◇急ぎの中の温もり
今朝、仕事に行くため駅に向かって歩いていました。
いつもより少し遅い時間で、気持ちがちょっとだけ焦っていました。
ふと、このブログにも何度か書かせてもらった「みつこさん」のことを「今日は、いつもより少し遅い時間だから、お会いすることはないだろうな」と、思いながら歩いていました。
すると「亀ちゃーん」と、優しい声が聞こえて来ました。
ちょっと急ぎ足で歩いておられたのか、少し息が上がっているように感じました。
私は満面の笑顔で挨拶をし、沢山話したかったのですが、お急ぎだろうなと思い「今日はここで結構ですからね」と言い、お別れしようとしました。
すると、みつこさんが「地下鉄の入り口まで行きますよ」と言って、50メートルほど逆戻りで案内をしてくれました。 入り口に着き、お急ぎだっただろうにと、心からお礼を言って、お別れしました。
今度は駅のホームで、到着した電車に乗ろうとしたら、後ろから「西亀さーん」と、私を呼ぶ声が聞こえ、一緒に乗り込みました。 元の会社の知り合いの「Uさん」でした。 前にも一度会ったのですが、その時は電車を降りてからわざわざ遠回りをして送ってくれたことを覚えています。 話の中でUさんが「今日はすみませんが、時間がなくて送れません。本当はもっと早く出勤するつもりだったんですけど、寝坊をしたもので…」と、笑いながら話してくれました。 私は「はい、いいですよ。私は大丈夫だから、電車を降りたら走ってくださいね」と伝えました。
駅に到着したら「途中まで送りますよ」と言ってくれるので「大丈夫。走って行って」と私が言いました。 でも手を持ってくれているので「じゃあ、そこの階段の手前まで」と言ったのですが「じゃあ、上まで行きます」とUさん。 それで、改札を出るところまで一緒に来ました。 「はい、もう大丈夫。 早く行って」と私。
すると「そこの点字ブロックまで」と、点字ブロックの位置まで送ってくれました。 別れる時「少しでも早く行きたかっただろうに…」と、優しさに感謝しながら頭を下げました。
次の電車の乗り換えが終わり、職場に向かって歩いていたら、またまた私を呼ぶ声が。
「西亀さーん」と、Oさんでした。 「今、後姿が見えたから、走って来ました」と、ぜぇぜぇと息を切らしながら話してくれました。 お礼を言い、楽しく話しながら無事に職場に到着しました。 今朝は私もそうでしたが、急ぎの人によく会う日でした。 私に声をかけなくても、まったく分からないし、また、声を掛けなければ早く行けるのに、「よく声を掛けてくれたもの」と、感謝いっぱいの朝になりました。
私の杖は『魔法の白い杖』で、「優しい人を教えてくれる杖」と、よく話すのですが、今日は、皆さんに更に深い「優しさの温もり」を教えてもらいました。
幸せな朝を、ありがとうございました。 亀ちゃん