冬の風を表す言葉
冬は多くの命が引きこもり 新しい命のための備えをする時です。
そんな冬の風で真っ先にイメージするのが「北風と太陽】の話。
六甲山の麓に住む者としては六甲おろし
https://www.weblio.jp/content/%E5%85%AD%E7%94%B2%E3%81%8A%E3%82%8D%E3%81%97 より
六甲颪。六甲山付近の下降気流の気象用語で、阪神間に吹く冷たい風。阪神タイガースの応援歌でもある。隠語では、ナンパした女の子を強姦して六甲の山に捨てること。あの子、ナビオ族に六甲おろしされてんてぇ、こわいわあ。北摂の「箕面おろし」、中河内の「生駒おろし」、南河内の「金剛おろし」などもある。
https://tenki.jp/suppl/saijiki_shuuka/2015/01/04/671.html より
【「北風(きたかぜ)」はひとりじゃなかった!?】
代表的な『北風(または北西の季節風)』の名前も、地域によりいろいろあります。
『北風』は、ひとりではなかったのです。一体、いくつの名前をもっているのでしょうか?
冬の深まりとともに変化する最初の呼び名は…
冬が始まるなぁ~と、感じる風の名前は何と言っても『木枯らし(こがらし)』。最初に吹く『木枯らし』は、『木枯らし一号』と呼ばれてニュースにもなりますね。
この風は、「冬の到来を告げる、北または北西から吹く、木の葉を散らすほどの強い風」として『凩(こがらし)』と、一文字で表すこともあります。
情景が浮かぶ文字ですね。この風が吹くと、公園や並木道は一面、赤や黄色の木の葉色に染まり、木々は裸木(はだかぎ)となります。
そして、色を無くした街に吹く風は…
「北風」、「空っ風」、「ならひ」…
街が無彩色になったころ…北または北西からの季節風が猛威をふるいます。これが『北風』です。
同じように、冬の季節風に『空っ風(からっかぜ)』、『北颪(きたおろし)』、『ならひ』と呼ばれる風があります。
『北風』が大陸の冷たい高気圧から、日本の東海上の低気圧に向けて吹くのに対し、『空っ風』は太平洋側、主に関東地方に吹く乾燥した強い風であり、群馬県(上州)では、名物とさえ言われます。
『ならひ』は、同じ東日本に吹く風でも、主に海沿いに吹く風を呼びます。
そして、『北颪(きたおろし)』は、山から吹き下ろしてくる空っ風で、山の名前を付けて呼びます。
『赤城颪(あかぎおろし)』、『比叡颪(ひえいおろし)』、『六甲颪(ろっこうおろし)などはよく耳にしますね。他にも、『浅間颪(あさまおろし)』、『筑波颪(つくばおろし)』、『男体颪(なんたいおろし)』などがあります。
冬本番、北風とともに乾燥も強くなって現れる「鎌鼬(かまいたち)
ふとした時に、紙で切ったような鋭利なきり傷を見つけることはありませんか?
もしかしたら、それは『鎌鼬(かまいたち)』の仕業かもしれません。
はっきりとした原因は不明ですが、気象現象のはずみで、空気中に真空状態が生じ、その境目に触れて皮膚が裂けるのでは…と言われています。
信越地方に多く、昔の人はイタチに似た妖獣の仕業だと信じていたことから『鎌鼬』と呼ばれるようになりました。
北風や乾燥…
保湿が欠かせない時期です。のどあめや保湿クリームなどを欠かさずに、季節を乗り切りたいですね。
http://www.haisi.com/saijiki/karakaze.htm より
空 風 45句
大沼の匂ひ抜けけり空っ風 内田真人
作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
空っ風転びやすくて笑う塔婆 浜芳女 海程 200006
空風に押し戻されし乳母車 森裕子 円虹 200102
六甲おろしてふ空風の旅にあり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200112
空風に耳の千切れんばかりかな 鈴木伊都子 狩 200202
空風や都会の人になりすます 森本さやか 雲の峰 200402
公園のふらここゆらす空風 清水かつ 酸漿 200402
空風が一本杉を虐げる 森津三郎 京鹿子 200405
うぶすなは東京の町空っ風 竹村尚絋 集 200503
託ちごと攫ってゆきし空っ風 西村操 雨月 200603
空っ風新聞売りは石のせて 鎌倉喜久恵 あを 201002
川岸の外灯暗し空っ風 小川玉泉 末黒野 201004
身の箍のきーんと張れり空っ風 宮崎左智子 璦 201103
櫓のみ残す城趾に空っ風 中尾廣美 ぐろっけ 201105
すぐ駆ける幼な追いかけ空っ風 福島松子 ぐろっけ 201204
空風に絡む暖簾やけむり沁む 丸山酔宵子 かさね 201302
走者いま五区の田園空つ風 高橋あさの 沖 201302
目の動く笑顔の選挙空つ風 石田きよし 鴫 201303
空つ風叔母は叔父さん残しけり 高橋信一 鴫 201303
校庭をだだつ広くす空つ風 神田小夜子 ろんど 201303
空つ風防音壁を滅多打ち 藤本節子 万象 201305
立ち話の間を抜くる空つ風 佐藤喜仙 かさね 201402
空つ風送電塔のふんばりて 松本恒子 ぐろっけ 201402
空っ風幼の後を追ひ続け 森理和 あを 201402
空風を背中に畝を立てにけり 石原健二 やぶれ傘 201402
樹の瘤に恨み辛みや空つ風 鳳蛮華 空 201403
浅間嶺は真白き屏風空つ風 広渡敬雄 沖 201403
空風や町の半鐘ビルの底 菅野日出子 末黒野 201404
三日月を西に夜となるからつ風 大島英昭 やぶれ傘 201503
素地捻るフライドクッキー空つ風 柳本渓光 ろんど 201503
街灯の切れて久しや空つ風 菅野日出子 末黒野 201505
空っ風吹けば負けじと高調子 中川のぼる 集 201504
あの雲の下は上州空つ風 大木清美子 峰 201602
空つ風音より先へ駈け抜くる 石田きよし 鴫 201603
空つ風どつこい淡く生きてゐる 中山皓雪 鴫 201603
大股の人が先ゆく空つ風 きくちきみえ やぶれ傘 201603
パスタ屋の幟ぱたぱた空つ風 安藤久美子 やぶれ傘 201603
空つ風古書店街を小半日 大畑善昭 沖 201604
空つ風屋根に石置く御師の家 及川照子 末黒野 201604
猿山のボスに真つ向空つ風 松原智津子 万象 201703
松に鳴り樫に響けり空つ風 黒滝志麻子 末黒野 201703
空つ風木目の粗き神楽殿 久世孝雄 やぶれ傘 201703
張り詰むる星座際立ち空つ風 森清信子 末黒野 201704
付きまとふ甘栗売りや空つ風 加藤静江 末黒野 201704
漱石賞なき文壇や空つ風 安立公彦 春燈 201802
空っ風ててんパラララはね太鼓 篠田純子 あを 201804