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産む・産まないの選択――大人の自由?

2019.06.07 06:42

昨日は両親の結婚記念日でした。

親から、そして祖父母から、受け継がれるいのち――

私も毎日いろいろありながら、こうしてわが子を育て、前の世代から連綿と続くいのちのつながりに関わることができ、本当に感謝しています。



戦前は、女性は子どもを産むのが家庭での役割と考えられていた側面が強いですが、今は、産む、産まないを自由に選べるようになりました。


しかし、私たちは本当にその自由を享受できているでしょうか。




①産む、産まないは大人だから選べる自由です。

しかし、二次性徴は、大人になる前にやってきます。

今は子どもたちが早熟で、二次性徴の早まりも指摘されています。(※1)


※1思春期早発症について


二次性徴が進めば、もちろん、妊娠の可能性もあります。

しかし、妊娠しても、育てる能力や環境がなければ、産むことは叶いません。(以下※2)

日本の若者の性経験は、女子中学生が20人に1人、男子中学生が25人に1人、女子高校生が4人に1人、男子高校生が7人に1人、大学生は2人に1人。

そして、人工妊娠中絶は微減傾向にはあるものの、年間約19万件で、出生数の約5分の1のいのちが産まない選択をされています。

十代の中絶は1割強を占め、1日換算で約53件です。

中高生の妊娠は、表に出てきづらいだけ、普段見えていないだけで、私たちのごく身近にあることなのです。



まず、十代だと、現在から先の教育はどうするのか、産んだ後にどう育てていくのかが課題になります。

また、本来は女性だけではなく、パートナーの男性も一緒に考えるべきですが、その負担が女性だけに偏りがちな側面も忘れてはなりません。


※2ウェブマガジン「ひみつ基地」(2015年4月号 vol.26)より



②大人でも必ずしも選べる自由ではありません。


例えば仕事で責任ある役職を任されたとき。少数精鋭のチームで仕事をしているとき。入社して直後。

産むことは職場に負担をかけないか、と考え、妊娠を躊躇してしまいがちです。


あるいは、さあ産もうと思っても、気づいたら妊娠しづらくなっているかもしれません。

特に現代は、ストレスフルな生活で、年代に限らず、若くても不妊症に悩む人は多くいます。子宮内膜症は、若年女性の10人に1人が持っていると言われます。



大人だからといって、妊娠・出産する事由が誰にでもあるわけではないのです。

また20代前半と40代後半の中絶の増加傾向も課題です。



これだけ少子化の問題点が指摘されているにもかかわらず、産めるはずの大人であっても出産を選択できない社会――


世界では、1994年の国際人口・開発会議で「リプロダクティブヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康)」の概念が発表されてから四半世紀――



未だに米国では、キリスト教や保守層の考えから、中絶を禁じる各州法が成立し、日本でも、待望のピルのオンライン処方に「性被害者に限定する」という条件が付き、「リプロダクティブヘルス/ライツ」が確立しているとは言い難い状況です。


私たちは、妊娠・出産したら、その後も責任をもって、産み育てなければなりません。

子育てには、本人の気力、体力と、周囲のサポートが必須です。

それがもし得られない状況だったら――? 誰が中絶の選択を責められるでしょうか。


どんな選択も、主体的に決めたことであれば、尊重されるべきだと考えています。

それが多様性を保証する社会の責務です。

その人生を歩むのは、当事者である本人です。

誰もその選択を邪魔できないし、他人が批判する権利もありません。



今の日本では、産む・産まないの自由は、あるようで、完全には確立されていません。

でも、次世代に少しでも暮らしやすい社会を渡したいなら、現役世代が考え、取り組んでいくべきテーマだと思います。


産む・産まないの自由を確立するために、私たちができることを――一人ひとりが考え、行動していける社会になるよう、あいのちでは、これからも機会を提供していきます。