神経系の炎症反応
腰痛でも様々なタイプの腰痛があります。
動かした時にだけ強烈に痛くて、座っているのもしんどいような腰痛もあれば、ある程度動けるけど、何をしていても痛むというような痛みもあります。
座っていることもできますが、座っているだけもズキズキ痛んで、立ち上がる時に腰がしっかり伸びない。という例でした。
座骨神経痛とよく言いますが、座骨神経だけに反応がでているなんて考えるのはナンセンスです。
必ず他の部位の神経にも広範囲に反応を認めます。脛骨神経や足底神経にも反応がでていますし、大腿神経のような前側を走る神経系にも反応があります。もちろん腰にもでています。
このような場合は、皮膚刺激が、他の刺激より効果的なことがあります。私は普段、痛みのある局所に刺激をすることは殆どありません。
しかし、神経系の反応がある例では、積極的に局所刺激をすることがあります。ただ、痛いところだけでなく、関連部位を丁寧に鍼で触れていきます。刺している訳ではないので、触れていくという表現が正しいと思います。しかし、あまり例がないので、殆ど行うことはありません。特長は、触れているだけなのに強烈な痛みを感じてしまうということです。鍼を横に寝かせて軽く撫でるだけでも強烈な痛みを感じるのですから不思議です。
その様子を動画に撮って、治療後に見せると、かなり驚いていました。こんな刺激であれ程の痛みが出るのかという顏をしながら撮ったビデオを見ていました。
痛みのある腰部だけではなく、腸骨に沿ったラインや臀部、大腿部の後側、アキレス腱や踵にも刺激します。それ以外にも腋窩や側胸部、側頸部、側頭部、上肢や前腕にも刺激をします。
側頸部の刺激をしている時の動画です。
ところどころで「うっ」と唸っている場面があると思いますが、動画はありませんが、腰部は撫でるだけで唸っていました。この刺激が終わると真っ直ぐ立てって楽に動けるようになっていました。かなり楽になったようです。
痛みのきっかけも、車を運転していて降りた時に痛みが出たそうです。その日は風が強くハンドルを取られるぐらいで神経を使ったそうです。日々車を運転しているので、疲れが蓄積していて、その日に引き金をひいたのだと思います。