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NATURAL BORN HEROES

【超長文レポート】湯沢スカイエクストリーム 2019

2019.06.17 00:47

我々のチーム「ダブルサバイバー(以下、ダブ鯖)」は一体感がない。「みんなでレース出ようぜ!」とか「夏の合宿やろうぜ!」となっても、自分の予定を優先するメンバーが多い。全く予定を合わせる気がない。


「その日スピード練の日なんで」「その日、ロングライドするんで」と、仲間で集まることよりも自分の練習スケジュールを優先する。スポ根らしく、皆に合わせよう、先輩の意見に合わせようなんてことは全くしない、いかにも近現代的なチームなのだ。自立している、しすぎているほどに。物理的に全然集まらないから、リモートワークならぬリモートチームだ。


もはやチームですらないのかもしれない。でも、ダブ鯖はそんな感じでよいのだ。


さて、そんなダブ鯖メンバーが、珍しくまとまって出ることになったのが「湯沢スカイエクストリーム」だ。と言っても、全メンバーの3分の1にも満たない5人で参加。

左から三田村、副部長の松永、最近好調の高野、僕(渡邊・部長)、スピードスター永田、この5人。ちなみに、松永、永田、渡邊は華の1982年世代。このくらいの年代になってくると、集まりが良くなってくるから不思議。


■参加人数が極端に少ない湯沢スカイエクストリーム

越後湯沢(新潟)で開催される本レースは、実はアクセスが良い。車だと3時間ちょい、東京から新幹線だと1時間ちょいで到着する好立地だ。しかしながら、参加人数は少ない。スタートリストを見てみても、一番人気の55kで150人程度、僕らが参加する27kにあたっては100人を切るレベルの参加人数だ。


随時紹介していくが、コースもけっこう面白いし、もっと人気が出て良いと思う。近くのホテルも綺麗だったし、GALA湯沢内が会場になっているので、受付も準備中も雨風を凌ぐことがデキる。スタート前のトイレ渋滞もナッシングだった。


取り急ぎレース前の僕にとって重要な問題は「ライバルの数と質」。参加人数が少なければ、より絞られた戦いになってくる。

エントリーリストを見てみると、そこまで名の通った選手はいなそうだ。一安心。それと同時に、必然的にチーム内競合への意識が高まる。


■湯沢スカイのライバルは4名

チーム内競合は主に2名。最近調子を上げ、今年のUTMFでは最後の富士吉田エイドまで到達した高野選手、そして毎週一緒にスピード練をしている永田選手だ。特に永田選手はほぼ一回もスピード練習では勝利することができていない俊足の持ち主で、ショートコースとなる本レースでは渡邊最大のライバルと成りうる。同い年だし、イケメンだし、足長いし、負けたくない相手だ。


次にチーム外ライバルだ。会場に到着した僕がまず行ったのは、その他のライバルの品定めトレイルランニングを幾年か経験していると、ドラゴンボールのスカウターのようなものが発動し始め、顔(頬や目のくぼみ具合)や足の状態を見て、強者かどうか見極められるようになってくる。


僕がライバル認定したのは、追加で2名。アシックスのシューズを履いているロードランナーっぽい選手と、ムエタイの英雄のような長身の選手がそれだ。ライバルを整理すると以下の画像のようになる。

■スタート直後は「いつもどおり」の悪調子

このコースはいきなり直登させられる。最初の登りが2kmほどで400m、少し下って+200m、合計600mの直登だ。

正直昨今の自分のレース展開を考えるに、「序盤の登り」は絶対的に調子が悪い。うまく言った試しがない。またレース当日のTrainingPeaksの「FORM(疲労度)」は-2であり、数値的にも疲れている(あくまでターゲットは翌週の「乗鞍天空マラソン」であり、計画的な疲労状態ではある)。

したがって、最初から無理せず、「仮に調子が悪くても前向きに考える」ようにしてレースに臨んだ。


案の定、スタートした瞬間、「体の重さ」を感じ、「いつもの展開」にハマってしまう。当然走れるわけはなく、ひたすらパワーウォークで進む。

ほんとだめ、全然ダメ。なんか腰が痛いし、息も上がるし、四頭筋は乳酸たまりまくってるし、もうダメダメ。

ライバル①・永田とライバル③・ムエタイの英雄こと佐谷選手が遠く先でトップ争いをしている。永田、調子いいなぁ、あんな登りでも走ってやがる。さすがは鎌倉のキリアン・ジョルネ。ムエタイの英雄(佐谷選手)も力強い。


僕はというとライバル④の堤選手(あとあとインスタを確認したらフルマラソン2時間30分台の猛者だった)にそうそうにかわされ、ライバル②の高野選手にも余裕で抜かれた。それどころか、順位でいうと10位前後まで順位を落としている。


うーん、実にいつもどおり。ただひたすら苦しいまま、山頂に到達した。


■下りでエンジンを掛け、4位浮上

しかしながら、今回はこれで計画通り、なのだ。僕の勝負は5km地点から始まる下りである。予想通り、トリッキーで上手い人とそうでない人で差がつきそうなディメンション。大好物である。


僕の戦略は、最初の5kmの登りはとにかく我慢。5km以降の下りでエンジンに火を入れ、その後の続く7kmほどのフラット区間でスピードアップし、その調子そのままで中間の登り(500m上昇)を制圧する。ラストは足が続く限りダッシュ。というもの。


