは、ポジティブな力を持つマントラを使った瞑想法で、心の奥深くに存在する完全に静かで穏やかな場所にアクセスする方法だという。
活発に思考していた心が自然と静寂な状態になり、さまざまな思考や感情を文字通り「超越」することで、深い覚醒を体験できるのだそうだ。
いわゆる、アスリートの世界で言う「ゾーンに入る」という状態だ。
この「超越瞑想」は、5000年以上にわたって、きちんと訓練を受けたプロの教師から生徒へと一対一で伝えられてきたという。グループで教えたりすることもなければ、本で具体的なやり方を伝えることもない。
教師はそのとき、それぞれの生徒に合ったマントラを与える。マントラとは瞑想のときに使う言葉や音のことで、特に意味はない。そして生徒は、そのマントラを正しく使った正しい瞑想のやり方を習う。
ボブ自身も「超越瞑想」の教師として、前述の著名人や企業家、プロアスリートのほか、一般の人々を含めて数千人の生徒に瞑想法を教えてきた経験を持っている。
数千年の歳月をかけて洗練されたこの瞑想は、現在は20分の瞑想を1日に2回行うという形が定着しているという。
瞑想中に何かを考えても、動いても眠ってもいい
瞑想と聞いて私たちが思い浮かべるのは、床に足を組んで座り、背筋を伸ばし、目を閉じ、頭を完全に空っぽにするというスタイルだろう。
ところが、「超越瞑想」では、瞑想中に頭の中を空っぽにする必要はないのだという。思考も瞑想の一部だと考えるのだ。決まった呼吸法もなければ、肉体の感覚に鋭敏になる必要もない。
また、瞑想するときの姿勢も特に決まっておらず、家や職場の椅子に座って行ってもいいし、飛行機や電車の中でも、公園のベンチでもかまわない。楽な姿勢であれば、どんな場所でも、どんな座り方でもかまわないという。
さらに、瞑想中に体を動かしてもかまわないし、眠くなったら眠ってかまわない。目が覚めたら、すっきりした頭で瞑想を続ければいいのだ。眠くなるのは、身体がより深い休息を必要としているからで、それもまた瞑想の一部だと考える。
この、心身に無理を強いることのない自由さが、多くの人々に受け入れられやすいポイントなのだろう。
もう一つ、「超越瞑想」の特徴がある。それが、この瞑想の効果を科学的に解明しようと試みてきたことだ。
これまで、ハーバード大学、UCLAをはじめ、さまざまな大学のメディカルスクールなどで、400以上の研究が行われた。
その結果、TMには心身の健康を向上させる効果があることが確認され、その研究は、米国医師会が発行する『JAMAインターナル・メディシン』誌や、アメリカ心臓協会が発行する『発作』誌や『高血圧』誌といった信頼性の高い医学専門誌で発表されている。
その研究から、瞑想は「フォーカス・アテンション瞑想」「オープン・モニタリング瞑想」「自動的な自己超越瞑想」という大きく3つのタイプに分けられるという。脳や心血管、呼吸器、神経系などの反応がそれぞれ違うのだそうだ。
夜の睡眠よりも体が深く休息している状態に
この3つのカテゴリーの中で一般的な瞑想のイメージに一番近いのが「フォーカス・アテンション瞑想」だろう。先述のように、床に足を組んで座り、背筋を伸ばし、目を閉じ、頭を完全に空っぽにするというよく知られた方法だ。
「オープン・モニタリング瞑想」はその逆で、何も考えないのではなく、自分の思考を客観的に観察するという方法。批判をせず、ただ思考がやってきて、そして去っていくのを観察する。
そして、超越瞑想が含まれるのは「自動的な自己超越瞑想」だ。この瞑想中に発生する脳波を測定したところ、ほかの2つのカテゴリーとは違い、主にα1波(8~10ヘルツ)が前頭前皮質から発生していることがわかった。α1波は深い安定、内省、完全な覚醒という状態を表している。
ハーバード大学、医学大学院で行われた研究では、瞑想中と睡眠中の酸素消費量を比較して休息の深さを測定したところ、超越瞑想を開始して10分以内に酸素消費量が平均16%減少することが分かった。これは夜の睡眠よりも体が深く休んでいることを示しているそうで、非常に深いリラックス状態にあることがわかる。
また、イラク戦争の帰還兵を対象にした最近の調査では、超越瞑想を始めてわずか8週間でPTSD(心的外傷後ストレス症候群)や不安、うつ、不眠などの症状が50%減少し、3カ月後には帰還兵の70%が治療を必要としなくなった。一方、一般の心理療法を受けた対照グループには改善は見られなかったという。
(参照文献:Military Medicine, june 2011、Journal of Counseling and Development 64: 212-215)
また、超越瞑想の実践中には、ストレスによって減ってしまう「幸福ホルモン」と呼ばれるセロトニンが増大し、さらにそれが一日中続くようになることも分かっている。
(参照文献:BUJATTI, M., and RIEDERER, P. Serotonin, noradrenaline, dopamine metabolites in Transcendental Meditation technique. Journal of Neural Transmission 39: 257-267,1976.)
2007年に米国の国立衛生研究所の委託によって行われた高血圧に対する代替治療の効果の分析では、統計的に有意な効果が認められ、米国の心臓病学会が、超越瞑想は高血圧の治療法として処方することができると発表した。(参照文献:Current Hypertension Reports 9: 520-528, 2007)
さらに、大人であってもIQ(知能指数)が伸びるという結果まで出ているという。(参照文献:Travis, F. and Arenander, A. International Journal of Neuroscience, 2006)
マイケル・J・フォックスも実践する瞑想
パーキンソン病で90年代の初めから長い闘病生活を送っているマイケル・J・フォックスは、超越瞑想を実践する一人だ。
彼は、超越瞑想を初めて行った際、ほんの数秒のうちに、震えがぴたりと止まったという。そして、それまでは1時間か2時間おきに目が覚めていたが、超越瞑想をすると身体の震えが必ず止まるので、夜は前よりぐっすり眠れるようになったのだそうだ。
パーキンソン病の原因は、ドーパミンという神経伝達物質が減少することだと考えられている。ドーパミンが減少するにつれて、自分の身体や感情をコントロールする力も失われていく。
おそらく瞑想は、何らかの形でドーパミンの生成に影響を与えているのだろう。そうやって症状を抑え、神経の働きを正常に近づけていると考えられる。
デヴィッド・リンチ財団は、この分野の研究を支援することに決めているという。
また、14年以上にわたってヘロイン依存症だった俳優のラッセル・ブランドも超越瞑想の実践者だ。最初は「自分の頭はいつでも高速回転しているので、何も考えないなんて無理だ」という思い込みがあり、瞑想に疑念を抱いていた彼も、今では瞑想は人生の一部だと話す。ドラッグもアルコールも一切断ち、つねにマインドフルの状態であるという。
このように、アルコール依存や薬物依存などの依存症のほか、自閉症の子供やストレスを抱えた子供にも効果が表れているそうだ。
こうして見ていくと、「超越瞑想」は、忙しい現代にマッチしたスタイルで、科学的な裏付けもある点で、多くの人々に支持されているのだと理解できる。
特に、セレブや“できる人“が瞑想にハマるのは、彼らが身体の健康はもちろんとしてメンタルケアにも敏感であり、科学的に証明されているものを好む合理的な面があるからなのだろう。
日本にも、そのうちマインドフルネスなどのように、大きな波がやってくるのだろうか。今後の動向を興味深く見守りたい。
(原文)https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190531-00010002-php_s-bus_all