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TURTLE MARKETING ACADEMY

73.村田昭治先生

2019.06.15 00:03

慶應義塾大学名誉教授としてマーケティングに関する著書を多く出版されていますが、1980年ごろライオン歯磨の顧問として月に一回のマーケティング定例会に来社され最新の米国事情を私たちマーケティングスタッフに話しをしていただきました。内容は技術的な情報よりも人間関係の話に集約され、当時は少し物足りなさを感じていましたが、マーケティングに関与すればするほどその重要度を再認識するようになりました。

先生の著書の中で、特に愛読書としているのが「村田昭治のマーケティング・ハート、プレジデント社 1992」で、マーケティングに興味のある方にとっては必読書です。

先生に対して一番印象深く残っていることは、次の質問に答えてくださいと言われたことです。その質問は、朝日新聞の天声人語で取り上げられた記事を転用されたと思われますが、心に刻まれた内容でした。


小学生の子供に「氷が溶けると何になりますか?」と質問すると、通常は氷が溶ければ「水になります」と答えます。しかし、一人だけが「春になる」と答えた子供がいたそうです。氷がとける季節になると寒い季節が終わって待望の暖かい春がやってくる。北国の子供達にとって春は待ち遠しい季節です。この素直な気持ちを忘れないような大人になって欲しいということでしょう。冷静に判断ができる論理的思考も大切だが、暖かい心情で周りの人をホッとさせる情緒的思考が求められています。


ちなみに、先生がまだご健全で活躍されていたとき、エスティローダーのチーフ会にお呼びして「マーケティング」の講演をしていただきました。懐かしい、そして貴重な思い出です。