ヌメ革とは?
最近、「オノマトペ」についてよく聞きます。
擬音語、擬声語、擬態語を意味する総称で、
カチャカチャ、ワンワン、ドキドキがそれぞれの例です。
そもそも日本語にはオノマトペが大変多く、
日本語の魅力としてオノマトペがメディアで紹介されていた気がします。
で、話が逸れたのですが、
「ヌメ革はどんなものですか?」
というご質問を久々に頂きました。
私たち革を扱う者は普通に使う「ヌメ」という言葉ですが、
やっぱり何だか変な感じがしますよね。「ヌメ」って何だ?
以前、多分間違えられたと思うのですが「ヌメ革」を「ヌード革」と呼ばれた
お客様もいらっしゃいました。でもイメージとしては間違っていないかもしれません。
表面にエナメルの様な顔料をまとわない、「素」な革だからです。
ヌメ革 = タンニンで鞣(なめ)した革を、
軽い仕上げ調整のみ実施した「素仕上げ」したもの
という解釈でいいんじゃないかと思っています。
そして、ヌメ革の響きから「粘り気がある」とイメージされる方がいたのは、
以下の表現の混同があるからなのかなと考えています。
「ヌルっとする」(ぬるぬる)
→粘り気があって、すべるようななめらかさがある
「ヌメっとする」(ぬめぬめ)
→光沢を持ち、つるっとしたなめらかさがある
「ヌメ革」は「ヌメっとした革」と言っても多分合っていると思います。
表面に自然な光沢をもち、つるっとしたなめらかな革だからです。
でも、表面に粘り気はないので「ヌルっとした革」ではないわけです。
いかがでしょう? 「ヌメ」という言葉のイメージが少しでも伝わったでしょうか?
最近では素仕上げの生成り革だけをヌメ革と呼ばず、
染料染めや軽いオイル入れした色々な色の革もヌメ革と呼ばれていますし、
タンニン鞣しだけでなく、コンビ鞣しという鞣し技術のものもコンビヌメと
呼ばれれたりしていますね。
いずれにしても、基本は「軽い仕上げだけした革」であるということを念頭に置けば、
革の選定の際にあまり迷うことは無くなると思います。
ヌメ革について検索してこの記事に辿り着いた方もいらっしゃいますか?
ここまで深く掘り下げたブログがあまりないようで、
革が光ると書く漢字「𩊠」(ぬめかわ)で調査しようと検索したら
うちのブログが上位に挙がっていました。
(そんなこと誰も書かないからか?)
それではそろそろドロンします!(ドロンもオノマトペ)