格コラ「K-1 WORLD GP 2005 ~決勝戦~」
格闘コラムです。
11/19(土)に行われた
「K-1 WORLD GP 2005 in TOKYO ~決勝戦~」。
あえてBlogでは予想は書きませんでしたが(ただ面倒臭かっただけ(笑))、
大方の予想通り、セーム・シュルト選手の優勝で幕を閉じました。
ハッキリ言ってですね、開幕戦(大阪ドーム)の時点で
シュルトの優勝は見えてました。
チェ・ホンマンのような"体格"オンリーではなく、
大道塾→パンクラス→K-1→PRIDE→K-1という格闘ロードが、
シュルトの圧倒的な強さを作り出したのだと思います。
今となっては、PRIDEのリングでハリトーノフにボコボコにされたのも、
きっと肥やしになっている事でしょう。
あの試合があったから、立ち技の世界に回帰した訳でね。
もともとシュルトは打撃の技術だけで総合でも勝ってきたのだから、
立ち技に絞ったK-1ならば本領発揮して当然なんです。
正直、今のシュルトに勝てる選手は見当たらないな。
GP2連覇のボンヤスキーも歯が立たなかったし。
決勝戦の相手だったグラウベ・フェイトーザは、
ホースト以来の"GPトーナメントで2敗"した男になってしまった…。
なんかシュルトとは噛み合わないなー。
僕は好きなんですけどね、グラウベ。
彼が今年K-1に順応してきた事は、来年以降に期待を持たせてくれます。
トーナメント全般を総括しますと、
昔のK-1が戻ってきたな─という事に尽きます。
アーツとバンナの一戦はまさにK-1を体現する試合。
もちろん全盛期と比べれば落ちるんだけど、
現状のコンディションを考えればベストマッチ。
アーツのケガは残念だけど、
バンナ相手の延長戦ではダメージも仕方が無い。
K-1が始まって12年。
そろそろ黎明期の選手には、
GPトーナメントを卒業してもらってもイイのでは?
ワンマッチに集中してもらって、
ベテランの上手さで魅せて欲しいものです。
やっぱり若い選手じゃないと、トーナメントはキビしいですよ。
世代交代の時期としてはここ1,2年が適当じゃないかと。
それと、武蔵 vs カラエフについて一言。
オンタイムで見た感じでは派手な攻めのカラエフが印象に残ったけど、
東芝RDで見直すと武蔵のローが要所要所で決まってるんですよね。
ただ、いくら破壊力のあるローであっても、
単発だから"攻めの印象"が観る側に残らないんだな。
ハッキリ言って、1R後半の段階でカラエフの動きは読まれていました。
バックスピンキックの軌道とか。
あのー、同じ練習を繰り返すと、
上手くなるのと引き換えに技が読まれやすくなるんです。
同じ軌道を通って足が出てくるからね。
バック&サイドステップのタイミングを合わせれば、
そうそうクリーンヒットする事はありません。
1R序盤以外はまともに入ったソバットは1発も無いでしょ?
しかも初っぱなで全開の攻めをした為に、
2R中盤あたりから、カラエフの顔には疲れの色が。
そりゃぁそうだ。あんなに動けば疲れるって。
でも、そんな無計画な攻め(笑)のカラエフが好きなんですけど。
まだ若いからね。22歳でしょ。
…で、武蔵ですよ。
これだけカラエフが勝てる要素を提供してくれているというのに、
何故にダウンを奪えないのか?
ローの連打さえ出せれば、簡単にKO出来たハズ。
なのに、全ての攻めが単調だから、
毎度お馴染み「怪しい判定」になったじゃないかー!
三者三様で延長ってオイ!
TVで見る限り、会場の雰囲気が変。
多分観客はカラエフの勝ちだと思っているんだろうね。
手数を見れば、カラエフだから。
武蔵の10倍は当ててるでしょ? 効いてるかどうかは関係無く。
勝てる試合を勝ちに行かず、
無意味な延長線を戦ってスタミナを消耗。
さらに狙い済ましたカラエフのバッティングで額を腫らし、
ダメージは相当なもの。
どうにか勝って準決勝に進んだと思ったら、
アーツの代わりのリザーバー・グラウベに衝撃的KO負け…。
両足が揃った所にパンチをもらってダウンするわ、
ロープ際での飛びヒザ蹴りで口を切っちゃうし。
もう踏んだり蹴ったり。
試合後には唇を6針塗ったらしいです。イタソー。
ホーストも言ってたけど、
いくら防御が上手くても勝てないんです。
単純にローの連打でも何でもイイから、
ガーっと攻める武蔵になってくれないかな?
そうすれば、胡散臭い判定も無くなる事でしょう。
シュルトが優勝したことで、
K-1の色もの路線は終わりを告げました。
モノホンしか生き残れない時代が来たというこったね。
あー、日本代表はいつまで武蔵なのだろうか…。
誰でもイイから出てこーい!