実

ぬばたまの闇のうつつを結びけり　　高資

　真言宗智山派宮應山生福寺

日と月の光をためる瓢かな　　高資

烏瓜点してクリスマスツリー　　高資

天降る閑けさにあり烏瓜　　高資

　雷神社・御蔵山古墳

昼の星かとぞ見る山法師の実　　高資

帰り路を点して実る山法師　　高資

南天の実の道別きたる赤さかな　　五島高資

南天のかづらを出づる血珠かな　　五島高資

一位の実ぬれて奥ある赤さかな　　高資

夕風に風船唐綿実りけり　　高資

ひとすぢの光やたまつばき実る　　高資

　たまつばき＝鼠黐

出雲橋わたればねずみもち咲けり　　高資

剣橋すぎるあたりやたまつばき　　高資

玉椿みかへるいづも通りかな　　高資

寄り添ひて零れず紫式部の実　　高資

夜気ためて浮かぶ風船葛かな　　高資

葉裏から人をうかがふ天仙果　　高資

犬枇杷に星のさかるや壺中天　　高資

木苺や白眼御門を守りたる　　高資

葉隠れの緑や爆ぜる楓樹の実　　高資

耳鳴りの落ち着いているひさごかな　　五島高資

遠回りして垂れているひさごかな　　五島高資

メビウスの輪を束ねてや青瓢　　五島高資

葉隠れに野苺の実の珠となる　　高資

ひともとにふたつの三葉木通かな　　高資

別れつつ実る辛夷の力かな　　高資

　根古谷台遺跡・縄文遺跡

Magnolia kobus -

bearing a multiplicity of fruits

while dividing　　　　　　　　　Takatoshi Goto