会期明日まで カタコトの会展
カタコトの会へ行ってきました。
カタコトの会は、伊勢型紙とよばれる
伝統的な型紙を
作る人、使う人、愛する人が年齢や技量や立場を超えて
コトをおこそうと結成されました。
ーあいさつよりー
メンバーもたくさんイベントもたくさんでした
既に終わったイベントも多くあります。
昨日は「織り手~仕事をなりわいにすること~」として
和綿染織の白井仁さんと紙布染織の妹尾直子さんの公開取材を兼ねた実演でした。
屏風畳になった和紙を切るところ
下に敷いた木のスケールは2ミリ幅と3ミリ幅だそうです
和紙を績む(うむ)ところ
60センチ×90センチの和紙10枚分
15枚分あるとシャツができるそうです
写真の妹尾さんが身につけているのは経糸が綿糸、緯糸が和紙
妹尾さんが使っていた和紙の座布団
いい味だしてる!
話の中で、「ちゃんと正確に2ミリに切ればあとは糸にできる
そこがほかの素材とは違います」とおっしゃっていました。
確かにとうなずきながらも、紙は紙の下拵えの大変さがあるように思いました。
特に切った後に濡らし、それをもむ作業は動きは大胆でしたが、繊細で絹とは違う苦労が。
ほかに印象的だったのは経糸、緯糸ともに和紙の場合は経糸に糊付けはいらないということ。織るとき、ちゃんと口がひらくそうです。
回転数よりも経糸S、緯糸Zに撚りをかけることが大切。
次に白井仁さんは自分で和綿、伊豆大島の大島という品種を育てて、糸紡ぎ、そして織りまでされています。
右が白井仁さん
綿の種をとる機械の説明
種に油があるために種を取る前にしっかり乾かすことや
綿ができたら葉が枯れる前に収穫しなくてはいけない など
綿という素材の特徴を説明されました。
乾いたら、綿のがく?が綿にからむんだそうです。
糸を紡ぐ話で印象的だったのが、糸を平らにするために
時間を区切って、それ以上はしないそうです。糸の太さが均一にならないそうで、結城の糸取りと似ている部分でした。
二人が最後にそれぞれ、「日本の紙がすごいということが残っていってほしい」
「マニュアルがあってもなくても考えることが大事じゃないかと思う」という言葉が印象的でした。
白井さんのおこさんに作られた上着
裏地にイノシシ?かわいい
とその設計図
白井さんの布に和更紗の中野史郎さんが型染めをした布
妹尾さん作の帯
和紙を漉いた人の名をいれるのが妹尾さんのスタイル
紙を作った人との共同作業と仰っていました
取材をされていた、吉澤朋さんは人間国宝の宗廣力三のお孫さんで、たぶんお召し物も彼の郡上紬だったのではなかろうかと思っています
上記写真、白井さんと映っているのが吉澤さんです
写真なのですが、受付で許可を得ると撮影できました。
会期が明日までなので、時間があう方はどうぞ