横谷トンネル
横谷トンネル
隧道ではなくトンネル。
それも金ヶ崎山トンネルのような廃トンネルではなく、現役です。
このトンネル、実は林道に存在するのです!
林道というのは皆さんもご存じのとおり、木材の伐採の為に作られた道。
その為、よほどのことがない限り、金銭的負担の大きいトンネルの建設は行わないのですが、観光林道となっている場合や、かなりの高収益が見込まれる森林の林道などには、例外的にトンネルが掘られることがあるのです。
東北地方や紀伊山地、房総半島など、林業が盛んなところではまま見られる林道トンネルですが、近場では珍しい存在であることは確か。
さらにこの横谷トンネル、意外なほどに長いというから堪りません。
それではいってみましょう!
横谷トンネルに向かうには、まず県道を一本制覇しなければなりません。
その名は滋賀県道296号畑勝野線。
ピストン県道であるこの296号を終点から起点付近まで走れば、いよいよトンネルのある林道が見えてきます。
広域基幹林道鵜川村井線(うかわむらいせん)
それが横谷トンネルの存在する林道の名前。
県道の起点ではないですが、もうほとんどその付近。
というかピストン県道の起点なんて、大した意味は持たないんですが。
林道の起点には椿峠でもみた害獣防止柵が施されていました。
ここのは椿峠のものとは違い、「開けたら閉めてください」という旨の注意書きがありました。
これ開ける時いつも悪いことしてる気がしてたんですが、こうやって明記してあると嬉しいですね。
堂々と入ります!
一般的な感覚では分かりませんが、僕の個人的な意見で言えばなかなか走りやすい道です。
勾配もそれほどではないですし、落石も少ない。
林道特有の側溝が道路を横断する個所でもそこまでの段差はありません。
唯一、落枝のみ注意していれば車を痛めることもなさそうです。
その落枝も起点付近のみで、後はご覧のとおり離合個所完備の走りやすい林道です。
しかしこんなにいい道なのに他車とすれ違わないなぁ。
なんかわけでもあるのかなぁ。
しばらく行くと気になる案内板発見!
「ヨコタ峠」?「ヨコタニ峠」じゃなくて?
どうもこの付近には「ヨコタ峠」と「ヨコタニ峠」という別の峠が存在するようです。
紛らわしい!
せめて漢字表記にしてくれればいいのに、なぜにカタカナ!
付近には「イクワタ峠」というのもあり、この辺の峠はカタカナ表記が多いようですが。
しかしとりあえず「ヨコタニ峠」は「横谷峠」→「横谷トンネル」という考えで、間違いはなさそうです。
ちなみにヨコタニ峠に行く場合でも、この「ヨコタ峠」登山口から登っていくみたいです。
ホント紛らわしい・・・。
標高が上がるに従って、落石の量も増えてきました。
ここはこれまでで最大の落石現場。
まぁとはいっても可愛いもんですが。
しかし標高が上がるということは・・・、
横谷トンネルの出番ということです!
皆さんがたぶん第一に思ったことはたぶん、
「暗くない?」
次が恐らく
「マジで現役?」
だと思います。
このトンネル、実は770mという延長を持つ結構な長さを持つトンネルにもかかわらず、
常時照明無し
僕の中で無照明という意味で最恐は「旧北陸本線隧道群」で紹介した曽路地谷隧道がトップでした。
内部でカーブしてるとはいえ、曽路地谷隧道の延長はせいぜい400m。
倍弱の延長があるのに照明無し。
これが林道トンネルクオリティ!!
しかもそれだけじゃないのが、この横谷トンネルのやってくれるところ。
じつはトンネル内で勾配変動があるんです。
ようするにトンネルの中でアップダウンがあるということ。
これのおかげで反対側の出口が見通せない!
さらに出口付近では左カーブになっているため、反対側の光は全く見えません。
この闇の中に車を進めるのは、・・・かなり怖い。
トンネル内はこんな感じです。
入り口付近ではやたら幅を利かせていたスプレーでの落書きは洞内では一切ありませんでした。
さすがにこの闇の中で落書きする勇気は無法者にも無いようです(笑。
さて高島市高島から同じく朽木に抜けてきました。
かつては高島町と朽木村の境であったトンネルです。
朽木側はやたら落石多かった。
今は同じ「高島市」のはずなんですが、管理は別なんでしょうか?
市役所支所ごとなのかな?
途中、砂利採石場と合流する支線があるらしく、道路全体に大粒の砂利がばらまかれている場所がありました。
四輪車はいいとしてバイクは相当危険と思われます。
林道ではスピードは控えめに!
四輪車走行難易度は・・・
狭さ 0
落石 2 (高島側は0 朽木側は2)
勾配 0
路面状況 3 (高島側は1 朽木側は3)
設置物有無 0
特殊評価 1 (砂利採石場付近のみほぼダート)
合計 レベル6 (高島側は平穏、朽木側はなかなか弾けてますので注意が必要)
まぁ朽木側のみ気をつけてれば何ら問題ないですよ。
砂利区間を越えればすぐにゴールが見えてきます。
国道367号通称「鯖街道」との交差点です。
起点側の案内に比べて幹線道路沿いということもあり、案内がでかい。
そしてこちら側には害獣防止柵はないんですね。
まぁこちらは幹線真っただ中で集落は少ないですし、そういう事情があるのかもしれません。
比良山地を横断する数少ない車道の一つなので、知る人ぞ知る秘密の抜け道のようになっているこの林道。
交通の便を良くするために掘られたトンネルが、敬遠される理由になっている可哀そうな林道。
大丈夫。
僕はそういう扱い、大好きです。
以上、横谷トンネル編