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ボルボクス

子どもは発見の天才だ!

2019.06.05 05:08

小学校4年生の子ども達を、学校の近くにある公園に連れて出て、生き物探しをする授業をしました。この授業は「総合的な学習」の一環で「いきもの見ぃ~つけた♪」だけでなくて、後世に残したい自然環境なども学ばせたい!という学校の意図がある中での生き物探し授業でした。

そこで小学校の先生が考えた作戦は、自然豊かであろう公園、つまり公園には生き物がいっぱい住んでいる!片や小学校の中庭にはあまり生き物が住んでいないだろう?から、この二つを比較して自然環境というものを考えてみよう!ということでした。

事前に先生と一緒に生き物豊富だろう公園を歩き回ってみたら・・・

「むむむむぅ・・・あまり生き物が見えないなぁ」となって、少ししょげてその日は引き上げました。まあ、ここまで来たんだから今さら場所や内容を変更できないなぁとなり、ぶっつけ本番的に、6月の良く晴れた日の朝、小学4年生による公園生き物探検隊を出動させました。「まあ、きっと子どものことだから、どこからか生き物を探して来るだろう」と楽観的に見ていたら、想像を超えて思いがけない生き物をドッサリ捕らえて来てしまいました。

きっと女子達は虫が嫌いだろうから、という先入観も破滅して、一番最初に「なに!?このヘンなの!!」と持って来た生き物が「ケラ」でした。

ケラはコオロギの仲間だけど地中にトンネルを掘って住む地下専門の昆虫で、きっと探せば野原や田んぼで見つかるだろうけど、大人になった私が見つけたことは今までありません。この日もふだんは虫とは縁遠い女子達が花壇の隅の枯葉をかき分けていたら発見したものでした。

更にこの日の観察で感心したのは、狩猟本能?

男子も女子も意外に狩猟好奇心というものがあって、一番熱中した生き物探しは池の中に網突っ込んでする、まさに「漁」でした。この日の水揚げはアメリカザリガニが一番の捕獲量でしたが、その他にヌマエビ、ヤゴ、ガガンボの幼虫、ブルーギルが短時間に捕れました。ブルーギル以外は観察したあとに池に放しましたが、服が泥だらけになっても何も気にしないで漁!?に熱中する子ども達の姿にたくましさを感じずにはいられませんでした。

この日に公園でいっぱ生き物を発見できたのは幸いでした。虫や魚以外に植物も探してもらいました。子ども達は想像以上に虫の名前を知っていましたが、植物は虫に比べるとあまり知らないです。花の名前も、どんな花なのかもあまり知りません。これはここの小学校以外でも同じです。たまたま菱の実を池で見つけた子がいて「これは何?」と聞いてきたのですが、見つけた本人はそれは虫か何かの卵ではないかと思っていたみたいです。

どうも生き物観察では、虫よりも少し余計に植物についてチカラを入れて興味を持たせる工夫が要るかとも思いました。

公園は生き物観察を終えて、こんどは学校の中庭に生き物探検隊を連れて来ました。

ここでは「あんまり生き物見つからないなぁ」という反応を想定していましたが、実際は違って「こんなものまで見つけたのか!」と思うぐらいに多様な虫を発見してきました。もう公園で虫に触ってきたから平気になったのか、大きなムカデもバケツに入れられていたし、ツマグロヒョウモンチョウという蝶の幼虫も「これは触れるんだよぉ!」とドヤ顔で手で持ってきた男子もいました。

この幼虫はトゲだらけでいかにも触るのを躊躇させる姿をしています。だけどその子はそれがタダの虚勢の姿だと知っていたのですね。昆虫少年はこのようにして今も健在だということがよーくわかりました。

だけど想定していた今後の授業展開は修正を余儀なくされそうです。きっと学校の中庭は自然豊かではないだろう、という仮説が子ども達によって否定されてしまいました。公園も学校の中庭も、どっちもそれなりの豊かな自然があった!ということになってしまったようです。

どうやってまとめの授業展開を考え直しましょうか!?

先生は「まかしとけ!ここが教師の腕の見せどころだ!」と言っていました。