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TURTLE MARKETING ACADEMY

72.相手の立場に立って考え、そして行動する

2019.06.14 00:17

「坊ちゃん」を書いた夏目漱石の「私の個人主義」、少し読みにくい本でしたが、興味ある文章がありました。


「個人主義とは、第一に自己の個性の発展を仕遂げようと思うならば同時に他人の個性も尊重しなければならないと言うこと。

第二に自己の所有している権力を使用しようと思うならば、それに付随している義務というものを心得なければならないということ。

第三に自己の金力を示そうと願うなら、それに伴う責任を重んじなければならないということ。

つまりこの三ヶ条に帰着するのであります」


これは漱石の個人主義の三ヶ条の最初の言葉ですが、「自己成長しようと思えば同時に他人も成長するようにしなければならない」と述べています。それまでの私が理解していた「個人主義」は、他人は関係なく自分さえよければ良いと言う意味でとらえていましたが、そうではありませんでした。他人と同時に自分も共に成長することが大切なことがわかりました。漱石の唱える個人主義は「共に成長、義務と権利」と規定しています。そこにはネガティブな面はありません。漱石の言葉を自己流に意訳すると、「他人を大切にすることは自分も大切にすること」で、逆に「自分を大切にすることは他人を大切にする」。まさしくこの精神はマーケティングの「相手の立場に立って考え、そして行動する」ことに通じるものがあるのではないでしょうか。漱石流に言うならば、「相手の立場に立って考え、そして行動できれば自己成長につながる」「他利を優先すれば自利につながる」と同じ意味になると思いました。