【赤い花シリーズ①】魔女の心臓
現在、なろうで公開中の「赤い花」シリーズ(18禁バージョンもあります)は、〈赤い花〉という種類の心臓を持つ魔女たちが主人公となっています。
この作品に登場するとくべつな心臓を持ち、人智を超えた魔力を操る魔女(魔人)たちは、その代償としてあらゆる性癖に悩まされており、ときにそのせいで精神を病んでしまうことがあります。
アマリリスは人狼狩り、幽はマゾヒズムなどとても過激な場合も多くありますが、マリアのようにただ読書するだけという無害なものもあって、どれが自分の性癖になるかは運任せという理不尽さ。
ここに遺伝などのパターンはなく、自分がどんな性癖に目覚めてしまうかは全く分からないという危うさも秘めていたりします……。
また、魔女(魔人)の心臓の遺伝は伴性優性(顕性)遺伝であることを決めています。
これは、性別を決定する性染色体に深くかかわるもので、ショウジョウバエや血友病の遺伝で有名ですね。
魔女の心臓の設定も、これに倣ってX染色体上にひとつでも該当する因子があれば魔女(魔人)となるというものになっています。
魔女たちの心臓の種類間でも優先度があり、健康に誕生する場合は完全に混ざることはありません。〈赤い花〉の因子は全ての魔女の心臓に対して最優先され、片方の親が〈赤い花〉だと子に遺伝する可能性が極めて高くなります。
※ただし、伴性遺伝なので父親だけが〈赤い花〉で母親がそれ以外の種族である場合、息子が〈赤い花〉になることはなく、娘は必ず〈赤い花〉として誕生することになります。
たとえば、『読書家のマリア』の主人公であるマリアの場合ですが、〈赤い花〉を伝えるがX´だとして、
まず、母方の祖父が赤い花なのでX´Y、祖母はただの人間なのでXXとなります。この組み合わせは息子は必ず〈赤い花〉以外の種族に、そして娘は必ず〈赤い花〉として誕生します。なので、マリアの母は〈赤い花〉で伯父はただの人間だったわけです。
そして、マリアの父は〈赤い花〉なのでX´Yでしたが、マリアの母はX´Xなので、マリアがX´X´なのかX´Xなのかは現時点では判りません。
〈赤い花〉以外の誰かと結ばれたマリアが〈赤い花〉以外の子を産んだときに初めてX´Xであることが判ります。X´X´だった場合は、マリアの産む子はすべて〈赤い花〉となります。
また、『U‐Rei 72の古物』では、女性同士で子どもを作れちゃうかもしれない古物を登場させましたが、仮にこの古物の力を使って幽と霊が子どもを産んだ場合……。
幽は母親のみが〈赤い花〉なのでX´Xで、霊は〈赤い花〉ではないのでXXとなります。子どもは必ず娘になり、〈赤い花〉になるかどうかは五分五分といったところ。
吸血鬼(マテリアル)の遺伝についてはまた後日、別記しますが、いずれにせよ〈赤い花〉は心臓の遺伝で決まるので、幽のX´が子に遺伝すれば〈赤い花〉になります。
「赤い花」シリーズの魔女の心臓の設定はこんな感じです。
今後、執筆を続けていくうちに登場キャラの子どもや子孫とかも書いていくかもしれませんが、その際にこのルールを守るように気をつけたいと思います。