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TURTLE MARKETING ACADEMY

57.無知な日本人

2019.06.08 02:34

ライオンに入社して5年目で社内選考試験にパスして、幸運なことに米国アリゾナ州のアメリカ国際経営大学院(愛称サンダーバード)に1年3ヶ月の社費留学に恵まれました。初めての一人生活、初めてのアメリカ、初めての留学生活、すべてが初めてで充実した大学院生活をおくっていましたが、この期間は、初めて自分の意思で勉強したという実感がしていました。休みは土曜日の午後と日曜日の午前中だけで、後は勉強で就寝も11時頃になってしまいました。元の大日本帝国海軍は土日を返上してまで猛訓練したそうだが、それを歌にした「月月火水木金金(げつげつかすいもくきんきん)」ではないが、それ以上の勉学だったことは記憶しています。

当時はベトナム戦争が終わり日本の経済成長が注目を浴びていた時期で日本に対する関心度が高く、たくさんの友人から日本の歴史や商習慣について質問を浴びせられました。幸か不幸か、キャンパスには日本人は私ともう一人、記憶が正しければ近藤さんという方がいました。「サムライって」「京都って、奈良との違いは」「あなたの宗教は、どうして無宗教なの」等などいろいろと質問されたのですが、残念ながら当時の私は満足に答えることができず、その度に無知な日本人を感じざるを得ませんでした。それはある種の自己嫌悪でした。

それまでは、歴史書を読書した記憶もありません。読書に耽ったこともなく、本を読むといえば受験につながるものばかり、また、アルバイトに忙しい毎日で学生時代をエンジョイする毎日でしたから、日本人の特質・慣習・伝統・文化などの質問に体系的に応じることができないのは当然といえば当然のことでした。