【Mineral×Petal×The Firewood Project・スペシャルインタビュー】Once In A Lifetime
~ & records presents MINERAL Japan Tour 2019 / RNR Tours presents Petal (US) Japan Tour 2019 / TONE FLAKES Vol.132 ~
Petal
―日本でのツアーはいかがですか?
Kiley:すごく楽しい!皆とっても優しいし。ライブもすごく良くて。日本は音楽への情熱があって、文化も素晴らしいし、食べ物もすごく美味しい!
―特に気に入った食べ物はありましたか?
Kiley:もう、ぜんぶ(笑)。昨日はお寿司とラーメンを食べたの。すごく美味しかった!あとは甘いものも大好き。色んな種類のキャンディとか焼き菓子とか。日本ではパン屋に行くのが好き。日本のパン屋はすごく魅力的。パンを焼くときに使う味の組み合わせ方がすごく面白くって。ツアーがなくて家にいるときにパンを焼くのが好きなの。たくさん料理したり、焼いたりするが大好きなのよ。そんな風に、何でも作ってみたいの。家族や友達にお土産をたくさん買うつもりでいたんだけど、食べものに全部使っちゃいそう。でも、最高。
撮影:Yosuke Fujita
―以前行った『Magic Gone』メールインタビューの中で、歌うことは自分の経験を表現することとおっしゃってました。どういう価値や思いを音楽の中で表現したいと思っておられますか?
Kiley:音質的には、どうしたらその曲がそのまま響くようになるかを考えてるの。私はできる限りリアルなライブパフォーマンスのようになるように、ボーカルは通しで録音したくて。だから、そうやって、直した感じがしないようにしているの。ライブで聴こえるような感じになるように。
言葉に関していえば、歌うことは自分の底から感じるような方法で表現していて。よりリアルになるように。ある経験を伝えるということに関しては、ゆっくりと時間をかけて書いてる。曲を書くのにすごく時間がかかるの。だから本当に急げないのよ。経験については、何か起きたときにだけ書くの。ソングライティングは、いきなりパニックになってそれからいきなりくるような感じ。眠っていて急に思いついて、急いで起き上がってそれを書き留めるような。例えば風が帽子を吹きとばして、それを取ろうとしている時、みたいな感じかな。急いで帽子を取り戻すみたいな感覚。曲を書くっていうのは私にとってはこんな感じ。
―いつも音楽のことを考えているんでしょうか?
Kiley:ううん、いつもってことじゃなくて。例えば、今、私が何か新しいものを書こうとしても何にも思いつかないの。何にもないのよ。それが本当にストレスで。だから無理にやらないようにしてるの。
でも、いつも音楽を聴いたり、たくさん詩を読んだりしてる。たくさんTVを見たり。ただ単に色んなパフォーマンスを吸収して、自分の中でどうなっていくか様子を見るの。少なくとも私は、たくさんツアーしてるときは曲を書くエネルギーがなくなるのよ。だから、このツアーが終わって休む時間があれば、頭の中がもっと広がるんじゃないかなって思ってるの。
―そういう詩や作品からどういう影響を受けていますか?
Kiley:私は演劇の学位を持ってて。演劇の大学に通っていたの。だから、戯曲を読むのも好きだし、その登場人物に最終的に影響を受けて、そのストーリーを音楽に落とし込みたいと思うこともある。少なくとも、一旦は取り込んでみようとしてみるのよ。重苦しいようなものを内容には全然合わない音楽につけてみたり。だから、私は自分が『Shame』で書いた「Tommy」って歌が好き。すごくアップビートな曲なんだけど、歌詞を聴くとすごい心が痛くなるような歌なの。こういうことを並べるのが面白くて。そういう面で、演劇ってすごくいいと思う。
―「Magic Gone」のMVはまるで舞台を見ているような印象を受けました。作品を作ることについて、どのように考えておられますか?
