Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

人間の体の5つの風(ヴァータ)とアートマン(真我)

2019.06.02 06:42

http://vedacenter.jugem.jp/?eid=1104991  より

【人間の体の5つの風(ヴァータ)とアートマン(真我)】

【プラーナ】

呼吸はサンスクリットで”プラーナ”(praaNa)と言います。プラーナにはまた、「生命、生命力」という意味もあります。動詞語根はプラーン(praaN)で、「生きている、息をする」などの意味があります。ちなみに、風はヴァーユ(vaayu)、涅槃はニルヴァーナ(nirvaana)といいます。

ヨーガの呼吸法のことを”プラーナーヤーマ”と言いますが、これはプラーナ(呼吸)+アーヤーマ(制御、抑制、停止、拡大)という複合語です。ゲーランダ・サムヒターなどのヨーガのテキストには様々な呼吸法が説かれています。それにより精神活動を鎮めサマーディ(心の静寂)を得る準備をするのです。

生命力とはまさに人が生きている力です。生きているということと呼吸するということはとても密接な関係があります。呼吸が止まると人は死ぬことから分かります。

ちなみに、2007年8月9日、ドイツ出身トム・シータスさんは、水槽の中で15分02秒間潜水し息を止めギネスブックに載りました。それまでのギネス記録を37秒上回ったそうです。普通は数分間でも難しいでしょう。

呼吸とは、酸素を取り入れ、二酸化炭素を吐き出す活動ですが、肺呼吸(外呼吸)と組織呼吸(内呼吸)があります。その呼吸には二種類あります。

 

①外呼吸「肺呼吸」:

肺のなかで、外部から取り入れた空気(酸素)と、血液中の炭酸ガスとを交換

 

②呼吸「組織呼吸」 :

体内の各臓器や末梢組織で、毛細血管中の血液と細胞との間で行われる酸素と炭酸ガスの交換

⇒参考

【5つの鞘】

ウパニシャッドでは、個人の生命を5つの構成要素に分けています。それぞれの構成要素をコーシャ(kosha)、つまり鞘(さや)と呼んでいます。そして、プラーナは、2つめの鞘で、プラーナマヤ・コーシャです。

1.アンナマヤ・コーシャ(肉体)

2.プラーナマヤ・コーシャ(生理的な活動)

3.マノーマヤ・コーシャ(心)

4.ヴィジニャーナマヤ・コーシャ(知性)

5.アーナンダマヤ・コーシャ(至福)

例えて言うと、人が5重に衣類を着ているようなものです。そして、着ている主体をアートマン(真我)と呼びます。5つの鞘が純粋になるに従い、主体であるアートマンが「私」の本質であることを人は自覚します。

【ヴァータ】

さて、アーユル・ヴェーダにおいては、人の体内には5つの風が存在すると言います。サンスクリットでは風を”ヴァータ”(vaata)と言います。ヴァータには「空気、風、痛風」などの意味があります。動詞語根はヴァー(vaa)で、「吹く、行く、動く、打つ、傷つける」などの意味があります。

人間の体には、頭から足の先まで、さまざまな活動があります。それらの活動を生み出す根本的な働きをヴァータと呼んでいます。そのヴァータにはプラーナ、アパーナ、ヴィャーナ、ウダーナ、サマーナの5種類あると言います。その中で、プラーナが最も中心的なものです。

その5つのヴァータとは・・・

1.プラーナ・ヴァータ(praaNa)

プラーナ・ヴァータは、前述のとおり、呼吸を指していますが、通常は「吸気」のことを指します。プラーナの座は、頭部にあり、知力、心臓、感覚器官、心、唾液、クシャミ、欠伸、呼吸、食物の流れなどの活動を生み出すと言います。プラーナは、睡眠不足や過度な活動で乱れ、その結果は、不安や心配、不眠症という症状になって表れると言います。

2.アパーナ・ヴァータ(apaana)

アパーナ・ヴァータは、「吐気」を指しますが、アーユル・ヴェーダなどでは、「下降気」と呼びます。アパーナの座は肛門にあり、排泄、生殖機能、生理のリズムなどを生み出すと言います。アパーナが乱れると、下半身の冷え、便秘、生理不順などを引き起こすと言います。

3.ヴャーナ・ヴァータ(vyaana)

ヴャーナ・ヴァータは、巡回気といいます。ヴャーナの座は心臓であり、血液の流れ、心臓のリズム、発汗、触覚などを生み出すと言います。

4.ウダーナ・ヴァータ(udaana)

ウダーナ・ヴァータは、「上昇気」です。ウダーナには「上に向かう息」などの意味があります。ウダーナの座は胸であり、発声、記憶、思考活動などを生み出すと言います。

5.サマーナ・ヴァータ(samaana)

サマーナ・ヴァータは、「等気」と言います。サマーナには「同じ、同等の、等しい」などの意味があります。サマーナの座は、消化器官にあり、消化管を通じて血液の流れを生み出すと言います。

このようなことを理解し、プラーナ(生命力)を高めるために、日々、呼吸法や瞑想やアーサナを規則的に実践しましょう。