とにかく最初の5kmは我慢したので、下りになった瞬間、本当に飛ばした(実は予想外にライバル②・高野選手は登りの後半で追い抜いていた)。


普段人が入らない国立公園なのか、木段は腐ってたり壊れてたりするし、足を突っ込まなければいけない渡河も複数箇所あった。ライバル①・永田選手には下りで勝てる自信があるし、ライバル④・堤選手はロードランナーっぽいのでそもそも下りは不得意だろう(シューズ、ランシューだったし)。ここで彼らに差を詰めなければ後半に巻き返しもない。


攻め続けた結果、4位浮上。5km地点(山頂)では5分以上あった3位との差も2分くらいに詰めることができ、さぁいよいよ勝負は後半戦へ。


■永田選手とのバチバチバトル

とりあえず、何が何でも表彰台に乗りたい。2つ目の登り(D+500m)に取り付いた時は、こんなメンタルだった。前半の不調を乗り越え、下りで調子を上げ、3位を追撃している。完全に予定どおり。あとはどこまで順位を上げられるか、だ。


2つ目の登りは急峻で、ロープを使って登るような箇所が複数あった。疲れた足には響く斜度。前半抑えた(というか抑えるしかなかった)僕には好条件だ。(とはいえ足は常に攣りそうだったが)


少し視界が開け、見上げると、ライバル①・永田選手の背中が見えた。その差、90秒ほど。これは抜ける。永田選手は平地が速いので、とにかく山頂までに背中を捉え、激下りパートで劇的な差を付ける必要がある。


徐々に近くなる背中、追い抜くための確認、準備に入る。下りに入った時、1分以内の差だったら残りの4kmで交わすことができる。1kmごとに15秒ずつ詰めればよいのだ。登りは永田選手に軍配があがるが、下りは1kmに15秒縮めるくらいの差はあるはず。


一気にスピードを上げて足がつらないように、事前に塩分を摂取。水の量も確認し、カフェインジェルを投下。準備が整ったところで、下りの林道。加速する俺。


最後のエイドを永田選手がスルーする。僕も当然、スルーする。そして、一気に差を詰める。時計をみると、ペースは3'38/km。一気に置き去りにできるペースを保ててる。


永田選手に追いつき、計画通り、一気に抜き去る。メンタルをベッキベキのバキバキにおらなければならないので、抜いた後もスピードを緩めない。予想外に登りの林道とかもあったけど、もう抜いちゃったからには後には引けない。超絶苦しいが、粘って粘ってスピードを維持する。


が、さすがスピードスター永田選手。俄然ついてくる。メンタルつえぇ!確かにいつものスピード練でも、仕掛けたら抜き返してくるやつだ。そろそろ僕ちゃん限界だよこの野郎!


ただこの争い(永田vs渡邊)は表彰台がかかっている。力を抜いて追い抜かれて4位着地、になったら泣くに泣けない。1位はSUUNTOがもらえるらしい。3位はなんだ?SUUNTO的なやつはもらえるのか?

確定しているのは4位にはなにもない、ということだけだ。何が何でも表彰台に乗りたい!


メンタル弱めの僕にしては頑張り続け、林道からゲレンデの激下りに差し掛かると、一気に差が開いてきた。この馬鹿みたいに太い太ももはなんのためにあるんだ。こういう激下りでダメージを気にせず走るためではないのか!太ももの太さだけだったらTomoさんにだって負けないのだ!


そのままスピードを落とすことなく、UTMFばりに人のいないゴールへ到着・・・無事3位・・・と思ったら、ライバル④・堤選手がコースロストをしたようで、棚ぼたの2位。90秒差で永田選手が到着し、3位。チーム内で2人、表彰台に登ることができた。


■湯沢スカイ、は結構面白いレース

コースは上記Stravaを御覧いただきたいんだけど、激登りあり、激下りあり、渡河あり、とショートコースにしてはバリエーションに富んでいてGood。

ショートレースにしては「水1リットル」「雨具」「防寒具」「ライト(予備含む)」などレギュレーションが厳しく、ザックがマストになってくるが、アクセスもよく、エントリーフィーも妥当。

参加人数は少なく、順位が狙えるレースだと思うので、成功体験がほしい人はぜひトライしてほしい。

装備は以下で臨みましたとさ。


■湯沢スカイエクストリーム用の装備

テラカイガー5は、こちらのレビューでは割と「塩レビュー」してしまったんだけど、履きなれるうちに安全に一軍化してきた。後半の林道の下りはこいつのおかげが結構大きい。ペガサストレイルが出たばかりだけど、テラカイガーがやはり本命だと思う。


■湯沢スカイエクストリーム用の補給

ショートレースは、レース前の補給が大事。しかしながら、レース前に食べすぎると体重増につながるし、下りでお腹を壊したりするので、なるべく軽量に仕上げたい。ということで、最近は「エネ餅」「ぬれ煎餅」を多用している。レース前は甘い糖質よりもしょっぱい糖質がおすすめ。

朝ごはん代わりに車の中で、

合計600〜700kcalを摂取。またレース時間が短いので、アミノ酸もレース前に摂取。アミノ酸は手放せなくなっている「俺は摂取す。」を(レース後にもリカバリーで摂取。こちらのページからお得に買えるので興味ある方はぜひ)。


レース中はいつもどおり。30分に1ジェル想定、3時間でクリアすることをイメージしてたので、ジェルは6つ。ジェルボトル2本に分けてセッティング。ショートレースはジェルボトルでクイックに摂取するのがおすすめ。