Kiley:そうね、私は基本的に、ツアーも仕事もしてるけど・・・舞台やツアーはチームスポーツみたいなものだと思うの。だから、たくさん同時進行してる部分がある。そして、皆が共通の目標に向かって一緒に働かないといけない。舞台っていうものは、もし舞台監督が合図を出さなかったら、照明デザイナーと衣裳デザイナーは一緒に上手く機能しなくなるの。例えばね、美しい赤いドレスをまとってステージに出ても、照明デザイナーがその上に黄色いライトを照らしてしまうと、突然身にまとったドレスが茶色になってしまうでしょ。だからツアーをすることはバンドが一緒に働いていくようなことだと思う。
私は舞台とツアーのそういう側面が好きなの。レコーディングに関していえば、自分が書いた歌を持って行って、友達に自分のレコードを録音してもらうことに似てると思う。彼は、もっと私が自分のアイデアを大胆に出せるように励ましてくれて、私が最初に考えていなかったようなサウンドも提案してくれる。そういう共同作業的な部分が好きなの。同じ理由で舞台のそういう部分が好きなのよ。
―前回のメールインタビューの中で、レコーディングエンジニアのWill Yipのマイクについて触れられていましたが、どんなマイクなのでしょうか?
Kiley:そう。Will Yipは私の友達で、彼が私のレコードのプロデューサーなの。彼はフィラデルフィアの郊外にスタジオを持っていて。そのスタジオは、以前はRough House Recordsが所有していたもので、BoyzⅡMenやローリンヒルが録音してたような場所なの。私、ローリンヒルが大好きで。レコーディングのときにローリンヒルが『The Miseducation of Lauryn Hill』で使ったマイクがあって、私達が歌うときには毎日そのマイクで歌っていたから、すごく特別な気持ちになった。Willはローリンとも一緒に仕事したことがあって。だから、演奏するのにすごく特別な場所だし、たくさんのすごい人がそこで録音してきたの。Bay Recordsの友達もたくさんそこにいて、すごくいいエネルギーを感じられる場所。本当に特別なところよ。
撮影:Yosuke Fujita
Mineral × Petal
―今回の日本ツアーはいかがですか?
Chris:すごく楽しんでるよ。自分の音楽に対して情熱的になってくれる人達へ演奏するために、世界の反対側に来られるなんて素晴らしいことだよ。
―日本の食べ物はどうですか?
Chris:全部大好きだよ。ラーメンとか寿司とか。だから、いつも日本に来るのワクワクするんだ。いつもツアーマネージャーが色んな街に連れて行ってくれて、たくさん美味しいものを食べさせてくれる。ここでは、たこ焼きとお好み焼きを食べたよ。浜松ではうなぎも食べたんだ。
―Mineralの音楽には、差し込む光や広大な自然のようなものを背景に感じます。あなたがたの出身地であるテキサスは暖かく自然が豊かで、穏やかな土地だと聞きました。自身が育った風景などが音楽に反映している部分はありますか?
Chris:僕はコロラド州のデンバーで育ったんだ。そこは山がすぐ側にあるようなところで。自分が書いているものや書いたことのイメージはその場所にたくさん影響されてると思う。テキサスはね、綺麗なんだけど、でも変わり映えのしないつまらないところなんだよ。はは(笑)。だから、コロラドでの自分の子供の頃のことを考えるんだ。あと、僕らはカリフォルニアにたくさん行ってたかな。そこは父の家族の出身地だったから。でも持ってくれたそういうイメージ、好きだよ。
撮影:Yosuke Fujita
―お二人の作る音楽は、音楽全てで感情を表現しているような気がします。パフォーマンスをするときは、どういう思いを持って演奏されていますか?
