地理学史とは?
地理学の研究分野の中で、地理学史という研究分野があります。
地理学史は、地理学の発達の歴史、学説史の検討、地理学者の歴史などを研究する分野で、これらに近い地理学思想なども地理学史に含めることも多いです。
また、地理学史は、地理学の本質の部分を論じているので、地理学の基礎分野とも見なされています。
人類の歴史の中で、どのような人たちが地理学と向き合ってきたのか。地理学という学問分野が確立していない頃、研究者たちや市井の人たちがどのような地理学的思考をしていたのかを探る研究分野ですよね。
しかし、地理学史と言っても、前述したような地理学史の考え方もあれば、地理学者たちがどこかの地域を地理学的に研究をするとき、その地域が以前どのような地理学的視点で研究されてきたのか、先達の地理学者の研究を紐解くことも、地理学史とも言えるので、地理学史という研究分野でも、色々な見方が出来るというわけです。
私は、立正大学地球環境科学部地理学科に在籍していたわけですが、その時の地理学概論という講義で、地理学史の一部分に触れることができました。
地理学概論を担当していたのが田村百代という先生で、この田村先生が研究されている地理学の分野こそ地理学史だったのです。
私が受講した地理学概論の講義の内容を、当時のノートを参考にしてテーマ別にすると、以下のようになります。
・地理学の起源
・プトレマイオスの地理学
・中世の地理学
・大航海の影響
・地理学2分野の確立
・近代地理学成立の背景
・フンボルトの地理学
・リッターの地理学
・地形学の発達
・地表面と地域
・人文地理学の成立と発達
・アメリカ合衆国の地理学の歴史1
・アメリカ合衆国の地理学の歴史2
・アメリカ合衆国の地理学の歴史3
・デービスの地理学
・地域概念の形成
・地域についての考察
・日本の地理学1
・日本の地理学2
地理のスクールを立ち上げて、改めて地理学概論の講義ノートを見返すと、1年間でかなり濃厚な内容をやっていたのだなと感じます。
テーマタイトルには、プトレマイオス、フンボルト、リッター、デービスしか登場していませんが、「地理学2分野の確立」ではバレニウス、「地形学の発達」ではペシェルとリヒトフォーヘン、「人文地理学の成立と発達」ではラッツェル、センプル、ヴィダル・ドゥラ・ブラーシュなどの偉大な地理学者たちの地理学的考え方や主な業績などを学びました。
最後のテーマである「日本の地理学2」では、立正大学地理学科の祖である田中啓爾先生についても学びました。
恥ずかしながら、地理学概論を受講していた当時大学1年生だった私は、この地理学概論の講義を通して学んだ地理学史に対しては、ただただ「スゲー」くらいしか思いませんでした。
けれども、時間が経ち、塾業界に身を置きながら地理の楽しみや奥深さを一人でも多くの人に知ってもらいたいと思ったとき、何かの役に立つだろうと保存しておいた大学の講義ノート類を改めて見返してみたら、歴史地理学や都市地理学などの地理学分野の奥深さを再認識させられましたし、何より地理学概論で学んだ地理学史の重要さをまざまざと思い知らされました。
地理学史という視点からも、一人でも多くの人に地理学の魅力を知ってもらえればと思います。
ややおおざっぱな内容ですが、ここで〆させていた来ます。