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Geographic Institute

「地理」と聞いて、どんなことを思い浮かべますか?

2019.06.04 09:32

「地理」と聞いて、

どんなことを思い浮かべますか?

 

「地理」という言葉の字面、

「地理」という言葉の音、

それらを総合してまず思い浮かべるのは、

きっと、中学生や高校生の時に習った、

「社会(地理的分野)」

「地理A」

「地理B」

などという科目のことではないでしょうか。


では、

「地理」の授業で、

どんなことを学んだのか覚えていますか?

 

ケッペンの気候区分の特徴、

地図記号や地形図の読図、

世界地誌(世界の諸地域のこと)、

日本地誌(日本の諸地域のこと)、

などではないでしょうか。

さらに詳しく書くと、地名や国名、産業、農業、貿易の品目や貿易額などを、“覚えさせられた”というイメージが強いと思います。


“覚えさせられた”イメージが強すぎて、苦手意識を持ってしまった方も少なからずいらっしゃると思います。


けれども、本当の地理は、私たちが今暮らしている地球、世界の本質を知るのが目的の学問分野です。


地理以外の学問は、特定の「もの」や「事象」について知ること(「思考の縦糸」と呼ばれるものです)が目的ですが、地理学は、地球上に存在するさまざまな「もの」や「事象」が場所(地理的空間)とどのような関係があるかを知ること(「思考の横糸」と呼ばれるものです)が目的です。


ですから、他の分野に比べて知らなければならない「事象」の種類が多くあり、アプローチ方法もまた違ってきます。


今まで世界中の地理学者たちが、数多の地理学論文を発表してきました。

・長野盆地の果樹栽培について

・ある県における救急医療体制と救急医療情報システムの地域的展開

・ある県境を走る街道沿いのラブホテルの立地と車の流れの関係性

・近年の景観訴訟事例にみる景観保護の論理

・地域ブランドによる観光まちづくりの一考察  など


手元にある論文は、都市地理学的論文が多いため分野的に偏りがありますが、他には自然環境と農業に関したもの、地図の多様化と生活様式の変化などさまざまです。


つまり、一人一人が興味関心を持つ地球上の「もの」や「事象」と地理的空間から手始めに地理的なことを少しずつ深く学ぶことが可能なのです。


学生時代に地理が苦手だったとしても、興味関心な「もの」や「事象」は持っていると思います。

それは、地理を学ぶうえでとても大切な武器の一つです。


地理的知識を身に付けていくのはあとからでも良いです。もしかしたら、知らないうちに地理的な視点・切り口を持っているかもしれませんし。


地理的視点・切り口は、日常の生活の延長線上にたくさんありますからね。


大きく見れば地球のことを考えたとき、小さく見れば天気のこと、川の流れ、防災のことなどをふと考えるとき、それがまさしく地理的視点でものごとを考えているときですよ。