Kiley:今度もまた少し舞台の話に戻るけど、Robert Jonesって美術監督がいて、彼は、すべてのパフォーマンスは人生で一度きりだと言っていたの。その場所に集まった人達は皆、それぞれ仕事でどんなことがあったとしても、どんな気持ちで仕事をしてきたとしても、ショーを見に来てくれてる。そして、自分もその夜ショーをするためにやって来て、前向きな気持ちでいるかもしれないし、少し疲れて、家にいる人達を恋しく思ってるかもしれない。こういう色んな人の気持ちが混ざり合って作られる雰囲気は、一度限りなの。だから、今回のツアーの初日、二日連続で東京の同じ場所で演奏をしたんだけど、その二つの夜は完璧に違ってた。ある意味では、毎晩一度きりしかないっていうプレッシャーにも思えるけど、見方を変えれば、私がもっと今その場所にいるっていう、たったひとつの舞台を大事にするってことだとも思う。それをいつも心に留めているの。完璧じゃなくて、なるようになればいいの。
Chris:彼女が言ったことすごく好きだよ。
Kiley:ふふ(笑)
Chris:僕は、自分自身にあまりプレッシャーをかけないようにしてるんだ。完璧を目指してはない。というのも、大抵僕が、技術的にパフォーマンスを楽しめる時っていうのは完璧じゃないときなんだ。完璧でない方が、本物を感じさせるし、その瞬間を感じられる。そういう要因が混ざり合っているんだ。僕が思う限りでは、僕が良かったなと思うショーは、ショーがあっという間に終わってしまったなと思うものなんだ。何かをずっと考えてることもなくて、その瞬間がぱっと抜けてしまったように感じるような、気づいたら時間が過ぎて終わってるような。何が起こったんだっけ?と思うようなね。あんまり良くないなって時は、ショーの時間中ずっと考え続けてるような時なんだ。
Kiley:うんうん。
Chris:声は大丈夫かな、とか。皆好きかな、上手くいってるかな、とか。こういうショーの時ももちろんあるんだ。人間だしね。でも最後に、自分がその時その瞬間に入り込めなかったことを残念に思うんだ。
―歌うことは難しくもあり、楽しくもあると思うのですが、お二人にとって歌うことはどのようなことですか?
Kiley:よくは分からないけど、歌うことは自分の居場所なの。居心地のいい場所。車を運転するときは思いっきり歌うの。サウンドチェック、サウンドチェックはね、誰も入ってこれない自分だけの時間。自分ひとりで、自分が思うように好きなように一人で演奏ができるの。それはすごくいい時間よ。
でも、Chrisが言っていたけど、頭の中で考えこんでしまう時以外は、歌うことは楽しい。ジャッジをしているような時、そういう時は自分の声も疲れてて、十分な準備もできないの。大好きな何かっていうのは、すぐにやりたくないことへと簡単に変わってしまう。私は子供がいないから想像なんだけど、保育園の先生だったとしたら、ある日は子供達のことが大好きで、喜びをたくさん与えてくれる存在だけど、別の日には彼らと何を一緒にしていいか分からなくなったりする。飼いならすことはできないの。自分がやっていることをコントロールすることができなくて、おかしくなりそうになったりする。
よく分からないけど、私は子供の頃から歌うトレーニングを受けてきたから、歌うことは不思議なことに感じるの。私の母はコーラスの先生だったの。だから自分が、自分の歌がどう聴こえるかをコントロールすることを手放すことに長い時間がかかったの。なぜかというと、とても独特なやり方で聴こえるように育てられてきたから。クラシックに関して、独特なやり方で歌うようにトレーニングを受けてきたからね。でも、子供の頃に初めてQueenを聴いたとき、“あ、好きなようにやっていいんだ”って思った。歌い方にクラシックとロックの影響を取り入れていこうって。私はそれを思い出すことができて、嬉しくなったの。初めてQueenを聴いたときに、少しだけ自由になれた。
