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落選原稿その⑥ 詩部門

2019.06.08 03:10

君と絆創膏

 


君の裸の背中を見たら泣きたくなった

僕はうしろから、君の細い身体を抱きしめる

首にキスをしながら僕は呟く

「他に好きな人がいるんだね」

君はクスッと笑って振り向いて

「いるわけないよ」と僕をみつめる

僕は慌てて話題を変える

「背中、傷でもできた?器用なんだね」と呟くと

君は真顔になってつまらなそうに視線をずらす

「うん、なんかできちゃって」

僕もたぶん、そう思う

きっと、何故かわからずできてしまった

背中に貼られた絆創膏

その絆創膏の上に赤い文字で「好き」と書かれていることを、君は知らない