国立民族学博物館・国立科学博物館共同企画展「ビーズ 自然をつなぐ、世界をつなぐ」訪問記
国立民族学博物館・国立科学博物館共同企画展「ビーズ 自然をつなぐ、世界をつなぐ」へ行ってきました。
展示会場は決して広くはないのですが、展示内容は圧巻でした。
会場内は撮影OKでしたので(一部不可の箇所もあります)、写真を撮りながら、説明文と展示物をじっくり見較べて世界のビーズを堪能しました。
<展示内容>
1.ビーズとは 2.植物のビーズ 3.動物のビーズ
4.貝のビーズ 5.石のビーズ 6.金属のビーズ
7.ガラスのビーズ 8.21世紀のビーズ
展示物の中では、台湾のタイヤル族のシャコ貝の貝ビーズの長衣に注目しました。
貝殻は鉄や石に較べると欠けやすく脆い素材であるにも関わらず、優れた手わざで細い貝ビーズをつなげて作られたワンピースのようなロングベストのような長衣は、きらびやかな派手さはないのに、天然の色彩と自然が生み出した形の貝から生まれたビーズによって、ゴージャス感に溢れていました。
資料で見た時から気になっていた衣装だったので、実物を見ることができてうれしかったです。
会場では世界のビーズ文化のビデオ映像が流されていました。
宗教儀礼、とくにシャーマニズムに自然素材のビーズが使われているのは大変興味深かったです。 数珠やロザリオの珠などもビーズと見ることができますので、ビーズ文化の奥深さに改めて感心しました。
科博のミュージアムショップで、図録の『ビーズ つなぐ かざる みせる』を購入しました。
こちらは2017年に開催された国立民族学博物館開館40周年記念特別展「ビーズ——つなぐ かざる みせる——」の図録として出版されたものです。
カラー写真満載で、解説はコンパクトながら充実しており、この一冊でビーズ文化について一通りわかるようになっています。
ただし、現在開催中の今回の企画展で展示されているビーズの写真が全ては載っていません。
なので、会場で写真撮影ができてよかったです。
会場には、国立民族学博物館のリーフレット類もありました。
この夏の企画展「サウジアラビア、オアシスに生きる女性たちの50年――『みられる私』より『みる私』――」では、砂漠社会ならではの装飾品を見ることができるそうです。
また、特別展「驚異と怪異——想像界の生きものたち」は、夏にぴったりの興味深い展覧会です。
今回の企画展ですが、以前、イラストがメインの民族衣装の書籍製作に携わった際に、資料調べで目にしたものに連なる展示物があり、頭の中で資料と実物を照らし合わせながら、存分に楽しませていただきました。
<国立民族学博物館・国立科学博物館 共同企画展
「ビーズ -自然をつなぐ、世界をつなぐ-」 >
展覧会サイト
国立民族学博物館・国立科学博物館 共同企画展 「ビーズ -自然をつなぐ、世界をつなぐ-」
開催期間 2019年4月9日(火)~6月16日(日)
開催場所 国立科学博物館(東京・上野)日本館1階 企画展示室、中央ホール
【写真:蜜蝋ビーズ】
蜜蝋と精油と薔薇の花びらで作る香りを楽しめるアロマアクセサリーオリジナルビーズ