ZIPANG-3 TOKIO 2020 「 越中八尾に初秋の風が吹く おわら風の盆 」
はじめに 記事をお届けするに当たり、この度の山形沖を震源地とする、地震災害で被災された方々、並びに前年の北海道・関西地方ならびに中国四国・九州地方における大雨・地震災害で未だ行方不明、並びに亡くなられた皆様のご冥福をお祈りするとともに、被災された全ての方々に心よりお見舞い申し上げます
おわら風の盆 哀愁を帯びた胡弓の音色が聞こえてくるようです
きっと合言葉は、来年もおわら風の盆にお会いしましょう・・・
おわら風の盆は踊りだけじゃないよ~、前夜祭には井波彫刻の凄い木彫りの山車が出る
おわら風の盆の町 八尾
おわらの粋と艶
おわらの里に夕暮れが訪れる頃、何処からかおわら囃子が聞こえてくる
山里の夕陽が落ちて街灯の灯りがともる頃、八尾の町々で女たちの踊りがはじまる
満を持して、いよいよ男衆の出番だ、八尾の女たちを優しくサポート
八尾町とおわら風の盆
おわらの里・富山県富山市八尾町は、富山平野の南西部にあり、平野から飛騨の山脈に連なる街道筋の富山県と岐阜県との県境に位置します。八尾の名称の由来は、飛騨の山々から越中側へのびる八つの山の尾に拓かれた地を意味するといわれています。
かつて「富山藩の御納戸」と称されるほど経済力豊かな町で、街道の拠点として飛騨との交易や売薬、売薬用紙の販売、養蚕による収益などで繁栄していました。富山藩の財政を支えた八尾町民の心意気として、井波彫刻、高岡彫金、城端漆工など加賀藩の名工の作が惜しげもなく散りばめられた豪華絢爛な曳山祭(5月)などを始めとした伝統文化が数多く残っています。
おわら風の盆の開催区域である旧町と呼ばれる地区は、山の傾斜に石を積み上げ、安定させたその上に細長くできた高地に町並みを見せる坂の町です。今もなお昔ながらの風情を残し、昭和61年に「日本の道100選」に選定された諏訪町本通りや、通りの両側を流れる火防・流雪用水路「エンナカ」が奏でる水の音は、おわらの音色と共に平成8年に「残したい日本の音風景100選」にも選定されています。
情緒ある八尾町、町民の生活から見いだしたおわらの歴史は古く、「おわら風の盆」は八尾に暮らす人々が大切に守り育んできた民謡行事であり、町民の生命ともいうべき特別な存在です。
おわら風の盆は、子供たちにとっても大切な存在です。八尾の子供は胡弓の音色が子守唄⁉
八尾町民から全国の皆様へのお願い
『おわら風の盆は旧町と呼ばれる「東新町、西新町、諏訪町、上新町、鏡町、東町、西町、今町、下新町、天満町」と「福島」を合わせた合計11の町で行われます。
11の町が自分の町を中心にそれぞれ自主的に行っており、一堂に会するような事はありません。従って、全国に名の通った民謡行事としては観光イベント的な要素は少なく、皆様をもてなすことはあまり上手ではありません。近年は、山懐の小さな町には余る人並みで混雑を極めています。満足におわらの良さをご覧いただくことも困難になっています。
しかし、このような状況においても何とかして全国各地からお越しいただいた皆様に「おわら」を愉しんでいただきたいと考えております。皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
八尾の人々は、おわらを伝えていくことを誇らしく語ります。おわらを大切に見守っていただける方々をこれからも大切にしていきたいと考えております。』
越中八尾「おわら風の盆」は、9月1日~3日です。
おわら風の盆前夜祭 哀愁を帯びた「胡弓」の音色に誘われて人々は集まり始める
おわら風の盆前夜祭
前夜祭について
開催期間:8月20日~8月30日
前夜祭「おわらステージ」
会場:八尾曳山展示館『観光会館』ホール(有料)
開場:午後5:30
開演:午後6:30~午後7:50(雨天決行)
前夜祭「各町内」
開催時間:午後8:00~午後10:00(降雨時中断)
内容:輪踊りと町流し
毎晩、1町内が輪踊りや町流しなどを行います。
町内によっては町流しを行わないことがあります。
輪に入って一緒に踊る場合には必ず町内役員の指示に従ってください。
各町内の日程(令和元年)
開催日 開催支部 前夜祭会場
8月20日(火) 天満町 天満町通り
8月21日(水) 東新町 若宮八幡社・東新町通り
8月22日(木) 東町 東町通り
8月23日(金) 下新町 下新町通り
8月24日(土) 西新町 西新町通り
8月25日(日) 今町 今町通り