撮影:Yosuke Fujita
Chris:そうだな。僕にとっては、歌うことは自分がやることの基盤みたいなものだと思う。演奏することは、その次なんだ。僕は歌うことに関して、自分が聴いてきたボーカルやメロディの裏にある構造をどうやって置くのかを理解することで、どうやって演奏するかを学んできただけだけど。それはミニマルなもので、メロディの最初のこのコードはどうかとか、ある時は、それだと全然合わないから別のコードに変えなきゃいけないというようなことだよ。そうやって、僕は演奏することを学んだんだ。僕の母もたくさんQueenを流してたけどね。母からはたくさんの影響を受けたよ。クラシック音楽のトレーニングは受けたことないけど、僕の母は音楽に対して情熱を持っていて、いつも大きな音で音楽を流したり、車で歌ったり、そういうことが僕の始まりだったんだ。
歌うことは、この世に存在する人間の表現で一番人間らしいものだと思う。僕にとっては、神聖な感じがするんだ。自分自身を発見して、自分自身を思い出す。自分がパフォーマンスをするときに、歌うことに力を入れなくてもいい。すごく熱心になりすぎると、自分の声がどこかに消えてしまって、パフォーマンスも同じようになってしまう。僕は歌うことは、矛盾をはらんだものだと思う。というのも、くっついている感覚と切り離されたような感覚が同時に起こるんだ。自分がやってることと繋がっていなくてはいけないけど、同時に、コントロールしようとすることは諦めなきゃいけない。
コントロールするより、感じとらなくてはいけない。そこにあるものと繋がるような感じなんだ。
Mineral × The Firewood Project
―The Firewood Projectとのツアーはいかがですか?
Chris:The Firewood Projectが大好きだよ。はじめのことは前からずっと知ってるし、The Firewood Projectと日本ツアーをするって聞いてとても嬉しくなった。彼らに会えたことが本当に嬉しいし、毎晩一緒に演奏できることがとても楽しい。
―The Firewood Projectの皆さんはいかがですか?
平林:僕は、前回来日のときに見に行けなくて。今回、生でライブ見るの初めてで。ずっと音源とか聴いてきた憧れの人達なんで。とにかく光栄ですね。シンプルに。
岸野:僕は前回のツアーもスタッフで付いて行ったり、別のバンドで一緒にやってたり、アメリカにも見に行ったりしてるんですけど。また一緒に会えて、ツアーできて。やっぱり何か前回より、新譜も出してることもあって、Chrisも今回のツアーのためにタバコとかも止めてたりして。お酒とかも。
Chris:2年半かな。
岸野:それもあるのか、よりいいパフォーマンスで。前回よりも。
―そうなんですね。
岸野:僕らはほんと、Mineralだったり、いわゆる90年代のEMOミュージックってやつに憧れてバンド始めたりしてるので、こうやって毎日一緒にツアーできるのがほんと夢みたいですね。
Chris:すごく嬉しいよ。
―岸野さんはMineralを20回以上見られたとか。
岸野:トータルで今まで、まぁ、再結成した後なんですけど、今日までで24回・・・。
―24回!
Chris:彼は、最初にツアーしたときもアメリカにいたんだ。
岸野:いっぱい見れて、超ラッキーだなって。ははは(笑)。
平林:僕らがMineral聴き始めた頃って、割ともうストップしてたんで。ライブを見れると思ってなかったんですよ。
岸野:まあ、とにかく嬉しいっていうね。
Chris:僕達もだよ。
―Mineralのライブを見ていて感じたことはありますか?
