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TURTLE MARKETING ACADEMY

69.マーケティングマンとしてスタート

2019.06.13 09:26

第三章 コスメ・マーケティング

「マーケティング」は市場動向の変化、消費者行動の変化、社会環境の変化などさまざまな変化に適応する学問です。時代によって地域によっても事情が異なるため、マーケティングの定義は常に定まった言葉で表す必要がありません。それが「実学」と呼ばれる理由です。その時代、その地域の状況に応じた「マーケティング」の定義があってしかるべきものですが、核になる考え方は「顧客志向」と「製品差別化戦略」であることには変わりません。

学生時代から興味を持ち、そしてライオンに入社しマーケティングの仕事に携わってから50年以上になりますが、その間「マーケティングとは何か?」と自問自答していました。初めて「マーケティング」に触れた学生時代には、「マーケティングとは生産→流通→消費、消費の評価をして再び生産に反映させる一連の流れ」などと答えていたと記憶しています。ライオンに入社しマーケティング関係の仕事に就いたときには、「マーケティング」とは「一連の戦略、製品差別化戦略」だと定義よりも戦略論的な答えでしたが、それが30才になると「マーケティングとは人間関係」となってきました。

ライオン時代、担当製品を育てるプロダクトマネジャーの仕事をして痛感したことは、仕事は独りではできないことでした。いつも周りのスペシャリスト達の協力を仰ぎ知恵を結集しなければ製品を育てることができないからです。例えば、「会社としてこれは決定されたことだから、いついつまでに仕上げてください」と各スペシャリストに指示してもそのように動いてはくれません。なぜならば相手は人間であってロボットではないからで、当然と言えば当然のことですが、それさえも当初は分かりませんでした。「マーケティング」理論をかざしても相手は期待通りには動かず人間関係に摩擦が生じた経験が何度もありました。マーケティングマンにとっての必須条件は知識や経験だけでなく、それ以上に人格、キャラクターが大変な影響力があります。「貴方が言うのだから、貴方のためにやりましょう」そんな声が聞こえてこなければ仕事はうまくすすみません。