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TURTLE MARKETING ACADEMY

108.発想の転換で協力関係となる

2019.07.01 13:51

業種から業態発想へ転換をすると競合関係が変化する事例があります。それはホテルと旅館の関係で、両者は業種発想では旅館業で相互に競合関係にありますが、業態発想をすると両者は競合関係ではなく協力関係へと変わります。

ホテルに関しては、特に、都市型のホテルは主にビジネス客が主体ですが、業態発想をすると「プライベイト空間」を売る場所となります。ホテル内の廊下は公共空間ですからホテル内をバジャマや浴衣で歩く人はいません。一枚のドアを隔てた隣の部屋はプライベイトなスペースです。宿泊する人の中には室内でパソコンを打ち、メールを書き仕事に没頭する人も少なくありません。しかし、部屋を出ればそこは公共の道路なのでセキュリティに気を付けなくてはなりません。

一方、旅館は「時間を売る」業態としたらどうでしょうか。一流旅館はホテルと異なり仕事で滞在する宿泊客は少なく非日常からのがれて一時の安らぎを求めて宿泊する客です。ホテルは宿泊客のプライバシーを尊重するのでホテル側からは宿泊客に近寄ろうとはしません。また、用事がなければ部屋をノックすることもありません。しかし、旅館は一人ひとりの宿泊客が満足する時間を提供するために、お客様へ歩み寄ることがサービスの基本です。また、部屋の外は公共空間ではなく、あくまでも身内の空間です。リラックスできるのが旅館です。このように考えると、ホテルと旅館はお互いが競合関係はなく協力しあうことが可能になります。