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Geographic Institute

内村鑑三と地理学

2019.06.07 09:30

内村鑑三と言えば、中学の歴史や高校の日本史では、キリスト教思想家であり日本独自の無教会主義を唱えた人物であり、1891年の不敬事件の人物として知られていると思います。


内村鑑三と地理学とどのように関係しているのか。


おそらく、そこまで知られていないのではないでしょうか。


内村鑑三は、地理に対して大変造形が深く、札幌農学校で教育を受けたあとアメリカ合衆国へ留学したときに、マサチューセッツ大学で、キリスト教の他に地質学、地理学、歴史学、ドイツ語を学びました。


その後、1894年に『地人論』(旧題『地理学書』)を発表、その著書での参考文献として、ドイツ人地理学者カール・リッター、リッターの教えを受けた地理学者アーノルド・ギョー、彼らが書いた地理学に関する著書名が書かれていました。


札幌農学校は、現在の北海道大学農学部の前身となるもので、内村鑑三の他には、志賀重昂、新渡戸稲造などの人物を輩出、志賀重昂や新渡戸稲造は、地理学に関する著書を執筆しています。



内村鑑三は、地理に関して以下のように記しています。


第一に、地理学は諸学の基なり

第二に、地理は殖産に不可欠であり

第三に、地理学を学ばずして政治を談ずるなかれ

第四に、地理の美術文学における慈母の其子におけるの関係なり

第五に、誰か云う宗教に地理学の要なしと、誰か宗教歴史を読んで地理学の無用を認めしものぞある

第六に、地理学によって吾人は健全なる世界観念を涵養すべきなり



「地理学は諸学の基なり」

本当にそう感じます。

アメーバブログの方でも書いていますが、「地理を学ぶこと=地球を学ぶこと」だと私は常々感じています。


人は、何かの事象に対して興味関心を抱いていると思います。

その興味関心を抱いている事象を、地理的な切り口で見れば、その時点でその人は地理的(地理学的)に考えていると、私は考えます。


より深く地理的(地理学的)に切り込んでいこうと思えば、地理学の素養をさらに磨いていく必要がありますが、地理的(地理学的)に物事を考えるスタート地点としては、上記のようなことで十分だと思います。



今回は、内村鑑三と地理学との関わりをスタートとし、地理学の学び方のスタートの切り方を、かなり簡単に書かせていただきました。