時刻系の分類
現在、時刻というと何時何分何秒の世界を指します。その基本単位は勿論、「秒」です。ですから、「秒」の単位は厳格に定められていなければなりません。一般的に古来暦の中で秒の単位まで明確に区分され記されたという記録はほとんどありませんが、現代社会でそのようなアバウトな時刻系は役に立たなくなっています。岡村定矩氏は、時間系は「天文時」「物理時」「放送時」に区分されるとしています。
〇天文時・・・天文時はさらに、地球の自転に基づく「世界時」と、天体力学の推算から導く
天体軌道運動によって決める「力学時」とに分けられます。
●力学時・・・一般相対性理論の効果を考慮した①太陽系力学時、②地球力学時、
③太陽系座標時、④地心座標時、⑤地球時、様々な概念があります。
力学時は地球のみならず、他の恒星や惑星など天体から導かれ
「暦表時」とも呼びます。
※一般相対性理論を考慮すると、時間(固有時)は宇宙の運動速度
あるいは重力場の影響により、進む速さ(刻まれる間隔)が異なる
状況が生じます。上記の力学時はその効果を考慮するのです。
〇物理時・・・振り子の振幅時間を利用し時を刻む「重力時」、水晶の振動を利用し時を刻む
「水晶時」、セシウム原子の電磁波の振動を利用する「原子時」があります。
〇放送時・・・地上無線時報やGPSなどを利用した衛星時など。
その他、パルサー(中性子星の天体)の周期的な点滅を利用した「パルサー時」も現在、
構築中と言われています。
時間間隔の最小単位「秒」は、標準単位として世界各国で利用されるものです。
したがって、一秒という時間間隔は定義されないといけません。
(1)20世紀中頃まで 1秒=「平均太陽日の86,400分の1」と定義
その後、地球の自転周期が一定でないことが明らかになります。
(2)1956年国際度量衡委員会 1秒=「暦表時1900年1月0日12時の太陽年の
31,556,925.9747分の1」と地球の公転周期を基に定義されますが、
次第に、暦表時の精度が実用に追いつかなくなります。
(3)1967年国際度量衡総会 1秒=「セシウム133原子の基底状態にある2つの超
微細準位の間の遷移に対応する放射の9192631770周期の継続時間」とする
国際原子秒が導入されました。
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