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時間も場所も自由に選べる働き方を叶えるために。会社員から多拠点で働くフリーランスに転身した女性4人に聞く、実現に向けたストーリーと実態〜itty selection主催イベントレポート~

2019.07.02 12:00

フリーランス・複業・パラレルワークなど、働き方が多様化している現代。「好きなことを仕事にしたい」、「自分に合う働き方を見つけたい」と思ってはいるものの、どのように実現したらいいのか模索している人は多いのではないでしょうか。


2019年5月19日(日)、国内外の多拠点で活躍する女性フリーランス4人をお招きし、場所や時間にとらわれない自由な働き方をどのように実現し、実践しているのかを聞くトークイベントを開催しました。


登壇者は、東京&セブ島にてPRやライターとして活動する小松田久美さん、ハワイ限定展開中のジュエリーブランドオーナー&デザイナーYuさん、海外各地を旅しながら、ライター・Webデザイナーとして活動する小林香織さん、長野と東京の2拠点で広報やSNSマーケティングをしている筒木愛美さんです。

今回のレポートは、イベント主催メンバーの柴田 惠津子がお届けします。



会社員からフリーランスへのはじめの1歩

モデレーター:会社員からフリーランスになった登壇者の皆さんが、自由な働き方を実現するに至った経緯やきっかけを教えてください。


小松田 久美(以下、小松田):会社員時代は秘書やIT企業でテクニカルサポート業務をしていましたが、当時は起業しようとはまったく思っておらず、会社内で出世することで、なにか大きなことができればと考えていました。

お仕事をするなかで「書くことが楽しい」と思う時期があり、ライター養成学校に通い始めたのが、今に至る大きなきっかけです。


それまでは会社員の知り合いしかいませんでしたが、講座をきっかけにフリーランスとして生計を立てる人たちと出会えたことで「自分にもできるかもしれない」、「挑戦してみたい」という気持ちになって、フリーランスへの1歩を踏み出すことができました

そして、今年2月には、フリーランスから法人化もしました。


Yu: 私は、会社員として15年、デザイナーを経てマネージャーをしていました。退職から今年で2年になります。今はハワイを拠点に、ジュエリーブランド展開、商品企画、ディレクションの仕事をしています。


会社員時代は、かなりのキャリア志向で管理職になるまでがんばってきました。結果、自由は得たけど窮屈になってしまい、どうするか考えていた時にたまたま行った病院でドクターストップになり……。

それをキッカケに人生を考え、退職しました。そして、休養のためにハワイに行くことにしました。1度、自分の人生の価値観をリセットするために、自分を見つめ直したくて、海や自然がある場所がいいと思っていました。


もしかしたら現地でジュエリーを売ることができるかもしれないと、少しずつ行動してきたことで、ご縁が生まれ、ハワイでブランドを展開できることになったんです。

ジュエリーを作るのは楽しいですし、自分が生み出したもので多くの人が喜んでくれるのはとても幸せで、この仕事を大事にしていこうと思い、今に至ります。

小林 香織(以下、小林):私も、会社員を15年ほど経験しました。今は、ライターとWebデザインの仕事をしています。フリーランスになって今年で3年半くらいです。

あまり会社環境に恵まれず、どうしても馴染めずに退職を何度かくり返していたんです。そのなかで、「どうしたら心地よく働けるようになるのか」を模索しつづけてきました

そこで、理想のライフスタイルから逆算して、自分に向いている職業を考えたときに、ライターになろうと思い、養成学校に通うことにしたんです。


最初の1年間は会社員をしながら副業でWebメディアのライターをしていました。

そのうち、会社で有休を取らないと、ライターとして取材に行けないということが増えてきて、副業だけでひと月10万円を稼げるようになったときに、「これなら、全時間をライターに費やせば生活していける」と思い、独立しました。


筒木 愛美(以下、筒木):私も都内で会社員をしていたのですが、いつか故郷の長野に戻って仕事をしたいと思っていました。でも、地元には東京で経験したWebコンテンツ制作などに関われる仕事が少なかったんです。

そこで、いっそのこと自分でやってみようと思い立ちました。まずは、安全にフリーランスになれるように、当時働いていた会社に直談判をして、業務提携という形で契約してもらい、基盤を作りました


モデレーター:自由な働き方を実現する1歩を踏み出すには、自分の気持ちや優先したいことを知る、自己対話がもっとも大事なのだなと、みなさんのお話を聞いていて感じました。



