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【Etarnal Symbiotic Society】~キャリアコンサルタント上藤彰子のブログ~

8050問題ー親亡き後をどう考えるか

2019.06.16 13:43

最近はキャリアコンサルティングの現場だけではなく、講座運営に関することも手をつけており、忙しい状況でもありますが、国家資格キャリアコンサルタント試験学科対策講座も終わり、研修会や勉強会に出られるようになってきました。本日もキャリアコンサルティングとは違う勉強をしてきましたが、やりたいことよりもまず手堅いことから、と言われ、これは大学を出て初めて仕事をするときにやりたいことよりもすべきことをしなさい、と上司が言うようなものだな、と思いました。

もちろん、これは間違いではありません。ただ、なぜやりたいことより前にすべきなのかをきちんと説明できないと、新入社員も理解できませんし、理解できないと納得もできません。納得できないままの新入社員は、それがリアリティショックとなり、早期離職となってしまうわけです。

早期に離職してしまったとしても、次の転職先で理解できて活躍できるようになれば問題はありませんが、次の転職先でもうまくいかなかったり、もっと状況が悪く転職もうまくいかなかったりすると、再起がはかれません。このまま再起がはかれない状態が続くと、頑張ってもうまくいかない自分に自信をなくしたり、家族からのプレッシャーに耐えられなくなったり、世の中から必要とされていないかと追い詰められたりします。

ここ最近のニュースで、ひきこもりの問題が取り上げられていますが、何かのきっかけで自信を失くしてしまったり、必要とされない自分への無力感、世の中への空虚感を抱えてしまった結果です。仕事はしたいがうまくいかない、家族からプレッシャーを受ける、本人も何とかしたいけど、自分の努力の限界を超えてしまい、行動ができなくなってしまっているのです。

親も子どもへの心配が募る一方、知人や近所の人には相談しにくい、伝えにくい、ということで、助けてくれる資源の情報が減ってしまいます。そして、子どもに「働きなさい」と言っても変わらない日が続き、気がつけば、「自分が死んだあとはどうなるのか」と思う時期になっているのです。

子どもの方は、うまくいかないストレスが蓄積し、メンタル面の問題も出ていることもあります。こんな時にプレッシャーを与えても効果的ではありません。

ニュースで取り上げられてから、8050問題の支援機関の取り組みの記事もいくつか見かけましたが、無理やり本人を部屋から出して施設に連れ出すことを支援として行っているようです。ご本人は在宅プログラマーを目指し勉強をしていましたが、それに対して支援機関は「こんな古いパソコンで」の一言で本人の努力を否定していました。

無理に施設へ連れ出すことで、一時的に親は負担から解放されますが、これは親にとって、本人にとって、本当に良いことでしょうか。施設にいられるのも、親が利用料を払っている間だけです。親が亡くなって利用料の支払いが止まったとき、本人に自立する力がないと、住むところにすら困ってしまいます。

支援機関が親が生きている間に自立ができるように支援をしているなら良いですが、私が見た記事にはそこまで書かれていなかったので、わかりませんでした。ぜひ、自立ができるように、強制することなく支援してもらえたらと思います。

8050問題に至る前にできるだけ、ご本人が自分から動けるように、なくした自信を取り戻すこと、そこから少しずつでも自分から何かに向かって動いていけるよう、寄り添うことが大切です。

私は障がいのある方の親亡き後のご相談もしておりますが、障がいと認定されていなくても、同じお悩みを持つ方の相談にも応じております。