岸野:まあ、今回だけじゃないんですけど、何回も見てて、とりあえずタフだなっていう。日本のバンドだと、なかなかこうやって連日ツアーをして、1時間半とか毎日パフォーマンスするっていうのは、フィジカル的にきつかったりする・・・。声がでなくなったり。で、僕らも、30分とか40分のショーで、今連日やってますけど、それだけでも結構、しんどいところが(笑)。
―(笑)
岸野:まあ、初めてってところもあるんですけど。日本のバンドだとこんなに毎日ライブすることって、なかなかやらないんで。それでいて、クオリティも下がってないし。何なら昨日のライブが今のツアーの中では一番良かった。
Chris:そうだね。すごく特別な感じがしたよ。
岸野:そこはまず、すごいなっていう。(笑)
Chris:(笑)
―長い音楽キャリアを持っているバンドというのは、活動を休止するバンドや、解散するバンドや、そこから再結成をするバンドや、色んな変化を経験しながらも辞めずにずっと続けていくバンドと、色んな形があると思います。色んなバンドの過去の曲もやっぱり素晴らしいし、すごく大切でいいなあと思うんですが、中でも最新の、その人の最新の気持ちが込められた曲に一番惹かれます。Mineralの新曲もとても好きで、「Aurora」と「Your Body Is The World」に込められた意味を教えてください。
Chris:僕が思うのは・・・何て言ったらいいか分からないんだけど。そこにはたくさんの“今”というか、“現在”が込められていると思う。音楽的には、過去の音楽からあるMineralというサウンドと同じように感じられる響きのある曲をかかなきゃいけなかったけど。でも、歌詞やボーカルは、“今”でなくちゃいけない。だけど、音楽としてはMineralだって分かるものにしなければいけなかったんだ。僕は、自分が新しい曲とボーカルと、歌詞と繋がれたと思ってるよ。それは僕にとっては特別なことなんだ。これまでの数年間の後、ファンに新しい何かを提供する、Mineralとして表現できる方法だから。僕らはMineralを表現する新しい機会を与えてもらえたんだ。
―The Firewood Projectは以前当サイトでのメールインタビューの中で、バンドの名前に“熱源”というような意味を込めたとおっしゃっていました。The Firewood Projectのライブで曲を聴くと、心の中が温かくなるような感じがあるんですが、どういう表現をしたいという気持ちで曲を作られていますか?
平林:バンドの名前はそのままメールインタビューでお答えした感じなんですけど、曲はその時々で、自然に自分達でやりたい感じの曲を作っていますね。
岸野:パフォーマンスとしてはその、何ていったらいいか、まあ楽しくというか。
平林:自然・・・。
岸野:まあ自然に、悲しい感じじゃなくて。表現としては。あとは自分達が楽しんでやってるんで、それをそのまま体現というか。表に出た音として、というか。見た目とか。できたらなってことですかね。
平林:見た目の部分は、彼が一番担ってるんで。
岸野:ははははは(笑)。
―(笑)
Chris:ふふふ。
岸野:Character?はははは(笑)。
―前回出された『Causes』では、皆さんが一番やりたいと思ったものってどんなことがあったんでしょうか?
岸野:基本的にはカズさんが作る曲を、他のメンバーがサポートするというか、それをさらに表現を持ち上げるっていう意味合いでやってるんですけど。基本的に聴いてる音楽がかなり近いのもあって、作る曲が自分達の好みの範囲から出ることはないんで。そういう曲ごとに、どうより良い表現をできるかっていう感じですかね。
平林:メンバー皆の音楽的な好みとかそういうのはすごい共通してるんで、やりやすいですね。
岸野:もともとこういう感じの音楽をやろうっていうので始まったりしてるんで。
―平林さんがTwitterで新曲を作るのが難しいとおっしゃってるのを見かけたんですけど、新曲を作るときの難しさにはどのような難しさがありますか?
