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28.香りの試験的テクニック 赤ワイン編

2019.06.19 06:00

前回に引き続き、赤ワイン編です。


≪果実≫

【メインのフルーツの選択】

赤ワインは白ワインと同じ様に濃淡と粘性と香りはリンクするわけではないので注意深くみていきましょう。

概ね、色調とはリンクする部分が多いです。


実物の果実が分かるかどうかは問題ありません。成熟度が表す単位や尺度として考えてください。


右下にいくほどフルーツはより成熟度が高い印象になります。

・赤系果実…イチゴ < ラズベリー

・青系果実…ブルーベリー

・黒系果実…カシス < ブラックベリー < ブラックチェリー


【ドライフルーツの熟成】

陰干しや遅摘みなどをして乾燥(ドライ)にしたフルーツによって現れる香りの事です。

・干しプラム…瓶内熟成により現れる香り。

・乾燥イチジク…大樽熟成により現れる香り。


≪花・植物≫

【花の選択】

色調とのリンクと芳香の強さにより選択します。

・バラ…色調が赤黒系でお花の香りが優しいタイプ。

・すみれ…色調が黒紫系でお花の香りがする。

・牡丹…色調が赤黒系でお花の芳香成分が強くフラワリーなタイプ。


【分かりやすい香り】

比較的様々な品種からでるこれらの香りは、取れれば選択してください。

・赤ピーマン…未熟果に由来するヴェジタルな香り。比較的若いビンテージに現れる香り。

・メントール…ハッカのスーッとした香り。

・シダ…森の木陰のじめっとした香り。

・杉や針葉樹…森林浴した時の香りがあれば杉、グリーンのトーンがあれば針葉樹を選びます。

・ユーカリ…杉や針葉樹より少しメントール系の香りで、新世界のカベルネ系品種やシラーの特徴です。


【熟成によるアロマ】

木樽を使っていてもいなくてもワインに現れる香りです。

・タバコ…熟成した赤ワイン全般。特に熟成したスペインのテンプラニーリョに現れやすい香り。

・紅茶…熟成したピノ・ノワールに現れる香りです。

・キノコ…熟成した赤ワインの湿った香り。

・スーボワ < 腐葉土 < 土 …枯れ葉の茶系のニュアンスのスーボワ、それが堆積して湿った腐葉土、腐葉土が乾燥して土や埃っぽい香りになる。程度によるニュアンスが大きい部分です。

*熟成の進行度合いではありませんので注意してください。進行度合いについては、また別の機会に。


【選ぶ可能性が低い用語】

ほとんど選ぶ事がない用語です。

・ゼラニウム ・ローリエ ・ドライハーブ ・トリュフ


【フルーツ】から2つくらい選んで、【花】もしくは【熟成によるアロマ】のどちらかから1つ選びます。【分かりやすい香り】で残りの選択個数の調整すると良いです。


≪香辛料・芳香・化学物質≫

【動物系の熟成によるアロマ】

動物的なアロマとしての進行、つまり熟成や深み複雑な度合です。

・血液や生肉 < 乾いた肉 < ジビエ < なめし皮

どの程度なのか「香りの分類と特徴 赤ワイン編」を参照にしながら、感覚的に捉えてください。


【木樽熟成によるアロマ】

真っ直ぐに伸びた固い木材の表面を火でローストして湾曲の樽を作ります。その工程の焼き具合により、ワインに移る香りが異なってきます。

・ライトトースト…バニラやシナモン、ココナッツの香り。

・ミディアムトースト…カカオやココアやチョコレートの香り。

・ヘビートースト…コーヒーやビターチョコの香り。

✴︎樽メーカーにより呼び名は異なります。

また、フレンチオークやアメリカンオークなどの木材使用や新樽古樽の使い方により様々な香りへと変化していきます。

・ローストやヴァニラ < カカオ < コーヒー


【スパイスによるアロマ】

スパイスは特殊で熟成をしてもトーンは変化しますが、ブドウ品種の特徴的な個性の香りは変化しません。

スパイスは芳香と刺激味を持つ種子や木皮を乾燥させたものです。ブドウのフェノール成分である果皮、種子も木質部でありそこからの芳香をワインのスパイスとして取れるアロマなのです。つまり、赤ワインの方がスパイスの香りは強くでます。

・黒胡椒…シラーに現れやすい香り。

・丁子…甘く苦い独特の漢方薬のニュアンスの香り。

・シナモン…スパイシーさと甘い香りを持つワイン

・ナツメグ…ほろ苦さとエキゾチックな香り。

・甘草…甘く朝鮮人参のような香り、丁子よりも強い漢方の香り。


【森林木による香り】

・白檀…少し清涼感を感じさせるお香にも似たウッディな香り。

・杜松の実…ジンに用いられる、ジュニパーベリーの香りです。フランスのシラーに多く選択される傾向です。

・樹脂…木樽熟成した香り


【選ぶ可能性が低い用語】

ほとんど選ぶ事がない用語です。

・硫黄 ・ヨード ・ランシオ 

以上となります。


はじめのうちは時間をかけて1つずつ香りを見つけてください。


また、人によって取りやすい香りと取りづらい香りがあります。人の「味覚」が様々なように「嗅覚」香りの取りやすさも人により変わってきます。

トレーニングする事により少しずつ香りも取れていくので頑張っていきましょう。


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