【ホスピタリティの魔法】人が、人のことを考えるということ
塾は、大きな括りでは、サービス業に分類されます。
公教育のように文部科学省管轄ではなくて、
経済産業省管轄ですしね。
サービスの語源は、ラテン語の【Servus】(奴隷)。
その語源からも分かる通り、サービスとは、
サービスを受ける側とする側の主従関係がはっきりしているイメージです。
対して、ホスピタリティという言葉があります。
語源はラテン語の【Hospics】(客人等の保護)。
対価を求めるのではなく、おもてなしの心で歓びを与えることを主としています。
塾にとって、
サービスも、ホスピタリティも、
忘れたり蔑ろにしたり出来ない、大切な要素です。
当たり前のことを、当たり前にやるサービス。
期待以上の、感動を与えるホスピタリティ。
どちらも口で言うほど簡単ではありません。
サービス、ホスピタリティとはどんなものなのか、
例となる素敵なお話を一つご紹介します。
あるテーマパークのレストランで実際に起こった実話だそうです。
「最後のお子様ランチ」というお話。どうぞ。
混んでいるレストランに来店した夫婦。
メニューにはないお子様ランチを頼んだ。
「もうそのメニューはないんですよ」、断ることは簡単だったが、不思議に思った店員は尋ねてみた。「どうしてお子様ランチなんですか」
すると奥さんが答えた。
「今日は…亡くなった息子の誕生日なんです。ここのお子様ランチが大好きだったから」
「でも、ないんだったらしょうがないよな」旦那さんが残念そうにつぶやくと、
「ちょっとお時間いただいても大丈夫ですか?」店員は言った。
少し時間がたって、さっきの店員が戻ってきて、その夫婦に言った。
「移動していただいてもよろしいですか?」
二人はよくわからず言われるがまま席を立った。
通されたのは個室。
用意されたお子様用の椅子。
テーブルの上のまんまるの誕生日ケーキ。
そして、お子様ランチ。
二人は涙しながら、
「誕生日だからってココに来たはいいけど、辛くて苦しくて、
来なきゃよかったねなんて言ってたんです。でも、やっぱり来てよかった」
「ありがとうございます」
二人はゆっくり、静かに、息子の誕生日を祝った。
ホスピタリティ、
溢れていますね。
しかも、この店員さんは店舗の責任者などではなくて、
アルバイトの店員さんの一人だったそう。
素晴らしい判断力と動きです。
まずは、立場やルールや採算やコストを度外視して、
本当にお客様の為になることは何か、
考えることから、ホスピタリティはスタートするのかもしれません。
人は一人ひとり違うからこそ、
相手を認め、考え、思いやることが大切。
しかし、時には良かれと思ったことが、
相手を傷つけてしまうこともあるでしょう。
でも、そのやさしい気持ちは、きっと、
大事にしていいものだと思います。
大事にしなくちゃ、いけないものだと思います。
あの人は、
どんなことをしたら喜んでくれるんだろう。
そんなやさしい気持ちを、
精一杯なるべく忘れずに、
私も改めて、
生徒のために出来ることはないか、
保護者様に喜んでもらうにはどうしたらいいか、
考えて直してみようと思いました。
人のことを考えるって、難しい。けど、とっても大事。
でももしかしたら、「けど」じゃなくて、「だから」なのかも。