不動産任意売却に当たって(チェック項目)
0 不動産任売だけなら業者へ?では、その他債務整理を伴う場合はどうか。
皆さんが、所有の自宅等の不動産を任意売却する事情は、さまざまです。
単純に、当該不動産を任意売却して、ローン残高分の弁済に充てるだけであれば、弁護
士に依頼してまで手間をかける必要はないかもしれません。
しかし、多くの場合、そのような単純な事情による必要のケースは少なく、住宅ローン
の残高債務が残ったり、そのほかの債務整理の必要もあるケースがほとんどではないでし
ょうか。
このような場合、やはり弁護士の交渉力に依拠して、経済生活の再建を図ることが一般
的です。ご自身で、この交渉等を行っても債権者は債務整理に応じてくれなかったり、債
務者である皆さんにとって過酷で不利益な条件を提示してくることも考えられます。
1 基礎知識
(1) 任意売却専門業者へ依頼したときの仲介手数料
売買価格の3%+60,000円+消費税が上限
例:マンションが2000万円で売れた場合
(2000万×0.03+60,000)×1.08=71万2800円が仲介手数料
この仲介手数料は、売却金額から控除される。
(2) このほか、実費等
・手続のため必要な住民票、印鑑証明、書類郵送料
(・引越費用(任意売却による捻出いかん))
・滞納マンション管理費、修繕積立金など
・固定資産税滞納分
(3) 任意売却にかかる費用(売主の持ち出し費用はないのが原則)
2 抵当権者(住宅ローン債権者)に対して(主として銀行など)
(1) 弁護士が受任して債務整理する場合の手順
受任通知、銀行担当者との折衝
月々のローン支払いについて(ストップいかん)
(2) 任意売却のための不動産業者との折衝
専任媒介か一般媒介か
すぐに売れるとは限らない
業者買取だと安く買いたたかれる
(3) 上記(1)と(2)の兼ね合い状況についての調整
3 本件不動産が、債権者による差押えとそれに続く競売にかかっているかどうか
もし、競売開始決定がされているようなら、急いで当該債権者と任意売却の交渉をし
て、裁判所の競売手続の進行を待ってもらう(競売手続の進行状況にもよります)。
任意売却の目途が立ったら、債権者には、競売の申立てを取り下げてもらう(取下げの
期限は、不動産執行の手続上、売却許可決定がなされるまで)。
4 税金等の滞納による本件不動産に対する差押え(滞納処分)の有無
5 自宅に付いている火災保険等(解約、更新いかん)
6 住宅ローンの引落口座
(1) 口座を一旦ゼロにして動きがないようにする
(2) 電気・ガス・水道・電話料金などの引落が一緒の場合には、それらを他の銀行の口座
に切り替える
7 弁護士に事件処理依頼をする弁護士報酬(着手金等)の用意
以上のようなチェック項目に気を付ける必要があります(備忘録)