誤って信じられてる脳の健康に関する話10
「脳に良い10の習慣」でも触れましたが、SharpBrainsという、脳の健康の関する最新情報を調査し発信するマーケットリサーチ会社があります。日本では殆ど耳にしたことのない、”ブレイン・フィットネス”なる概念を啓蒙しているようです。CEOであるアルバロ・フェルナンデス氏は、スタンフォードでMBA、マッキンゼーで働いた経験のある方で、化学顧問にはニューヨーク大学医学部神経学臨床教授もいます。そして、会社としては、科学的根拠もきちんと取り入れ、中立的立場を保ちながら活動しているようです。そのフェルナンデス氏の書いた新しい記事を見かけたので、また訳してみます。
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ビックリするくらい人気で信じられている脳の健康に関する間違った通説の10について反証してみよう。
通説①:遺伝子が脳の運命を決める。
真実:脳は生涯にわたって可塑性がある(生まれて、成長する)ので、ライフスタイルや行動が、脳(そして、心)がどのように進化・発展していくかを決める。
通説②:我々は食べたもので出来ている。
真実:どんな行動をするか、何を考えるか、感じるか、の方が食べるものより大きな影響を及ぼす。
通説③:瞑想は、認知的に健康であること、認知力を上げる効果のあると思われる期待の中心である。
真実:Non-invasive intervention(*この意味、よく分からないので、後で調べてみます)は、瞑想と同じくらい、もしくは、もっと効果が持続し、副作用のないものかもしれない。
通説④:アルツハイマー病と認知力の衰えに対して何も取り得る対策はない。
真実:現時点でアルツハイマー病にかかること自体を予防するものは見つかっていないが、その発症を何年も遅らせることが出来る研究結果は沢山ある。見過ごされがちだが、これは、本人や家族にとって大変意味のあることである。
通説⑤:「それを、使うか、失うか」のそれはただ一つである。
真実:脳は、認知、感情、実行機能をサポートする沢山の神経回路から成っている。従って、どれか一つ(例えば、記憶力)だけを鍛えるのは、あまり役に立たない。
通説⑥:脳トレは、脳年齢を10、20、30年も若返らせることが出来る。
真実:脳年齢はフィクションである。年齢と共に、特定の脳の機能は向上するし、別のものは衰える。そして、大変個人差があるもので、その個人差は、年齢と共に大きくなる。
通説⑦:脳トレは効果がない。
真実:脳トレは、ある一定の条件が整えば、脳の機能を向上させ、現実の生活での成果も良くすることが分かっている。
通説⑧:脳トレはもっぱらビデオゲームである。
真実:実証された脳トレの中には、瞑想、認知療法、認知トレーニング、バイオフィードバック等がある。ビデオゲームのようなインタラクティブな方法は、前記に挙げたものを実施しやすく、そして、効果を測りやすくする。が、方法と目的を見誤ってはいけなくて、全てのビデオゲームが同じような効果を持つとは限らない。
通説⑨:心臓の健康が脳の健康である
真実:心臓の健康が脳の健康に果たす役割は大きいが、逆も言える。*ここ、少し省きました。
通説⑩:脳が十分働いているならば、どうしてそんな注意を払う必要があるのか?
真実:車にガソリンを入れて、オイルを定期的に変えるのと同じ。その方が、より良く働くし、長持ちするから。
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