Chris:僕にとっては、いつも難しいよ。それはいつも、何かを削りとっていくようなものなんだ。重労働のような。どこに辿り着くかは、分からない。でも一番大切なことは、続けること、努力し続けることなんだ。そうすると、たいていはある時点で、壁をぶち破るような感じで、曲が広がっていくんだ。
平林:すごい、分かります。あの毎回毎回、僕曲作ってきて、今まで出来たのがまぐれだったんじゃないかぐらいに思うときあります。(笑)。
そのぐらい、作ってても、もっと良くなるんじゃないかって、常に思ってて。ゴールが分かんなくなっちゃうときがある。それこそ諦めないことが。
Chris:僕はね、ある時、ソングライティングで気付いたことがすごく役に立っているんだ。自分で表現できない、頭の中にあるアイデアはいいものにならないと思ってしまうという、曲を書くプロセスに早く気付くことが大事なんだ。そして、自分にとって重要なことは、いつでも一番いいものを表現することなんだ。諦めずに。これはいいものにならないだろうと思っている、あなたの頭にあるものがあなたを諦めさせて、歌を完成させられずにアイデアを消してしまう。僕は、続けることが一番重要だと思うんだ。
―Mineralの作品は、解散した後も新しいリスナーを獲得してきたという、音楽の可能性を感じさせてくれるような作品だと思うのですが、作品を作るということに関してどんなときに音楽の可能性を感じる瞬間がありますか?
Chris:僕は、歌詞や言葉やメロディを書き終えたとき、とても嬉しくなるんだ。そういう風に僕は感じるんだ。その前には、それができるかどうかは全然分からない。だけど、ボーカルと歌詞とメロディがはまったとき、それを外に出せる、と思うんだ。手放せるって。それが、僕が何かの可能性を感じる瞬間なんだ。その時までは、何らかの可能性があると思うのは難しいんだ。自分がこの音楽の作品を好きだと言うことができて、何かになるかもしれないと思える。でも、ボーカルと歌詞とメロディができなければ、それは分からないんだ。
―The Firewood Projectの皆さんはいかがですか?
岸野:可能性って難しいですね・・・。結構そういうのって受け手の問題な気がして。
―リスナーの方?
岸野:リスナーの方。僕個人的に思うのは、こういう曲を皆が聴きたいだろうとか、そういうの思って作ってるわけじゃないから。まあ、自分達の私的なことを書いてたりとか、自分達のやりたい音楽を作ったりしてるので。ただそれが、自分達が納得できるようなクオリティというか、そういう曲を作るつもりでいつもやってるんですけど。最終的にそれをどう感じるかは・・・。
―こちら側、ということですね。なるほど。
岸野:変な話、僕達はこういうことをやってるけど、どう感じるかっていうのはライブを見た人だったり、音源を聴いた人だったり。そこで、その反応があったときに、やっぱり人によって色んな感想があると思いますけど。感想が生まれてる時点で、そういう可能性というか、次の一歩へ進んでるかな、というのは感じますね。それでライブに足運んでくれたり、CDが売れるってことは、僕らがやりたかったこととかが認知されたり、いいものとして、プラスのものとして、消費されていくというか。て、ことだと思うんで。そういう感じですかね。
撮影:Yosuke Fujita
Mineral×Petal×The Firewood Project
―それでは、最後の質問です。私は音楽を聴くときに、楽しい気持ちになったりリラックスしたり励まされたりという聴き方もするし、心のぽっかり欠けた部分を補うように音楽を聴く時もある、自分にとって音楽はそういうものなのですが、皆さんにとって音楽はどういうものですか?