8月26日(月) 上新町 上新町通り
8月27日(火) 福島 ふれあい広場・駅前通り
8月28日(水) 諏訪町 諏訪町通り
8月29日(木) 西町 西町通り
8月30日(金) 鏡町 鏡町通り
おわら風の盆 男衆の晴れ姿。女性観光客はうっとりと・・・
編集後記
50年も昔は仕事柄、名古屋を起点に飛騨、越中、加賀、越前、近江、また近江から逆回りで越前、加賀、越中、飛騨。飛騨街道が雨などで通行規制されている時には、岐阜から郡上八幡、ひるがの高原、ひだ荘川を経由して高山・古川・神岡廻りで越中へとかれこれ10年余りだったでしょうか、感覚的には長くて短い旅路でした。その中で、八尾町のY氏と知り合い度々、お訪ねした?・・・というより若き日の厚かましさと申すべきか?…勝手に押しかけて行って、無理矢理おもてなしにあずかったものです。…今にして思えば下心見え見え…(苦笑)
ある時は、雪の降る中を水揚げされた魚を求めて魚津港へ(まだ魚津の新水族館もなかった頃です)、春にはホタルイカ※、ある時は富山市の中心部を流れる松川の川沿いに約2.5キロにわたる桜並木を目の端に愛でながら船で川下り、またある時には、黒部の宇奈月温泉へと・・・(どこが仕事柄だ~?実はそれも仕事の内でした……と今更言い訳するな~…)
ひょっこり訪ねて行っても、嫌な顔一つせず、その季節一番の見せ場に案内してくれる方でした。
その中でも特別に印象深かったのは、Y氏の地元八尾町の "おわら風の盆" のことです。
おわら風の盆の胡弓の哀愁を帯びた音色と編笠を目深にかぶって踊る男女の仕草が重なり合いいやが上にもこの情緒の高まりに身の置きどころなく、無性にやる瀬無くなったものでした。(苦笑)
当時はまだ観光客は少なくて殆どは地元の人々で一年に一度の出会いを楽しんでいる風情でした。
現在は、全国的に知れ渡り、当時と違って "おわら風の盆 "に魅了された観光客が全国から押し寄せるようになりましたね〜
私噺で恐縮ですが、富山と言えば未だ感受性の高かった齢、つい八尾町を思い出してしまいます。八尾町と言えば "おわら風の盆 "とY氏のこと。少し気が早いですが、皆様におかれましては、今年こそは是非にご体験されますように。この機会を借りてご案内させて頂きました。
参考
富山湾に春を告げるミルキーブルーの光り!
※ホタルイカ
富山湾の春の風物詩「ホタルイカ」、青白く光るその姿は「富山湾の神秘」。魚津では三大奇観の一つとされていて、「富山県のさかな」にも選定されています。
富山湾におけるホタルイカの漁獲は定置網でされており、3月から6月が主漁期で、最近では生の状態や生きたままでも出荷されています。
食しても大変美味しく、桜煮や甘露煮、塩辛といった加工品はもとより、お刺身や酢味噌和えなど家庭や飲食店でもよく食されます。(季節になると総曲輪の寿司栄でよくいただきました。冗談話が好きで活きがいい大将~元気だろうか?)
ホタルイカは発光するイカとして有名です。魚津水族館ではホタルイカがとれる3月半ばから5月末までの期間、ホタルイカが飼育展示されています。
ホタルイカの産卵期の3月~6月には、浅瀬まで産卵に来たメスが海岸に打ち上げられることがあり地元ではこれを「ホタルイカの身投げ」と呼びます。ホタルイカの放つ光で波打ち際が青白くきらめく幻想的なシーンがみられます。
【特別天然記念物】
生態的な特徴があり、産業的にも重要なホタルイカを保護する目的で、昭和 27年(1952年)に富山市・滑川市・魚津市の海(常願寺川右岸から旧魚津町までの沖合約1.3kmまでの海面)は、「ホタルイカ群遊海面」として国の特別天然記念物に指定されました。
ホタルイカの生態についてはまだまだ謎が多く、末知の可能性を秘めた生物といえるでしょう。
鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
協力(順不同・敬称略)
公益社団法人 とやま観光推進機構
〒930-8501 富山市新総曲輪1-7 県庁南別館 2F TEL: 076-441-7722
おわら風の盆行事運営委員会 越中八尾観光協会
〒939-2342 富山県富山市八尾町上新町2898-1 TEL(076)454-5138
魚津市観光協会
〒937-0067 富山県魚津市釈迦堂1-12-18 魚津商工会議所ビル4F TEL 0765-22-1200
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