Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

27.香りの試験的テクニック 白ワイン編

2019.06.18 06:00

「ワインの香りの分類と特徴」は以前お伝えしてきました。


今回は試験で点数につなげやすい香りの用語選択のテクニックです。

本来は用語の1つ1つを理解して、使い分ける事を頭の中に入れておいて下さい。


≪果実≫

【メインのフルーツの選択】

白ワインは色調と粘性と香りはリンクしやすいので、それもふまえて下記のフルーツを選択してください。

その果実が分かるかどうかは問題ありません。成熟度が表す単位や尺度として考えてください。


右下にいくほどフルーツはより甘い印象になります。

・グリーンがかった色調で酸味のある柑橘系…柑橘類(ライム・レモン・グレープフルーツ)< 青リンゴ

・グリーンかイエローか迷う色調で酸味と甘みの蜜系…リンゴ < 洋梨 < 白桃

・イエローの色調で甘味と粘性の南国系…パイナップル < パッションフルーツ < マンゴー


【ブドウ品種の特徴的なフルーツ】

これらの香りがするのであれば選択すればよいのですが、あまり率先して選ぶことはないと思います。

・花梨…シュナンブランに現れやすい香りです。

・アプリコット…甘口のワインなどに使われる表現で貴腐ワインなどに用います。試験的にはまず選ばれる可能性の低い用語です。

・バナナ…発酵由来の第2アロマとして表現することが多いので、試験的にはまず選ばれる可能性の低い用語です。

・ライチ…ゲヴェルツトラミネールに現れやすい香りです。

・マスカット…マスカット系ブドウ由来の甘い香りで、新世界の甘い香りがするSBで選択すると良いです。


【樽熟成によるアロマ】

木樽を使っていてもいなくてもワインに現れる熟成系のアロマの一つです。試験では、木樽熟成の香りとして見つければ選択します。

・くるみ < アーモンド < ヘーゼルナッツ

木樽熟成している香りを見つけたら、ますシャルドネを念頭に入れアーモンドを選択します。

クルミやヘーゼルナッツは選ばれる可能性は低いです。


≪花・植物≫

【メインの花の選択】

その花や植物が分かるかどうかは問題ありません。成熟度が表す単位や尺度として考えてください。


右にいくほど香りの強さに比例します。

・すいかずら < アカシア < バラ < キンモクセイ

すいかずらは控えめで優しい花の香りに対して、キンモクセイは芳香性が強くはっきりとした花の香りがする尺度です。そのようにトーンの強弱で選択してあげるとよいです。


【ブドウ品種の特徴的な花と植物】

これらの香りがするのであれば選択すればよいです。

・白バラ…ライチ同様にゲヴェルツトラミネールに現れやすい香りです。

・菩提樹…リースリングに現れやすい香りで、ペトロール香(石油的な香り)とも言います。

・ミント…スッとした清涼感を感じるグリーンな香り。

・アニス…八角と似た香りを持つアニス、特徴的な香りです。

・ヴェルヴェーヌ…ミント程の清涼感ではないものの、スッとした優しい清涼感を感じる香り。

基本的には【メインのフルーツ】【メインの花】を3〜4個選び、個数調整としてその他を何個か選ぶイメージです。


≪香辛料・芳香・化学物質≫

【ミネラルによるアロマ】

それぞれ個性的なミネラルを表現する用語です。

・貝殻…海の潮っぽいミネラル

・石灰…チョークのような鉱物的なミネラル

・火打石…火薬のような消炎香の香り


【スパイスによるアロマ】

白コショウは辛味系のスパイスで、コリアンダーの方は華やかな香りを放ちます。

・白胡椒 < コリアンダー


【森林木による香り】

・香木…ウッディな香り

・樹脂…木樽熟成した香り


【化学物質による香り】

・硫黄…還元香の一種。

・ヨード…海藻や海の香りで、ソーヴィニョン・ブランや甲州に現れやすい香り。


【ブドウ品種の特徴的な香り】

品種的個性や醸造の特徴が見つけられた場合選択します。

・パン ドゥ ミ…イースト系の香りでシュール・リー熟成させたミュスカデに現れる香り。

・トーストやヴァニラ…木樽熟成させたシャルドネに用いられます。どちらも甘く柔らかい香りですが、ヴァニラの方が甘くロースト香が強いです。

・丁子…樽熟成していない甲州の特徴的な香りです。

・バター…シャルドネなどのMLFの香りが出やすい品種に現れます。

・麝香…動物的な香りでソーヴィニョン・ブランに現れる香り。


【選ぶ可能性が低い用語】

ほとんど選ぶ事がない用語です。

・タバコ ・カラメル ・シナモン ・ハチミツ ・花の蜜


次回は赤ワイン編です。