前の入居者が設置した古いエアコンの取外し費用を負担してくれと言われた。どうしたら?
Q
前の入居者が設置した古いエアコンの取外し費用を負担してくれと言われた。
一年程前からワンルームマンションの一室を借りて住んでいます。
室内に設置されていたエアコンは、前の賃借人が設置したもので相当古いものですが、無償で使用して良いと、管理会社を通じて貸し主から言われ、そのまま使っていました。
ところが、そのエアコンはやはり古く冷房など本来の機能を全く果たさなくなってしまったので、自分で新たにエアコンを購入することを決めました。
そこで、貸し主に「エアコンを新規に購入するので、古いエアコンの取外し費用を負担して欲しい。」と申し出たところ、貸し主からは「あれは無償で一年も貸しているものなので、取外し費用は借り主が負担するべき」と言われました。
やはり、取外し費用は借り主である私が負担するべきなのでしょうか。
なお、賃貸借契約の際には、エアコン故障時や、エアコン取替時の取外しや処分費用を含めた費用負担についての取決めはしていませんでした。
A
エアコン取替時などの費用負担について、賃貸借契約締結の前にしっかりと確認のうえ、取決めをしておくことが肝要です。
今回のようなケースにおいては、貸し主は前の賃借人がエアコンを残置した(所有権を放棄した)ことを容認してエアコンを占有し、その物を次の借り主に使わせたということですから、民法第239条第1項により、貸し主がその物の所有権を取得しているものと考えることができるので、エアコンの取外しに係る費用は、エアコンの所有者である貸し主が負担するべきと考えられます。
なお、エアコンの使用は賃借建物の使用に附随するものと考えられますので、貸し主が「エアコンを無償で一年も貸しているものなので、取外し費用は借り主が負担するべき」とする主張も正当ではないと思われます。
今回のケースでは、事前に賃貸借契約の際に、エアコン取替時などの費用負担について取決めをしていないということですので、管理会社を含めるなどして、費用負担について当事者同士でよく話し合いをすると良いでしょう。
いずれにしても、契約前にしっかりと確認のうえ、取決めをしておくことが肝要です。