フリーランスのタイムマネジメント・収入の実態

モデレーター:それでは、実際にフリーランスになってからの「時間の使い方」や「収入の作り方」について、お話を聞いてみたいと思います。


小林:今は、セブ島留学を機に、海外などを転々とするようになったのですが、海外では、お仕事のほかに買い物やカフェ散策も優先しています。東京でも、人に会ったりイベントに行ったりするなど、まずはプライベートを優先しながらスケジュールを立てています


何のためにフリーランスになったのかを考えると、「やりたいことをやりたい」、「行きたいところに行きたい」というのが1番だったので。

ベースに立ち戻って、自分が独立した理由を忘れないようにしています。ちなみに、海外に行くと、いろんな価値観をインプットできて、自分の常識が剥がれて心が広くなるのでおすすめです。


収入においては、自分が決めた価格のボーダーより低い仕事は受けないということは決めています。金額の決め方は、業界情報を調べて、価値に見合う対価を自分で判断して交渉しています。

小松田:私は朝がすごく苦手で、会社員時代は早起きして、満員電車に乗って出勤するのが辛かったのですが、今はお昼くらいに起床して仕事ができるのが嬉しいです。ただ、休日は作らず、1日を働く時間と自分の時間に分けるようにスケジューリングして生活しています。

セブ島にある日系企業のPRをしているので、セブ島には3か月のうちに2〜3週間ほど滞在します。

ブックライターという、著者の代わりに約一ヶ月で書籍1冊を書き上げる仕事をはじめてから、月単位で予定のコントロールがしやすくなりました。


筒木:私は、土日休みにしています。月曜から金曜までスケジュールを決めて仕事に取り組んでいますね。地方にいると、夜やることがあまりないので、朝型の生活を送っています。

前職からの契約で安定的に収入をいただいていて、ご縁があれば他社さんからお受けすることもあります。受注元は、東京が8割、長野が2割という感じです。東京には月平均6〜7日くらい滞在し、あとは長野にいることが多いですね。


Yu:私は、「今は何をするのが効率よいか」を考えて行動しています。仕事とプライベートの境界線がないので、手帳に1日の行動を可視化することで、何にどれくらい時間を費やしているのかを把握しています。

休日は、朝から海で泳いだり、ロジカルなことを考えずに、ひたすら自然を感じることを大事に過ごしています。そうすると、「自分が何を思っていて何をしたいのか」など、自分の心の中が見えてくるんです。



フリーランスだからこそ感じられる、楽しさとやりがい

モデレーター:好きなことを仕事にしているからこそ、また、フリーランスだからこその楽しさはありますか?


小林:時間や場所を自分で決められるので、自分の人生のハンドルを握っているという感覚が強いのが、いいところですね。

また、取材相手やフリーランス仲間、自分と価値観が近い人たちと出会えることが増えて、幸せだな思うことが多いです。

Yu:モチベーションの維持は大変ですけど、自分がかわいいと思うモノを周囲の方が認めてくれて、届けたい人に届いて、ビジネスになっていく瞬間に幸せを感じています

私は、もともとプロダクトデザイナーという好きな職業に就けてはいたのですが、フリーランスになってからは、数字を追うのではなく、クオリティにとことんこだわって、本当に大切にしてもらいたいモノだけを世に出せるようになりました。


筒木:会社員だと、「後輩が思ったように動いてくれない」とか、人間関係でどうしようもないストレスが積み重なることもありますよね。でも、今は、働きたい人たちと、やりたいことを仕事にできているので、すごく幸福度が上がりました

東京の高層ビルで働くのもいいですが、長野のコワーキングスペースで緑を見て風を感じながら、心地よい環境で仕事できるのが、すごくいいんです。


小松田:売上など、目先のゴールにとらわれてしまっていた経営者さんから、創業当初の夢を思い出してもらえた瞬間は、本当に楽しいなと思います。

企業の広報・PRの仕事って、創業時の動機や、どういう人に買ってほしいか、どういう面を見てほしいかなど、いろんな角度から本質を深堀していくお仕事なので。


会社員のうちからできる、自由な働き方を実現するための準備

モデレーター:好きなことを仕事にして、自由な働き方を実現するために、会社員時代から実践できることがあれば教えてください。


小松田:今思えば、普段から「経営層から自分がどう見えるか」、「経営するとはどういうことなのか」など経営戦略を学ぶ意識を持っておけばよかったなと思いますね。

でも、会社員をして培ったメール作成などのスキルも活きているので、会社員をされている方は、今やっていることが先々活きるということはたくさんあると思います。


筒木:やりたいことを小さな規模ではじめてみるのはおすすめです。私は、会社が副業禁止だったので、NPOやボランティアといった非営利団体のPRやライティングの仕事に携わることにしたんです。活動の様子をSNSなどでも発信し、自分のやりたいことを少しずつ理解してもらうようにもしていました。

