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最近あった事例について思うこと

2019.06.13 14:35

 久しぶりの更新となります。最近は不安定な天気が続き、大雨に見舞われることもあり、お買い物が大変な時もありますが、それでもお客様は出て来て下さるので、感謝です。

 ちょっと前のお話しですが、開業当初から関わらせて頂いているお客様がおられ、その方は身寄りもなく独居の男性で生活保護を受給されております。これだけを聞くと、大概のケアマネやその他専門職からは難しそうなケースですね~なんて声も聞こえてきそうですが、全くそんなことはないです。むしろこじらせているのはその専門職ということが度々あります(あくまで私の周りだけのお話しです)。利用の経緯などは割愛させて頂きますが、利用当初はほとんど誰にも心を開くことはなかった方です。半年程、とくし丸を利用していく中で、普段定期的に他者との関わりがなかったこの方はとくし丸を楽しみにされるようになり、自ら「次はいつ来るんや?」「来るの待っとってん」などの発言もみられました。

 仮に自分がケアマネとしてこの方を担当すると想定した時に課題となることは大きく分けて次の3点かと思われます。①緊急時の対応(生活保護のケースワーカーがついているが、出来ることは限られている)。②廃用により、現在の生活を継続していくことが困難になる。③生活環境の整備(衛生面・動作補助の福祉用具貸与など)。特に身寄りがいない方への①の対応は大変で、ケアマネも制度的にやれることは限定されるのですが、実際の現場ではボランティアで動いているケアマネも多いと思われます。成年後見人制度などもあり、熱心な司法書士さんなどもおられますが、手続きに時間を要したり、本人の認知機能によっては望んでいたような制度活用ができない場合もあります。そういう意味では『家族』の力は偉大だなぁといつも思います。身寄りのいない方にとっては近所で付き合いのある方や大家さんなどの「互助関係」が重要になります。この方もまさしく互助によって何とか生活が出来ており、本人も居心地が良かったと思います。居心地の良い生活環境というのは、人それぞれ価値観が違うものでここにケアマネの価値観を押しつける支援という場面を今まで何度か見てきました。自分もケアマネをしていた頃、仕事に慣れてくると利用者をパターン化(型にはめる)していた脳になっていたことも実際ありました。利用者の真のニーズや課題分析した結果ではなく、病気や生活環境を把握しただけで、この方にはこのサービスが必要などのいわゆるサービス先行での考えになってこともあり、このサービスを使うことで、利用者の真に望んでいることが叶うのか?という考えが抜けていたこともありました。また初めて要介護認定が下りて、ケアマネが担当についたとたん、今まで付き合いがあった互助関係が希薄になるということもあります。これは単純にケアマネが今までの互助関係を把握しておらず、そこを重要視していないことも一つの要因かと思われます。この方で言えば、心を開いていた地域コーディネーターへの今までの経緯の聞き取りがなく、インフォーマルサービスの位置づけのとくし丸の買い物支援があるにも関わらず、ヘルパーの買い物代行を導入するなど、必要な支援が残念ながら行われていなかったです。また必要のない電動ベッドやデイサービス利用など、急な生活環境の変化があり、本人も混乱され疲れた表情をされておりました。ただ単に買い物だけの関係ではなかったこともあり、本人の楽しみをケアマネの判断で奪ってしまいました。幸いにも大家さんや地域コーディネーターさんから担当ケアマネへとくし丸に来てもらうメリットや急な生活環境の変化を懸念して慎重に進めた方が良いのではないかと提言して頂き、とくし丸利用は継続となりました。現在も利用は継続されておりますが、以前より元気と食欲がなく、あまり良い方向には進んでいないように見える為、歯がゆい部分もあります。今は自分に出来ることを行い、幸いにもこの方の主治医や大家さん、地域コーディネーターさんとも繋がりがある為、皆さんと連携しながら外からマネジメントできないかと模索しております。ケアマネも人間で完璧ではない為、やはり周りからの意見がとても重要で、後悔しないように思ったことは意見として提言していくことを家族さんやサービス事業者、その他関係機関にはお願いしたいと思います。保険事業に携わる方々には税金を使って行っているサービスということを今一度考えて頂き、適切に利用してもらえたらと思います。

まとまりのない長文にお付き合い頂きまして、ありがとうございますm(__)m(おわり)