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レコーディングリハーサル開始

2019.06.05 02:19

NegAcoustikaのレコーディングリハが

始まった。

通称ネガコと呼ばれて愛されているNegAcoustika。

その結成から6年の歳月を経て、今夏ようやくレコーディングとなる。正直言って、僕はこのようにこんなに長くバンド活動したのは初めてで、自分のなかでは前代未聞と言えるのだ。

ネガコには「毎週リハ」とその後の「毎週飲み会」がある。結成メンバーの川崎薫と坂野誠司は酒が大好きで、まさに水のように召し上がるその様子には感心するほかはなく、まさに音楽する徳利といえよう。

一人、アルコール分解酵素に不足する僕は、

すぐに真っ赤になるのだが、元来嫌いではないしそれに高校生の時に荻窪ロフトでさんざん練習したおかげか、なぜかついていけているのである。


今の所はね…


・・・いいや、そんな話がしたいわけではない。なぜに前代未聞か。それを説明しなければならなかった。

ネガコはバンドの基本をアコースティック楽器に置いている。サウンドの中心にあるのは生ピアノ。プログロックとして作曲アレンジされたNegasphereの楽曲をアコースティックアンサンブルで演奏する。最初から「かなーり難しそう」で「相当アレンジを考えなくてはならない」ことは予測がついていたが、これが思った以上だった。また、打楽器奏者を欠いたカタチではじめたことも、リズムチェンジが多い楽曲ゆえになかなかまとまらない理由の1つだった。とにかく最初のライブなどはお話にならないほどの代物で、ようやく音楽として「なんとか聞ける」状態になるまでに3年かかった。この時期に足を運んでくださったお客様には、感謝以上の気持ちを抱かざるを得ない。


Negasphereの元楽曲のシンセやオルガンにはたくさんの持続音があり、メリハリのあるドラムスの正確なビートがあり、ディストーションのかかったエレクトリックギターによるロングサスティーンがある。

しかしピアノ、アコベ、ガットギターのネガコにはそのどれもがない。

その差異が生む「なにか新しいサウンド」を求めて、私たちは旅をしてきた。

(私はトリビュートに興味がない、基本的には)

川崎薫という、Negasphereの創始者で、

天才的なコンポーザーが最初からこの旅路に同行してくれたからこそ、その道程の本筋を外さずここまで歩んでこれたのだ。


私にとってNegasphereとは、自分一人では決して作ることができない音楽であり、すでに完成品として恐るべき情報量を備えた音楽であり、歌詞も含めて非凡な価値を備えた音楽である。でなければ6年も飽きずにここで深め続けることなどできはしなかった。とっくに飽き飽きしてしまったと、自分の性格からして想像できる。

NegAcoustikaはそんな音楽を「素材」として扱う、かなり贅沢なバンドといえるだろう。

私にとっての内なるテーマは「さりげなく演奏しているものが普通でない」こと…

公園のベンチに中年男が散々午後集まって奏で始めた音楽が、美しく、情報量の多いとてつもなく豊かな音楽で、公園で憩う人々が皆集まってきてしまう、というような風景を夢見ている。いつかそんなフラッシュモブができたらいいな〜


さて、バンドには安定感のあるかじ取り役が不可欠で、アコベ弾きの坂野誠治は、その点でも存在感が大きい。持ち前の総合的なマネージメント手腕を発揮して、演奏からツアーまでさまざまな場面で手堅い判断を下し、

これまで我々は一度として妙な状況に陥ることはなかった。音楽という感覚中心の共同創造作業をする一方で、リアリストの視点を以って弱点や盲点をカヴァーすること。持続性のある創造と活動の両面において、これはとても重要なことだと実感している。


ここ2年でNegAcoustikaは大きく成長できた。2年前は川崎薫が自由に動けなかったことを逆手に取り、坂野誠治と2人で活動、心ある方々の導きにより各地をツアーできた。さらにチェロの星衛、打楽器の高橋克典という強力なメンバーを迎えて、2018年は大阪と名古屋でライブを行ない、たくさんのよきリスナーの方々と出会うことができた。そして今年はExProg078神戸プログフェス、京都春酣・平成最後のプログレ祭りにお招きいただいた。演奏内容にフォーカスすれば、常識的に安定した環境であれば、NegAcoustikaとして一定水準のサウンドを提示できるまでになった。

…ということでの、満を辞してである。

そう、今回のレコーディングは。


場所に選ばれた長野県佐久穂町のメリアホールで、基本5人の一発2ch録音が決まっている。ただしヴォーカルのみは後録りにする。

なぜかって?そりゃあギターに徹したほうが

グッとミスが減らせるからね。


さあ、リハーサルだ、がんばらなくては。