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電源ケーブルの結論

2019.06.23 04:58

最終作 線径0.20mm×68本=2.135m㎡



素線径と再生周波数帯域の関係と断面積の観点から、段階的線径構成に始まり全帯域再生の細い線径のより線に移行し3年以上にわたり電源ケーブルを制作してきましたが、ついに結論に達しました。


基準となるのは昔からある普通の電源ケーブルや赤黒スピーカーケーブルの、線径0.26mm×37本=1.963m㎡です。

このことからも電源ケーブルとスピーカーケーブルにおいて、線径と再生周波数帯域の関係が近いことがうかがえます。

スピーカーケーブルでしたら、この線径と本数で大型スピーカーでも低音域は十分に再生され、小型のスピーカーではやや太すぎると思います。


線径0.26mm×37本=1.963m㎡はスピーカーケーブルとしても電源ケーブルとしても、十分な低音域が再生され決して細くは無く、これ以上太い必要もない!ということが分かります。


電源ケーブルを線径0.3mmの単線で試聴することはできませんが、スピーカーケーブルでは線径0.3mmはシンバルのシャーン!の帯域にあたります。

線径0.26mmはシャ-ン!の音が消えて行くさらに上の空間表現に近い帯域になります。


より線は素線径の再生周波数帯域から本数が増えるほど音像と低音域を増していきますので、より線の素線径は最低でも0.26mm以下の必要があります。

しかし線径の細い方が解像度や空間表現は良くなります。


そのため、

1作目 線径0.23mm×64本=2.657m㎡、

2作目 線径0.20mm×80本=2.512m㎡、

3作目 線径0.23mm×56本=2.325m㎡、

4作目 線径0.20mm×70本=2.198m㎡

5作目 線径0.20mm×66本=2.072m㎡、

を制作しました。


より線の1作目は2016年3月でした。

一度に制作したのではなく、しばらく聞いては改良してといった具合です。

同じ線径では本数が減っていくのが分かりますが、太すぎて低音域がダブつくために本数を減らしています。

5作目を制作した時点で適当ではダメだと断面積比較表を作りました。


線径が細くなった場合は本数を増やさないと低音域の量感が少なくなりますので、線径が細くなった場合にどれくらい本数を増やせば良いかを知るために作成しました。

制作したものや試聴したケーブルを当てはめると音の感じが見えてきました。


解像度の高さから線径は0.20mmに絞りました。

最終作 線径0.20mm×68本=2.135m㎡、


よくここまでハンドメイドで撚ってきたと我ながら感心します。

線径0.20mm×68本=2.135m㎡は線径0.26mmよりも0.23mmよりも解像度が高く、低音域の量感も充分でダブつきもなく、過去最高の出来です。

素線径と本数による再生音の解像度と低音域の量感は、断面積比較表の通りでした。


断面積比較表では線径0.18mmの予想標準帯より本数が2本少ないところに、塩田電線のC1011(現オヤイデ PC-23)というケーブルがありますが、素線径が細い為解像度が高く空間表現もよくクセの無い好きなケーブルでこのケーブルに出会ってからはこのケーブルしか購入していません。


自作ケーブル3年間の集大成である線径0.20mm×68本=2.135m㎡と線径0.18mmの塩田電線を比較してみました。


電源プラグはどちらもアメリカン電機です。

結果は!!

素線径0.18mmの塩田電線C1011が、さらに空間表見もよく表情も緻密でなめらかでした。


標準の素線径0.26mmと比較して素線径0.2mmならば解像度も空間表現も充分だろうと思っていましたが、0.18mmではまた一段向上が見られました。

しかも1mで1,200円のケーブルです。(現在はオヤイデP-23 1m 1,080円)

特に大きなスピーカーでなければ、断面積比較表の標準帯より本数が2本少ないのは全く問題にはなりません。


電源ケーブル作りもなかなかの旅でしたが、安価でこんなに良い電源ケーブルがあるのですから今後は苦労して自作する必要はなくなりました。


素線径が0.2mm以下の電源ケーブルはかなり探しましたがこのケーブル以外に見つけていませんので、あくまで線径と再生周波数帯域の観点からみればですが、解像度とか空間表現を求めるならば、オヤイデP-23 しか選択肢はないと思います。

空間表現が上がれば演奏会場の広さや楽器の距離感が出てきて、よりリアル感が向上します。


今後はゆっくりと電源プラグなど比較しようと思っていますが、アメリカン電機の電源プラグも線径0.2mmと0.18mmの違いやクセの無さもはっきりと聞き分けできるのですから良いプラグと思います。


オヤイデ電気 PC-23



注意!

スピーカーケーブルに素線径0.3mm以上や太い単線などのケーブルを使用されている場合は、空間表現などに違いを感じられない場合もありますので、最低でも素線径0.26mm以下のケーブルに変えてから電源ケーブルの比較試聴を行ってください。

電源ケーブルの下流にあたるRCAケーブルも同様です。RCAケーブルの素線径は0.12mm以下が好ましいと思います。


素線径0.3mmのスピーカーケーブルはシンバルの帯域であり、本数が増えるとともに低音域方向に伸び音像を増していきます。素線径が太い為少ない本数で高音域から低音域まで鮮明に再生され、非常に評価も高く人気もありますが、空間表現は得意ではありません。

一方素線径の細いより線は、空間表現や解像度の高さから豊かな低音域まで、緻密でなめらかな全帯域再生が魅力となりますが、本数が多くなるため鮮明さは落ちます。


「ゲンさんのケーブル」は段階的線径構成により非常にワイドレンジで、導体本数は10本以下のため非常に鮮明です。




これまで制作した電源ケーブルの一部


より線の前は段階的線径構成で制作していましたが、高音域から低音域に対応する線径はスピーカーケーブルの線径0.2mm~0.7mmに対して、電源ケーブルでは線径0.16mm~08mm位になりそうです。