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WUNDERKAMMER

ほーちゃん

2019.06.11 13:42

賃貸のアパートに家族3人で暮らしてたんだが、

3,4歳の一人娘が言うには、部屋には「ほーちゃん」なる者がいる。

一人遊びしてるはずなのに、会話したり、バイバイしたりしてる。

イマジナリーフレンドかと思ってたようなんだが、ある日のこと。

またしても、娘がほーちゃんと遊んでいるようだったので、

母親は「ほーちゃんと遊んでるの?」と聞いた。

娘はやはり「ほーちゃんと遊んでる」と答えた。

ここで母親は、ほーちゃんの詳細を聞いてみることにしたらしい。

どうやら、娘よりも少し大きい男の子らしいということがわかったのだが、

それ以上に母親を凍り付かせたのが、『ほーちゃんには首がない』ということだった。

それを聞いてからは、できるだけ娘と一緒に過ごし、なるべくほーちゃんと娘が遊ぶ機会がないようにしていた。


そんなある日、父親が大阪に出張となった。

夫がいないため家事をいつもより多くすることになり、どうしても娘が一人になってしまう時間があった。

心配ではあったが、どうも娘はほーちゃんと遊んではいないようだった。

安心はしたものの、気にはなったので娘に聞いてみた。

「今日はほーちゃんと遊ばないの?」

すると娘は、

「ほーちゃんはいないよ。なんかおおさかっていうところに行くって言ってたよ」

無論、小さな娘が大阪という単語を知るはずはなく、

母親はおぼろげながら、ほーちゃんは夫に憑いた何かではないかと感じたという。

その後、家族は引っ越し、

アパートは取り壊されたが、特に何らかの障りがあったとは聞いていない。