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110. マクドナルドが一夜にして奈落へ歩み始めた

2019.07.01 13:56

マクドナルドは順調にファーストフードビジネスの帝王の道を歩んでいました。事業をさらに発展させ、敬意を払うべきプロジェクトが2001年に立ち上がりました。世田谷の緑あふれる砧公園に近い国立成育医療研究センターの隣に建設した「せたがやハウス」です。この医療センターは日本で唯一の幼児専門病院で、全国各地や、時には外国からも受診する幼児の家族が来院します。「せたがやハウス」は、安価な料金(一人一日1,000円)で付き添い家族が滞在できる素晴らしい施設ホテルです。マクドナルドは社会貢献に協力をする企業でした。しかし、ある時期、この「ファミリーコンセプト」から大幅な事業展開の意思決定がなされたはずです。外資の問題点である「常に売り上げと利益をアップさせなければならない」このプレッシャーが方向転換に走らせたのではないかと思います。あくまでも個人的な推測ですが、企業目的を市場の拡大に舵をきって「 Beyond  MAC (マクドナルドを越えよう) 」と叫び、競争ターゲットをファーストフードだけではなく、「スターバックス」や「吉野家」、最終的にはコンビニで販売する弁当までに裾野をひろげました。その戦略に基づいて100円ハンバーガーが誕生し、厳しい価格競争に突入していきました。低価格を維持するために「コストカット」が積極的に行われた結果が今回の品質管理問題になったのでないかと思います。また、ショップを新しいデザインに作り変え、基調色を赤から黒とベージュに変えてプレミアムイメージを醸し出しはじめました。店内は以前とは別人のようになり、まるで「スタバ」の模倣のようで、もはやターゲットはファミリーではありません。ビジネスモデルの戦略を転換したことは間違いだとは言いませんが、転換を支えるためには本部の管理能力と人材の成長が必要条件です。それがなくして、いかなる発想転換も成功しません。なぜならば、発想転換を実施するのは現場で働く人達だからです。今後、ドメインを見直すか、組織力の改善がなければ解決の突破口は見出されないでしょう。