無理しない街づくりを考える - コジローカル考
コジローカル考、第3回はかなり個人的な話が続きますが、今回はボクが弥富市でやってきた【無理しない街づくり】という考え方を整理してみます。
無理しないために「街づくりの動機」を持つ
街づくりがしたい、地域おこしをしたいと言う方はたくさんいます。
祭りやフェス、マルシェや運動会、防災会など。
誰かから誘われたままに動機なく、まずはボランティアで関わり始めて、それから数年、楽しみたくて始めたはずなのにいつの間にかメンバーのために色んな事を投げ出し、お金や自分、家族を犠牲にして、疲れてしまうパターンがそれなりに多いでしょう。
なぜ街づくりをやるのか?自分はどこまで関わるのか?と言う動機がとても大切。
でも、「そこまで無理するつもりは全く無いけど、今より面白くはしたい」くらいの動機も同じくらい存在していいし、十分に立派だと思います。
ボクはもともと愛知県弥富市にはゆかりがないので、たまたま仕事の関係でフラっと移り住んだだけです。
でもボクの子供たちはこの地で生まれ、ここを地元として育っていきます。
だから、ボクが地域のことや街づくりに関わる動機は、至って個人的なことで、自分や家族がより良く暮らすために地域と関わるだけです。
こんな動機なので、自分たちを犠牲にしてまで頑張って地域を発展させるようなことは合わないわけです。
無理しないルールを決める
なのに!
数年前から、Webメディアを始めたり、土日イベントに呼ばれるようになって家族との時間が減って負担に思わせる時期がありました。
やはり、いつも気をつけていないと【無理する街づくり】がすぐ近くにやってくるんです。
そのお誘いに対して、何を受けるのか、何は断るのか、これ決めておくの大事です。
ボクの場合、
- 基本的に土日はやらない(土日は家族と過ごす)
- イベント取材でもなるべく家族を連れて行く
- いつか自分や家族にリターンがあるかどうかを判断軸に持つ
- 直感で面白いと感じなければ乗らない
- 知らないこと・良いと思ってないことは頼まれても記事にしない
- 勉強になりそうなことを探す
- 自分の気持ちは我慢しない
- 合わないなら去る
- ギャラと納期は必ず確認する(※ギャラなしでもやりたければやります)
さらには、SNS/Web上で街づくりについてあれやこれやと議論したり企画したり、人と人を繫ぐのはとても好きで、時間と場所に縛られずずーっとやってます。
だから自分が無理せずやれることってなんだろうかと考えてみてルールを決め、それに合わないことはサラサラとお断りすればいいんです。
土日イベントを手伝えないなら無用と判断されたプロジェクトはありました。
一方で、メディア活動は自分の好みに合わせて何の苦もなく楽しくやってますが、このメディアを評価して快く仲間にしてくれる繋がりもあります。
無理せずやれることを選んでやっていれば、近い価値観の仲間と楽しくやっていけるのです。
良い人を演じない
無理しない街づくりのためには、我慢しないで自分の気持ちに素直に動くのが大切だと思いますね。
街づくりをボランティアでやる、というと自分自身も周りもついつい「良い人」を求めがちで、無理して演じてしまいやすい。
協力してくれるメンバーやイベント参加者にも無理を強いない
やりたいことをやりたいときにやって、書きたいように書いて、メディアはプラットフォームとして使ってもらう。
フェスや飲み会、プレゼンなどのイベントを開催するときも、出欠アンケートを取るときはありますが、あくまで目安。
飲み会でもイベントは何もないときもあるし、希望があれば準備する。
イベントやメディアを運営するのだからと変に気張って固いルールを決めなくてもいい。
期待していなかった効果として不思議だったのは、実はルールなし・イベントなしにしたほうが、みんなちゃんとしてくれるし、自ら動いてくれる。
「出欠登録必須、遅刻厳禁、キャンセル料あり」とか縛りに縛るほど煙たくて出席が悪かったり未払いが発生するのかもしれません。
飲み会なんかで、みんなの希望に合わせて柔軟に出席を記録して、バラバラの参加費を設定して精算するのは大変です。
ルールガチガチのイベントだと、参加者からすると「幹事が自分で決めたルールなんだから自分で頑張ってやりなさいよ」となるんでしょうね。
無理、無駄な努力はしなくていい。
やらないことはやらない。
無理なことは無理と宣言して、未熟なまま進めてみると結構色々と周りが関わってくれて、最終的にはとってもいい形になります。
関係人口の回の「関わりしろ」にも似ているかもしれませんね。
無理せずやれる街づくりを
さて、少し長くなりました。
長くゆるく。
無理する真剣な関わり方と比べると、無理しないやり方のほうが、きっと色々とペースは遅いです。解決できない問題も出がちです。
でも、無理して途中で折れちゃうよりは、スローでも長く続けられるほうがずっとマシです。