グラスにより味わい方が違う?!
はじめに、私達のお店でも使われているリーデルワイングラスをご紹介します。
Riedel(リーデル)社はオーストリアのグラスメーカーとして260年以上の歴史を誇り、世界中のプロから信頼され常に最高の評価を得ているのです。
また、ワイングラスによってワインの味が変化することにいち早く気付き、世界で初めてブドウ品種ごとの個性を引き出すワイングラスをリリースした会社なんですよ。
凄いですよねー。
カタログを見てもかなりの種類の形状があるので買う時に悩んでしまいます。
なぜそんなにワイングラスって重要なの?
ワインを買ってきて、家のグラスに注いでいざ飲むぞ…あれ?「このワイン結構渋くて酸っぱいなぁ!」とか「香りが全然しない」など経験はありませんか?
ワインそのもののせいにして、適したグラスが違うなんて事は微塵も思わない事でしょう。
私達の飲食店も同様です。ワインの本質を捉えて、適正なグラスで提供している飲食店さんも少ないと思います。
もちろん、しっかり適正グラスで提供されている飲食店さんもいらっしゃいます。
分かりやすく音楽で例えるならば、ワインは音源、グラスはスピーカーの役割です。
クラッシックを低品質スピーカーを通した場合と、高品質スピーカーを通した場合で音が全然違って聞こえてくると思います。
私達プロからしてみるとワインもこんな感じに違うんですよ。
デイリークラスのワインを高品質のグラスで飲むと…味が違うことが分かります。
では、なぜそんなにブドウ品種ごとに違う形状なの?
そしてどのように味わいが変わるのかを説明していきます。
基本的なワインの風味は、ブドウ品種の個性である果実味、酸味、タンニン、アルコールの強弱により決まるものです。
これら4つの要素を、大きさや形状などバランス良くコントロールしたグラスにより、ワインの風味に変化が生まれてくるのです。
それ故に、リーデル社は様々な品種に対してのグラスをリリースするに至るのです。
シャンパーニュ用のグラスは、豊かな香りと甘みを感じられるように、ボウルの部分は少し膨らみをもたせ、液体は舌先に導かれ甘み由来の果実味を強く感じられる作りになっています。
酸が強めの赤ワインの場合、酸味を感じさせないように、グラスを傾けた時に液体が細長く流れる作りになっています。
人は、グラスの形状により、ワインをこぼさないように頭が自然に上へ下へと傾けられます。
口の広いグラスは口を広げ頭は前方に傾き、口の狭いグラスは口をつぼませ頭を後方に傾けます。
この動きにより舌に直接当たる部分が変わってきます。
また、ワイングラスに溜まる液体の量から、傾けた時に流れる勢いを研究しグラスの縁を研磨する事で、舌の上からスムーズに奥に流れ込む作り方をしています。
まさに狙った所に狙った通りの角度で流し込む…すごい技術です。
今回私達が日々使用しているという事もあり、リーデル社についてお話しをしました。
その他のワイングラスの有名メーカーも、人の味覚までも左右する程の素晴らしいワイングラスを作っています。
これからワイングラスを揃えたと思う方は、ぜひしっかりとしたワイングラスをご購入される事を願っています。
「このワインはこっちのグラスかな?」「こっちのグラスの方が香りが良い!」などと、適合したグラスを見つけ出すのもワインの楽しみの1つかもしれませんね。
次回、リーデル社のグラスについて…