Chris:すべてだよ。思い出せないけど、音楽が生きてるって感じさせてくれるときがあると思う。子供の時でも、音楽は自分が生きてるって感じられて、自分自身を表現したいと思えて、誰かが表現してるものを聴きたいって感じられるものの一つだったんだ。音楽は自然の中にも、街にも、どこにでもある。僕が言いたいのは、それで全部かな。
Kiley:それもすごくよく分かる。私に関して言うと、私はいつも自分があんまり人の輪に馴染めないような、エイリアンみたいなどこかに迷いこんだような感覚があって。一般的に、私が感じてきたことなんだけど、目的を探すとか、いいものを伝えたいっていう気持ちを持って、神様と一緒になることができるっていう気持ちを感じながら、小さい頃からたくさん教会へ行って育ってきたの。そしてよく、自分のことが何なのか分からないような感じがしてた。でも音楽は、私と人とを繋ぐ方法だった。
音楽は、私に何か目的を与えてくれるようにも感じるの。極端な話、演奏したり、歌ったり、音楽を聴いたりする以上にはもう何も愛せないと思うこともある。
私が音楽の歴史や文化やロックミュージックに心を奪われるようになってから、歌うことを好きになることを止めることができなかった。遅くまで起きて、テレビの音楽番組をつけて、ボリュームを消して、憑りつかれたように見続けていたの。ずっと怒られてた。
でも、誰もが持つもがくような人間的な経験があると、人は生産的で役に立つ方法にもっていきたいと思うの。失敗じゃないって。役立つ生産的な形にしたいっていうのは、アメリカっぽい感覚かもしれないけど。苦しんでいることを健康的に変えるってことは、感情的に役に立つものでもあり、感情的に生産的なものでもあると思う。それが人間皆を繋げる糸。それは、私が自分の音楽の中で同性愛やメンタルヘルスについて話すようなことなの。自分が行く全ての国でパフォーマンスをするとき、私達は会話をすることができる。言葉の壁はたいした問題じゃないの。音楽的な経験によって、同じ意味を感じられるから。
それは素晴らしいことだと思う。携帯電話を脇に置いて知らない人と一緒にいることを選んだり、そうしている人達と一緒になって何かを吸収しようとしたりする場所はあまりなくなってきて、皆そういうことをしなくなった。
それは意識的でもあり、神聖な感じでもあり、原始的でもある。だから音楽はすごく本能的で、神聖で、今の私にとっての教会のようなものなの。
撮影:Yosuke Fujita
―The Firewood Projectのお二人はいかがですか?
岸野:人生・・・みたいな。それこそ、音楽やってるから、彼らともそうだし、色んな人と出会えて。二人が言ってたことに近いですけど、言葉の壁を超えて、友達もいっぱいできて、バンドのメンバーもそうだし。とにかく、無くてはならないものという。
平林:本当そうですね。本当。三人の言うとおりですね。うん。
[取材協力]
&Records
RNR Tours
https://twitter.com/rnrtoursjp
Flake Records
The Lost Boys
http://thelostboys.malegoat.com/
LIVE SPACE・CONPASS
===== 終演後 =====
―すごく素晴らしいライブで、感動しました。ライブを終えていかがですか?
Chris:とても素晴らしかったよ。日本で過ごした全ての時間が素晴らしかった。日本にいる人達の音楽にかける情熱がとても好きだよ。アメリカでもそういう人達も中にはいるけど、日本の人達ほどはない。どこに行ってもそういう人達がいてくれて、そのエネルギーがとっても有難かった。僕らも、エネルギーを出しやすかった。本当にワクワクして、特別な一夜だったよ。このツアーの中でも本当に素晴らしい一日になった。間違いなく一番の観客だったよ。
Kiley:本当に、本当に素晴らしかった。Chrisが言ったことを真似るようだけど、本当に格別だった。ステージに出たとき、すべての人から瞬時にたくさんの暖かさを感じて、本当に素晴らしかった。時々演奏していると、自分の頭が他のことを考え出しちゃって、別の場所に意識がいってしまうことがあるのよ。大体、3番目か4番目の曲の頃に。でも、皆がすごくそこに居るという感じがして、私がどこかに行かないようにしてくれて集中できたの。Chrisが言うように、日本の音楽ファンは本当に音楽が好きで、すごく熱中してくれる。アメリカでもそういう人はいるんだけど、クールな感じにしてるの。それはそれでいいんだけど。オープンに音楽に熱中したいと思っている人達がいるのを感じられて、新鮮な気持ちになれた。
岸野:僕ら・・・。
平林:そうですね。とにかく自分達の好きな人達がこうアメリカから来てくれて、一緒に出来たのももちろん嬉しいし。今、そういう感想を、すごいポジティブな感想を聞けて、すごい嬉しいなと思います。
Kiley:ありがとう。
