業務妨害
【ざっくり説明すると…】
→業務妨害罪には「偽計」と「威力」がある
→“人にわかるような形でビビらせるような行為”であれば「威力」
→公務執行妨害罪は「公務員」に「暴行・脅迫」したとき限定
先日、Twitterで
このような質問を頂戴しました。
このご質問に対する回答の流れで
「業務妨害罪」(刑法233、234条)についても
解説させていただきましたので
今回は
この業務妨害罪について
わかりやすい言葉で
噛み砕いて説明したいと思います。
「業務妨害罪」というのは
読んで字のごとく、
“他人が反復継続して行う事務”を
“邪魔する”ことです。
業務妨害をしてしまうと、
1ヶ月~3年の間で
裁判所が決めた期間、
刑務所に入って働いてください
または
1万円~50万円の範囲で
裁判所が決めた金額の
罰金を払ってください
という罰則が待っています。
この“邪魔する”方法は
大きく分けると2種類あります
偽計(ぎけい)業務妨害(233条)と
威力(いりょく)業務妨害(234条)です。
「偽計」というのは簡単にいうと
相手を騙したり、誘惑したりすること、
「威力」は簡単にいうと
相手の意思を押さえつけること、
であると説明されています。
「偽計」の具体例としては
・他人の名前で商品を注文して配達させる
・飲食店に無言電話をかけまくり他のお客さんからの注文をさせない
・デパート売場の布団の中に針を混入させる
「威力」の具体例としては
・競馬場に釘をバラまく
・国体の開会式で掲揚した日の丸の旗を降ろす
・食堂内にヘビを放つ
などがあります
これらの妨害は
事件として実際に存在したものです。
ただ、この「偽計」と「威力」
2つの区別は非常に難しいです。
たとえば、たまに
“ウソの爆破予告電話をする”
なんてニュースが出たりしますが
これはどちらでしょうか。
騙しているから「偽計」?
相手をビビらせているから「威力」?
判断のポイントとしては
“人にわかるような形で
ビビらせるような行為”であれば
「威力」だと思ってください。
爆破予告の場合は
たとえウソであっても
電話を受けた人が
ビビってしまうような内容なので
これは
「偽計」ではなくて「威力」になります。
ちなみに、似たような犯罪で
「公務執行妨害罪」(刑法95条)がありますが
これは
公務員の仕事に対して
暴行や脅迫をすることで
邪魔をした場合に成立する犯罪です
公務員を騙して仕事を邪魔しただけでは
公務執行妨害罪は成立しませんので
覚えておいてくださいね。
「業務妨害だ!」って
よく聞きますが
実は意外と
奥が深いんですよね
ご参考になりましたでしょうか。
なるべく難しい言葉を
逆にわかりにくくなって
また、専門家の方、
あまりに稚拙で言葉足らずで
重々承知しております。
ただ、このブログのコンセプトは
まったく法律を知らない方にとって
少しでも興味を持っていただく
きっかけになればと思い
始めたものですので
どうかご容赦いただけばと思います。