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ピストハブのカスタム | シールドベアリングのオイルチューン!【前編】

2019.06.03 10:36

ピストのハブをカスタム

前回の投稿で"グランコンペ"のハブについてご紹介いたしました。

日常使いとしては申し分ない、頑丈なハブです。

前回のエントリー


ただしシールドベアリング採用のハブは、入手しやすいグレードのモノは正直なところ、回転は【重い】です。

シールドベアリングハブ(ホイール)で「より軽く」「より速く」走りたいなら、少し手を加える方法があります。


今回紹介する方法で手持ちのシールドベアリングをカスタムすることで"今"より"速い"走りが体感出来るはずです。


既製品の完組ホイールで「軽くて速いホイール」は、結構なお値段です。

コストを抑えてホイールの回転を軽くする方法として、ご参考になれば。


今回は

ここまでをご紹介していきます。



シールドベアリングハブの構造

シールドベアリングのハブは、ハブ中心の回転体(ベアリング)の防水防塵性能を高めるため

こんな構造になっています。

メンテナンスフリーを謳う理由です。

この構造によってベアリング部分に水や汗が入りにくく、長期間のあいだ回転性能が落ちづらくなるメリットがあります。


ただし。たっぷりのグリスによって、お世辞にも回転が軽いとは言えません。

正直重いです。


そこで。

回転を軽くするべく

  1. 【グリス】を物理的に除去
  2. 代わりに【オイル】を挿す

この2ステップで、シールドベアリングのハブにオイルチューンを施し「良く回る」「速く走れる」使い勝手を再現します。

ただし実際に今回の方法を試される場合は、自己責任でお願いします。

正味なところオイルチューンは、"メンテナンスフリー"のメリットを無くす作業なので。笑



ハブの分解

分解作業に使う工具は

--

--

この2種類です。

使い方は作業を追ってご紹介します。


では分解を始めますが、ベアリングに手を加えるために、先ずはハブのシャフトから分解します。

中心のシャフトを抜く作業です。

下の画像のハブ中心の棒。これがシャフトです。▼



シャフトを抜く

シャフトを抜くための工具は「板スパナ」という普通より薄いスパナを使います。

通常のスパナだと厚みがあり、ナットに先端をかけることができない場合があります。

手持ちのハブシャフトに着いているナットをよく確認してください。


今回用意したスパナは

画像の2本です▼

スパナは確実に2本必要です。

サイズさえ合えば2枚とも板スパナで構いません。

ちなみに"グランコンペ"のハブも【15mmスパナ】&【17mmスパナ】で分解できます。

では分解します。


先ず画像のようにスパナをナットにかませます。▼

正面から。


次に、ベアリング側のスパナ(15mm)を保持して、手前側のスパナ(17mm)を反時計回りに回し、ロックナットを緩めます。

このときベアリング側のナットが締めこまれますが、問題ありません。


ロックナットを緩めたら、ベアリング側のナットも緩めます。

このナットは手で緩むことも多いですが、もし硬ければ、ハブ反対側のロックナットにスパナ(17mm)をかませて保持しつつ、反時計回りに緩めます。


2つのナットが緩みました。

画像をご覧ください。▼

2つのナットをシャフトから取り去ると、シャフトがハブから簡単に抜けます。



ベアリングのシールを外す

ハブの中心、ベアリングを覆う"シール"を外します。

工具は人に寄りけりでしょうが、私は"先の薄い"マイナスドライバーか、硬くて細い針などを使用します。

シールの隙間に工具の先端をさしこみ、はがします。


今回マイナスドライバーを使用します。

私の経験上、ドライバーの先をシールの内側の方から挿して、外側に向かって押し上げる様にすると剥がしやすいです。

強引にやりすぎると、シールやベアリングを傷める可能性があるのでご注意を。

私はいつもマイナスドライバーで外しますが、本来はシールに傷をつけたり変形させないよう、マイナスドライバーなどは使わない方が良いと言われますけどね。笑


これでベアリングが露出しました。



オイルチューンの下準備

シャフトを抜き、シールをはがし、ベアリングに手を加えられるようになりました。

画像のように、ベアリング部分は古いグリスがしっかり乗っています。

オイルを挿す前に、古いグリスや汚れを除去します。


そのため、パーツクリーナ―をしっかり吹き付けます。

使用するのは【クレ】のパーツクリーナ―。

たっぷり使えて割安です。

ベアリング部分にしっかりと吹き付けます。

噴射の勢いで汚れを吹き飛ばすイメージで。

思い切り吹き付けます。▼

まだまだ!

そろそろかな。


パーツクリーナ―でしっかりグリスを除去したら、完全に乾くまでしばし待ちます。


これでベアリングがきれいになりました。

ボールの状態もついでに確認。

このベアリングはまだまだ使えます。



ハブの分解はメンテナンスにもなる

順を追って、シールドベアリングの分解を行いました。

シールドベアリングの分解自体は、メーカー側が推奨するものではありません。

もともとメンテナンスフリーを謳っているものですから。


ただし、このように分解することでハブの構造を理解し、使用状況をチェックすることもできます。

回転の様子がおかしいと感じた時、破損や劣化が出ている箇所を事前に確認できる事にもつながるので、興味があればトライしてみてもいいと思います。

決して難しい作業ではありません。


次回は、"オイルチューン"を行うことで"軽い"回転をするハブに仕上げます。

併せて、使用するオイルのご紹介なども予定します。


miki