岸野:日本なのに、アメリカのアーティストの方が多いっていう。(笑)今日ね。
[Special Interview : Chris Simpson × Kiley Lotz × Hajime Kishino and Kazuya Hirabayashi ]
【Information】
&Records
■ Release
アーティスト:noid(ノイド)
シングル・タイトル: paradiselost
catalog number:&132
リリース日:2019年5月17日(金)
配信サービス:iTunes、Apple Music、google、Spotify、KKBOX、Rakuten、Amazon他
& records (Japan)
Trapped Animal Records (U.K)
■Event
& records presents OWEN Japan Tour 2019
7/22(月)@西永福 JAM(03-6304-7012)
出演:OWEN、Ryo Hamamoto The Band、The Firewood Project (acoustic set)
open 6:30pm / start 7:00pm
4,000円 (adv.) / 4,500円 (door)
チケット:会場/e+
7/24(水)@京都 UrBANGUILD(075-212-1125)
出演:OWEN、Ryo Hamamoto The Band、The Firewood Project (acoustic set)
open 6:30pm / start 7:00pm
3,800円 (adv.) / 4,300円 (door)
チケット : 会場
問い合わせ: & records(info@andrecords.jp)
RNR Tours
CF98 JPAPN TOUR 2019
■日時 2019年06月18日(火)
会場 BABEL THE ROCK TOWER
OP 17:45 / ST 18:15
adv ¥2,000-/door¥2,500-(+1d)
共演:
END OF LIFE
Malissa
ikigatari
DOMINATRIX
■日時 2019年06月20日(木)
会場 鶴舞DAYTRIP
OP 20:00 / ST 20:30
adv ¥2,000-/door¥2,500-(+1d)
■2019年06月21日(金)
会場:京都 ライブハウス GROWLY
Open/Start : 18:00/18:30 *変更の可能性あり。
ADV 2500YEN(1DRINK代600円別)
DOOR 3000YEN(1DRINK代600円別)
共演:
STONE LEEK
Shearline
KOETT
SAHAA
■2019年06月22日(土)
会場:バンドスタジオ ベースオントップ 東心斎橋店|BASS ON TOP
Open/Start : 11:40/11:50
Ticket : 2,300yen (no drink) / DOOR : 2,800yen (no drink)
■2019年06月23日(日)
会場:ゲートウェイスタジオ 高田馬場戸山口店
開場: 14:40/開演: 14:50
Ticket : adv 2,000円(no drink)/ door 2,000円(no drink)
Cabel Japan Tour 2019
■7月18日(木):立川BABEL
■7月19日(金):初台WALL
■7月20日(土):京都Growly
■7月21日(日):東心斎橋 BASS ON TOP
チケット/公演詳細:https://www.rnrtours.com/
The Lost Boys
Adv. 3500yen / Door 4000yen
■日時 :2019年06月26日(水)
会場:吉祥寺 Warp
w/ CALENDARS
Doors 19:00 Show 19:30
■日時 :2019年06月27日(木)
会場:心斎橋 CONPASS
w/ TheSpringSummer
Doors 19:00 Show 19:30
Tix : e+, Flake Records, Pia
■日時 :2019年06月28日(金)
会場:高松Toonice
w/ Gremlin
Doors 19:00 Show 19:30
Tix : e+
■日時 :2019年06月29日(土)
会場:栄 PARTY’Z
w/ 4Brothers, ナードマグネット (Nerd Magnet)
Doors 18:00 Show 18:30
Tix : e+, Stiffslack
■日時 :2019年06月30日(日)
会場:下北沢 Era
w/ Hello Hawk
Doors 18:00 Show 18:30
■日時 :2019年07月01日(月)
会場:新代田 FEVER
w/ ASPARAGUS
Doors 19:00 Show 19:30