そんな積み重ねから会社が信頼してくれて、フリーランスになっても仕事をいただけているので、前職の会社には、とても感謝しています。

小林:SNSやブログなど自分をブランディングできるツールで自分の世界観を作って、ファン・フォロワーを増やしておけるといいですよね。

オンラインサロンなどのコミュニティに入っておくこともおすすめです。業界の常識や相場観、仕事の取り方などがわかりますし、いざ相談できる人がいると心強いので。


Yu:退職してからだと相談しにくいので、独立後を見据えてお仕事をもらえるよう、早めに周りに相談しておくとよいと思います。

終わり方は大事です。次のスタートをきるモチベーションにするために、やっぱり円満退社が1番ですよね。今のお仕事も、会社員時代のつながりの方々に手伝ってもらっています。会社として以上に、人としての関係性を作れれば、精神的にもよいと思います。


モデレーター: “好き”を仕事にして、時間も場所も自由に選べる働き方を実現するためには、自分のやりたいことや、好きなことに素直になること。そして、行動を伴わせて進んでいくのが大事なのだとわかりました。ありがとうございました。



●登壇者プロフィール

小松田 久美(こまつだ くみ)氏

story’s base Inc. CEO/PRプランナー/ライター

2019年2月にフリーランスから法人化。東京のブランドや企業、セブに拠点をおく日系企業の広報&PRサポートを実施。

ライターとしておこなった雑誌や書籍・Web等の取材数は、のべ300件/13冊(書籍)にのぼる。メディア側で活動をしてきた経験を生かし、企業のブランディングから対応が可能。

パラレルキャリア支援として、次のステップを目指す女性たちをスタッフとして迎え、経験を積んでもらう場も提供している。


Yu(とよかわ ゆうこ)氏

Blanc coco デザイナー&オーナー

約15年、日本のプロダクトデザイナーとして第一線で活躍。数々の有名ラグジュアリーブランドや企業にて、Tシャツなどのアパレル商品・ポーチなどの雑貨・スワロフスキーや革やシルクの小物のデザインを担当。

ディスプレイや広告グラフィックなども幅広く手がけ、2017年より自身のジュエリーブランド「Blanc coco」をハワイにて展開中。UNIBAZAR HONOLULU公認プロデューサー兼デザイナー。


小林 香織(こばやし かおり)氏

ライター&Webデザイナー

1981年・埼玉県生まれ。ノマドライフに憧れてOLからフリーライターに転身。2014年ライターデビューし、【働き方、ライフスタイル、旅】など700以上の記事を執筆。

Yahooトピックス、スマートニュース、ハフィントンポストなどに掲載履歴アリ。セブ島への一芸留学&IT留学、福岡県・柳川市やタイ・バンコク等へ短期移住の経験を持つ。

旅と仕事を両立させるスタイルで、現地でノマドライフを送る。2019年2月より、新たなスキルとしてWeb制作を習得し、「書けるWebデザイナー」としての活動をスタート。

小林 香織 公式Twitter

「【自由な働き方をしたい方へ】ノマドフリーライターを実現するまでのステップ」


筒木 愛美(つつき まなみ)氏

1990年・長野県安曇野市生まれ。大学卒業後、都内Webコンテンツ制作会社に入社。

ディレクター・編集者として、SNSマーケティング・Webメディア運用支援などに携わる。また会社員として勤める傍ら、非営利団体の広報担当としても活動。

2018年1月に独立し、長野県にUターン。フリーランス広報として、企業・自治体・NPOの情報発信支援を行う。長野と東京の2拠点生活中。


●記事制作

<主催>
itty selection Inc.
・広報・PRプランナー&PRライター養成講座
企画&運営メンバー:Eri Inoue/柴田惠津子/山崎春奈/Kisa Agathaほか


<itty selection Inc./株式会社itty selection>
PR/キャリア/海外の3つの軸によって、企業や人びとの「セレクト」=「価値のある選択」をサポートする会社です。

東京・ニューヨーク・ハワイの日系企業やブランドのPR、PRパーソンやフリーランスの育成、NY&ハワイとつながるサービスなどを手がけています。代表取締役:上村由依/所在地:東京都渋谷区。


イベントプレスリリース(※イベントは終了しました)

(執筆:柴田 惠津子)